今や日本の国民食となった「ラーメン」だが、皆さんはそのどんぶりに注目したことがあるだろうか? 最近のラーメン屋では個性的な模様が描かれたどんぶりでラーメンを提供する店も多い。
しかし、昔ながらの店をはじめ、ラーメンのどんぶりといえば、ふちの部分に渦巻き模様が描かれたどんぶりがまだまだ主流だろう。
あの渦巻き模様はなぜ描かれているのだろう? いつ頃から使われていたのだろうか? 今回の雑学記事では、その疑問について解説していこう!
【食べ物雑学】ラーメンどんぶりの渦巻きの意味とは?
【雑学解説】ラーメンどんぶりの「雷紋」は、中国では特別な模様
渦巻き模様の由来である「雷紋」(雷文と書くこともある)。古くは紀元前700年~1,600年頃の中国(当時は周や殷)から存在したようだ。位の高い人々の土器や陶器などにあしらわれており、そこから日本に広まっていったのである。
なお、日本で最も古く使われていたのは弥生時代の土器で、雷紋の痕跡が発見されている。随分昔から使われていたようだ。
雷紋は、文字通り雷を表現しており、中国では雷光や雷鳴は天の意志を表しているといわれていた。そのため畏怖の念を感じる模様であったようだ。このことから魔除けとしても使われていたらしい。
ラーメンのどんぶりに雷紋が使われている理由
では、なぜ高貴な人々の間で使われていた模様が、どちらかというと庶民の食べ物であるラーメンのどんぶりに描かれるようになったのか? その真相は定かではなく、いつ、誰が描き始めるようになったのかは不明である。
明治時代の開国後、しばらくしてからラーメンの原形が庶民の間で食べられ始めたといわれている。
これは勝手な推測だが、この頃にラーメン=中国といったイメージから雷紋の模様を入れ、それが流行って徐々に一般化していったのものではないだろうか。
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【追加雑学①】他にも!ラーメンのどんぶりに描かれる模様の意味
渦巻き模様の他にも、ラーメンのどんぶりには様々な模様が入っている。
鳳凰(ほうおう)の模様
鳳凰は、中国では非常に高貴で幸運を招くといわれる空想上の生き物である。日本でも京都の平等院鳳凰堂などで使われているように、とてもありがたい生き物なのである。
因みに、鳳凰の「鳳」の字は雄どりで皇帝の紋章を表し、「凰」は雌どりで皇后の紋章を表すようだ。
龍の模様
日本でも大人気の龍は、その昔中国で皇帝の紋章として使われており、かつては皇帝しか使うことが許されなかった、とても由緒正しい模様だ。
このため、庶民が龍の模様を使う場合はツメの数を3本とし、皇帝が使う場合の5本のツメの龍と差別化を図っていた。
双喜文(そうきもん)の模様
「喜」という字を横に2つ並べた模様で、縁起が良い模様として結婚式などで使われる。
「喜」という字が2つも並んでいるのだから、おめでたくないわけがない。日本でも中華料理屋の装飾などでよく見かけるあの模様だ。
【追加雑学②】「なると」の模様の意味は?
ラーメンの具のひとつである「なると」の「の」の字だが、これは鳴門海峡のうず潮を示している、という説が一般的である。
「の」の字は、古くから縁起がいいものとして親しまれており、お正月のおせち料理やお雑煮に入っている理由もこのためである。
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「ラーメンどんぶりの模様」の雑学まとめ
日本で独自の進化を続けている国民食・ラーメンについての雑学を紹介してきた。「雷紋」を始め、そのどんぶりに使われている模様は全て中国が由来であることがわかった。
しかし、なぜ日本のラーメンのどんぶりに使われているのかという理由や、具体的にいつ頃から使われ始めたのかは、はっきりとしたことがわかってない。
今後も、ラーメンは国民食としての進化が止まらないだろうが、その過程でどんぶりに使う模様に変化が訪れるかもしれない。事実、すでに個性的などんぶりでラーメンを提供している店も多く存在する。
ラーメンそのものはもちろん、そのどんぶりの進化にも注目だ。
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