「おざなり」と「なおざり」、2つの言葉があることを皆さんご存知だろうか。見た目も似てるし、聞いても似てるこの2つの言葉、実は意味が微妙に違うらしい。この意味の違いを知っている人は少ないので、ちゃんと使い分けられていれば、カッコいいかも!
ただすごい紛らわしいので、一度聞いてもなかなか覚えられないかもしれないが、何度もこの雑学記事を読み返して、頭に内容を叩きこんでいただけたら非常にうれしい。ではみていこう。
【生活雑学】「おざなり」と「なおざり」は微妙に違う
【雑学解説】実際に行われるか、行われないか
似ていてややこしい言葉なので、詳しく説明していく。
おざなり
「おざなり」とは、その場しのぎでいいかげんな行動をすることを意味する。
「彼女の話が長いからついおざなりな反応をしてしまった」という文だとすると「彼女の話に対し適当な返事をしてしまった」という意味になる。こんなことしたら2人の関係は悪化しかねないので、しっかり話は聞いてあげよう。
「おざなり」は元々は、江戸時代の芸者が客によって対応を変えたり、表面的に形ばかりを取り繕おうとする言動のことを指す言葉だったが、派生して今の意味になったという。
なおざり
「なおざり」は何もせずにおろそかにしておくことや成り行きまかせにしておくことを意味する。
「彼女の話が長いからつい反応がなおざりになった」という文だとすると「彼女の話が長いから反応すらもしなかった」という意味になる。こうなったらもう破局寸前だろう。彼女への愛は冷めている。
まとめると、「おざなり」は一応着手はしているがその着手の仕方がいいかげんで、「なおざり」は着手すらせず、取り組む姿勢すらないというわけだ。
とまあ、一通り「おざなり」と「なおざり」の違いについて説明をしてきた。何が違うのかに関してはもう大丈夫かと思うが、問題なのはとっさに「実際に行うのはおざなりだっけ? なおざりだっけ?」と混乱してしまう可能性がおおいにあることだ。
わからないときは漢字で考えると解決する
この現象の解決方法は漢字で考えることだ。
「なおざり」の語源は「なほ(直・猶)」+「さり(去)」ではないかとの説がある。これを利用して「そのまま何もせず(直・猶)遠ざける(去)」というイメージを浮かべれば、「なおざりは実際に行わないほうだ!」とパッと答えにたどり着けることだろう。
ちなみに「おざなり」の漢字は「御座形」や「御座成り」である。
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【追加雑学①】間違えやすい言葉「圧倒的」
「ジャイアンツがタイガースに圧倒的な敗北を喫した」
この文章を読んで違和感を感じないだろうか。実は、圧倒的という言葉は「他と比べものにならないほど勝っている」というのが真の意味なのだ!
つまり圧倒的という言葉自体に勝利の意が含まれているので、敗北を伝える文章にはそぐわないのである。先の文章は「タイガースがジャイアンツに圧倒的な勝利を収めた」と変更すれば、正しい文章となる。
【追加雑学②】間違えやすい言葉「確信犯」
刑事ドラマなどでよく耳にする「確信犯」という言葉。正しい意味をご存知だろうか。おそらく多くの人は「自分のする行為が犯罪だと分かっていながら犯罪行為を行うこと」だと思っているだろう。
しかし本当の意味は少し異なる。「自分の宗教・道徳・政治が正しいものだと信じて行う犯罪」というのが正しい意味になる。確信しているのは犯罪に該当することではなく、自分の信念が正しいということだ。
つまり真の意味での「確信犯」は、自分のする行為が犯罪ではないと信じて行為に及んでいるのだ。とはいっても単に自分の考えが正しいだろうと思っているだけなので、身勝手なことには変わりないが…。
雑学まとめ
「おざなり」と「なおざり」についての雑学、いかがだったろうか。「おざなり」は実際に行動するがその行動の仕方がいいかげんで、「なおざり」は行動すらも起こさないという違いがあるのだ。「なおざり」のほうが悪質であるといえるかもしれない。
2つとも似た言葉でまぎらわしいが、漢字で「猶去」とおぼえておけば、「なおざり」がしないほうだと判断しやすいだろう。日本語はこれら以外にも「確信犯」や「圧倒的」など紛らわしい言葉や誤用しがちな言葉がたくさんある。
この機会にいろいろ勉強してみるのも良いかもしれない。
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