皆さん、クジャクはご存知だろうか。漢字で書くと「孔雀」だ。「孔雀王」という漫画もあるが、それではなく、鳥のクジャクである。美しすぎる羽をもち、日本では普通に生活をしていたらまず見かけることのない鳥だ。図鑑や動画でしか見たことがないという人も多いだろう。
そんなクジャクだが、なんと日本国内で害鳥になっているとの情報を耳にした。害鳥は読んで字のごとく有害な鳥のことである。身近な鳥でいうとカラスやスズメがゴミや農作物を荒らして、害鳥と呼ばれるケースはあるのだが、まさかクジャクとは…。
そもそも日本でクジャクが野生に生息していたの? なんて疑問も湧く。気になったので、今回の雑学記事ではこの詳細を調べてみた!
【動物雑学】クジャクは沖縄では害鳥だと…?
【雑学解説】沖縄県八重山(やえやま)列島ではクジャクが野生化している
調べてみると、クジャクが害鳥として認識されているのは、日本の最南端である沖縄での話だった。沖縄本土からさらに400kmほど離れた八重山列島では、クジャクが大量に繁殖して困っているらしい。八重山列島は石垣島や西表島などの離島の総称である。
さすがは南国…クジャクのような鳥でも野生に生息しているのだなと思いきや、実はこのクジャクはもともと沖縄にはいなかったのである。八重山列島にクジャクが持ち込まれたのは1980年ごろ(79年という説も) 現地のリゾートホテルで観賞用として飼育されたのが始まりだ。
だが、台風被害で飼育小屋が壊れてしまい脱走したり、周辺の島々にも持ち込まれたりなどで八重山全域にまで生息地域が拡大したらしい。
野生化したクジャクは徐々にその数が増え、今では農作物を食い荒らすほか、もとから生息している蛇などを食べてしまって生態系への影響も出ている。そのため、八重山列島ではクジャクは害鳥として認識されているのだ。
これ以上増えないように定期的に捕獲作戦なども行われているが、野性の繁殖力には追いつけず、なかなか改善策が見出せていないのである。
うーむ、せっかく育てた農作物を荒らされたのであっては現地の農家の人も大変だろう。ただ、もとは人間のエゴで連れてこられたクジャクだ。クジャクにも罪はないように思う。こういった外来種の被害はときおりニュースになるが、動物を飼育するときは最後まで責任をもたなければいけないということだ。
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【追加雑学】全国にはクジャクを飼育している小学校がある
さて、余談となるが、全国にはなんとクジャクを飼育している小学校があるのだ。ここでの反応は「え? そうなのか!」あるいは「え? そんなの当たり前じゃないの?」の2つに分かれると思う。
実は筆者が通っていた小学校でもクジャクがいた。かなり特殊なケースだと思っていたので、最初はあえて触れなかったが、全国各地にも同じような小学校があったので改めて解説しよう。
平成17年度の環境省の資料によると、推察にはなるが、全国の約2.5%の小学校(約580校)でクジャクが飼育されているそうだ。クジャクの寿命は20年から30年といわれているので、親子でクジャクの飼育係だったという人がいるかもしれない。
栃木県真岡市立小学校のホームページではなんとも珍しいクジャクのヒナの動画が公開されているので、興味のある人は見てみよう。
雑学まとめ
今回の雑学記事では沖縄で野生化してしまったクジャクと、小学校で飼育されているクジャクについて紹介した。皆さんも動物を飼っている人は多くいると思うが、ちゃんと最後まで責任と愛情をもって世話をしよう。
ちなみに筆者は小学校のころ、クジャクの飼育係だったのだが、素手でエサを与えようとしたらクチバシで手のひらごと突かれてしまい、痛い思いをした。もし、そのような機会があれば気をつけてほしい。