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子ブタを捕まえろ!日本初の運動会には"ブタ追い競争"があった【海軍兵学寮】

雑学カンパニー編集部

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日本最初の運動会のプログラムには「ブタ追い競争」があったという雑学

春や秋に開催される「運動会」。「運動会」というと、運動が苦手な方には、あまりいい思い出がないのではないか。筆者もその一人に他ならない。

だが、そんな運動音痴な私でもぜひ参加したいと思わせる競技がある。「ブタ追い競争」である。この雑学記事では、日本最初の運動会のプログラムで実施された「ブタ追い競争」の真相に迫っていく。

【スポーツ雑学】日本最初の運動会のプログラムには「ブタ追い競争」があった

マッチョ課長
日本最初の運動会の最後のプログラムでは、子ブタの体に油を塗って競技者が捕まえる、『ブタ追い競争』が行われたんだ。
新人ちゃん
『ブタ追い競争』…どんな競争っすか…。

【雑学解説】日本初の運動会で「ブタ追い競争」はプログラムの最後に実施された

観客の笑いを誘った「ブタ追い競争」は、プログラムの最後に実施されたというトリビア

日本最初の運動会が開催されたのは、1874年の3月のことである。東京・築地にあった「海軍兵学寮」と呼ばれる施設で、イギリス人のアーチボルド・ルシアス・ダグラスという人物の提案によって開催されたという。

同月、海軍兵学寮に所属する学生200人以上が参加し、日本最初の運動会は「競技遊戯(きょうぎゆうぎ)」という名のもとに開催された。

マッチョ課長
当時は座学が多く、それを心配したダグラス氏が学生たちのストレス解消のために運動することを提案し、それが運動会開催につながったそうだ。

実施された競技は、「短・中距離走」「走り高跳び」「三段跳び」「二人三脚」をはじめ、等間隔に置かれた20個の卵を拾う「卵拾(たまごひろい)」、水を入れた桶を頭上に乗せて走る「水桶競走」などの一風変わったものまで、計18のプログラムが実施されたという。

なかでも、観衆の笑いを誘ったのが、プログラムの最後に行われた「ブタ追い競争」だったという。「ブタ追い競争」は、全身に油を塗った子ブタを早く捕まえる競技。ブタを捕まえようにも油が邪魔して、なかなか捕まえられないところが観客の笑いを誘った。現在でいう「ウナギ早掴み競争」といった感じだろう。

新人ちゃん
コントみたいな感じっすね。面白そうっす!

その後、1878年に札幌農学校で「力芸」と呼ばれる運動会が。さらに5年後の1983年には、東京大学で「運動会」が開催されるなど、運動会は次第に全国に広がり定着していった。

日本最初の運動会のプログラムには、なんと油を全身に塗られた子ブタを捕まえる「ブタ追い競争」が組み込まれていた。現在でも復活して欲しいプログラムのひとつだ。観客も一緒に笑える運動会の目玉になるのではないだろうか。

【追加雑学①】北海道では「全日本玉入れ競技」が開催されている

北海道では「全日本玉入れ競技」が開催されているというトリビア

運動会のプログラムの定番のひとつに、赤組と白組に分かれて行う「玉入れ競争」がある。この玉入れ競争、じつは全日本選手権が開催されていることをご存知だろうか。

正式名称は「全日本玉入れ競技」と呼ばれ、英名「オールジャパン・タマイレ・アソシエーション」(All Japan Tamaire Association)の頭文字をとって「アジャタ(AJTA)」とも呼ばれている。

新人ちゃん
『Tamaire』はそのまんまなんっすね…ちょっと笑ったっす。

「アジャタ」は北海道の中央部よりやや北に位置する上川郡・和寒町(わっさむ)で開催されている。和寒町は、三浦綾子の小説『塩狩峠』の舞台にもなったところだ。

競技は、直径6メートルのサークル内の中央に配置した、高さ4メートルほどのバスケットに、制限時間内に多くボールをいれたチームが勝ちとなる。

使用される玉は、約80gの重さのボールが99個と、アンカーボールと呼ばれる250gのボール1個を用いて行われ、計100個のボールをバスケット内に入れたタイムを競う。チームは4人から6人で構成される。

投げ方は各チーム自由とされているが、2・3つのボールを縦横交互に積み重ね、一度にまとめて投げる「おがみ投げ」と呼ばれる投げ方などが定番とされる。実際に大会の様子をご覧いただこう。

マッチョ課長
老いも若きも楽しんでいるな!

第1回大会には、選手および関係者2000名あまりが参加したという。なお、この町で大会が開催されているのは、平成2年8月の地元の「ふれあいまつり」において、「全日本玉入れ選手権」が開催されたことにルーツをもっている。

和寒町にある「全日本玉入れ協会」のほかに、関西支部や九州協会なども設立されているようだ。「玉入れ競技」は、性別や年齢に関係なく、チームを組めば誰でも参加できる。あなたもぜひ挑戦してはいかがだろうか。

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【追加雑学②】 沖縄県は綱引きのメッカだった!

運動会のプログラムのひとつに「綱引き」がある。実際に運動会で行なった方も多いのではないだろうか。筆者の学生時代も、生徒はもとより、保護者も参加して行なった記憶があるぐらいだ。

さて、この綱引きが毎年盛んに行われている県があることをご存知だろうか。沖縄県である。

沖縄県では8月に開催される「与那原大綱曳(よなばるおおつなひき)」。9月に開催される「糸満大綱引き(いとまんおおつなひき)」。10月に開催される「那覇大綱挽(なはおおつなひき)」と、3つの大規模な綱引きが行われている。

新人ちゃん
年に3回って、けっこう気合入ってるっすね。

この3つの綱引きは「沖縄3大大綱引き」と呼ばれる。なかでも「那覇大綱挽」は、琉球王国時代から400年以上もの歴史をもつ伝統行事である。

この行事は、毎年10月の体育の日を挟んだ日曜日に市の中心部で行われ、綱引きに使用される「わら綱」は、ギネスにも認定されており、全長200メートル・重量40トンにも及ぶ。実際の映像をご覧いただこう。大群衆のなかで「綱引き」が行われていることが分かるはずだ。

新人ちゃん
え!人多すぎて何が何だか分からないっすよ…!スゴイ祭りっすね…。

「大綱挽」は市の東と西に分かれ、1万5000人ほどが引き合い、見物客は約28万人にものぼるという。綱を引き合う際は、鉦子(しょうぐ)と呼ばれる鐘を打ち、かけ声をあげながら勝敗が争われる。

このように、沖縄県では「綱引き」が毎年行われていたことをご存知だったろうか。沖縄県は、澄んだ海や独特の食文化が息づく場所だけではない。綱引きのメッカでもあったのである。

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雑学まとめ

子ブタを捕まえろ!日本初の運動会には"ブタ追い競争"があった【海軍兵学寮】についてのトリビアまとめ

以上、日本最初の運動会で「ブタ追い競争」が行われたという雑学と、運動会の定番ともいえる「玉入れ競争」「綱引き」のトリビアについてご紹介してきた。

運動会と聞くと、子どもが行うプログラムと思いがちだ。だが上記の通り、全国には大人も参加できる運動会の競技が行われていたのである。あなたも日頃の運動不足に、ぜひ大会や行事に参加してはいかがだろうか。

新人ちゃん
友達作りイベントとして、大人の運動会を開催してるところもあるっすよね。いい男いるかな…。
マッチョ課長
新人ちゃんの場合は恋人探しで参加しそうだね…。

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