水中の動物

なぜ絶滅した…?ペンギンの由来は"オオウミガラス"。|動物雑学

ペンギンとはもともと「オオウミガラス」という雑学

オオウミガラス

「ペンギン」といえば、皆さん想像するのは白黒でよちよち歩きの水族館のアイドルだろう。しかし、昔は「ペンギン」といえば「オオウミガラス」のことだったのである。

オオウミガラス? 海にいるカラスのことだろうか…。名前を聞いたことがない方も多いと思う。それもそのはず、オオウミガラスは現在、もうこの世にいないのだ。

なぜオオウミガラスがペンギンと呼ばれていたのか、なぜオオウミガラスはいなくなったのか、なぜ今水族館にいるペンギンが「ペンギン」と呼ばれるようになったのか。

今回はそれらについて解説するぞ!

【動物雑学】ペンギンとはもともと「オオウミガラス」のこと

オオウミガラスは19世紀に絶滅し、オオウミガラスにそっくりの見た目だった鳥に「ペンギン」の名前が受け継がれた。

【雑学解説】北半球のオオウミガラスと、南半球のオオウミガラスそっくりの鳥

初代「ペンギン」のオオウミガラスは、19世紀半ばまで北半球の大西洋北部に生息していたウミガラス類(チドリ目ウミスズメ科)の海鳥だ。

現在水族館にいるペンギンはペンギン類(ペンギン目ペンギン科)なので種族はちょっと違うのだが、見た目が超そっくり! ぽっちゃりしたお腹・細い首・飛べない羽・とがったクチバシ・泳ぎは速いが陸上ではよちよち歩きなど、シンクロ率が高い。

「ペンギン」の語源

「ペンギン」はもともとオオウミガラスのことを指していたのだが、なぜ「ペンギン」と呼ばれていたのか。「ペンギン」の語源については2つの説があるぞ。

  • オオウミガラスは頭に白い楕円形の模様があったため、ウェールズ語で「白い頭」を表す「pen gwyn(ペン・グィン)」
  • オオウミガラスも現在のペンギンと同じく寒さに耐えるために体に脂肪を溜めていたため、ラテン語で「脂肪が多い」という意味の「Pinguinus(ピンギヌス)」

オオウミガラスの見た目から付けられたのが「ペンギン」という名前だったのだ。

なぜ「ペンギン」は現在のペンギンのことを指すようになったのか

オオウミガラスは、8世紀ごろから肉や卵、羽毛や脂肪を取るために捕獲されていた。

1500年代には、フランスの探検家がオオウミガラスの生息地であるニューファンドランド島に上陸したときのこと。羽毛がとても役に立つうえ卵がとてもおいしいことを発見し、1日に1000羽もオオウミガラスを殺したようだ。

その後も乱獲は続き、1700年代にはすでに残りわずかになってしまった。

さらに、オオウミガラスは1年に1個しか産卵しないという繁殖能力の低さで、乱獲された分の個体数を回復できない。

さらにさらに、オオウミガラスは人間に対する恐怖心がなくむしろ興味津々で、捕まえようとしている人間に近寄ってきたのだという。オオウミガラス、逃げてー!

そして1800年代初期には、ウミガラス岩礁という小さい島に少し生息する程度にまで減ってしまった。しかしこの島は人間が近寄れないところにあったため、なんとかオオウミガラスは繁殖できた。

それなのに、今度はこの島が海底火山の噴火による地震で沈んでしまった…! オオウミガラス、不運すぎる…。

不運はまだ終わらない。この地震の後、奇跡的に50羽ほど生き延び、近くの島に移り住んだそうだが、希少価値が付いたオオウミガラスを標本にしたいと目論む捕獲者たちに、再度狙われてしまった。

1844年、最後のつがいの2羽と彼らの卵が人間に捕獲され、ついにオオウミガラスは絶滅してしまったのだ。

「ペンギン」と呼ばれていた北半球のオオウミガラスが絶滅した後、南半球に生息していたオオウミガラスそっくりの鳥類に「ペンギン」の名前は受け継がれた。2代目「ペンギン」が、現在私たちが知るペンギンなのである。

スポンサーリンク

【追加トリビア】オオウミガラスは北半球に生息していたがペンギンは北極にはいない

ペンギンは氷の上にいるイメージをもっている方も多いのではないだろうか。氷の上を滑って海へダイブ! みたいな。

自然界で氷があるところといえば北極や南極。どっちもペンギンがいそうなイメージ。だがしかし! 北極にはペンギンはいないのである。寒ければどっちでもいいというわけではないようだ。その理由をご紹介しよう。

寒いところが好きなわけではない

寒いところにいるイメージのペンギンだが、別に寒いのが好きというわけではなく、寒流が流れる冷たい海が好きなのだ。理由は、冷たい海は栄養分の高い塩類濃度が濃く、ペンギンのエサとなるプランクトンがたくさんいるから。

赤道直下で暑いガラパゴス諸島にもペンギンは生息している。そこにはペルー海流という寒流があるので、寒くなくても生きていけるのだ。

赤道を越えられない

ペンギンの祖先はもともとニュージーランド付近で誕生していて、そこから寒流に乗って南極・南アフリカ・南アメリカ・ガラパゴスなどに移っていった。

じゃあ寒流に乗って北極まで行けばいいのに…と思うのだが、赤道付近の暖かい海にはプランクトンが少なく、赤道を越えるためにその周辺の海域を抜けることができないのだそうだ。

北極には天敵がいる

もし赤道を奇跡的に超えてペンギンが北極にたどり着いたとしよう。そうしたら、無事にペンギンは生きていけるのか…答えはNO。

ペンギンはずっと海の中で過ごすのではなく、休憩のために陸に上がる。北極の陸地にはホッキョクグマがいる。ペンギンの陸上での動きは皆さんご存じのとおり…。食べられてしまうので、北極では繁殖できないのだ。

先にご紹介したオオウミガラスは北極にも生息していたのだが、オオウミガラスのヒナは巣立ちが早いため、存続することができたのだそうだ。

トリビアまとめ

人間の身勝手で絶滅してしまったオオウミガラス。なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

1844年に絶滅したときの最後の2羽と卵がどうなったかに関しては、ちょっとここでご紹介するのは憚られるほど凄惨なものだった…。おそらく暗い気持ちになると思うが、興味のある方は調べてみてほしい。

現在、野生のペンギン18種中11種は絶滅危惧種なのだそうだ。2代目「ペンギン」の中にはまだ絶滅した種はいないようだが、自然環境が失われて巣が作れなかったり網に引っかかって死んでしまったりと、絶滅の危機に瀕している。

オオウミガラスのときみたいに人間のせいでペンギンが絶滅するということにならないように、環境への配慮など、自分ができることをやっていこうと改めて思った。

こちらの記事もおすすめ!

Copyright© 雑学カンパニー , 2019 All Rights Reserved.