サイってどんな動物? と聞かれたら、多くの人は大きくて鎧のような体に、凶器にも見える大きなツノを思い浮かべるだろう。
では、サイがどんな目をしているかと聞かれたらどうか。おそらくツノばかりが目立って覚えていない人が大半だ。筆者も動物園でサイを見たことがあるが、目はまったく記憶に残っていなかった。
…で、どんな目をしているかというと、サイは大きな体のわりに、とっても小さくてつぶらな目をしている。そしてなんとド近眼だという。敵に向かって果敢に突進していくイメージがあるが、その際も相手があまり見えていないようなのだ。
というわけで今回は、サイの目についての雑学をご紹介しよう!
【面白い雑学】サイは視力が悪くてド近眼…
【雑学解説】サイは30m先までしか見えていないド近眼である
サイは、体重が3トンにもなる大きな体をもっているが、目標に向かって突進するときは、時速50kmものスピードがでるという。普通に道路を走る自動車並みである。
しかし、実はサイは視力が非常に弱く、30m離れると動かないものを判別することができない。30mというのは、だいたい10階建てのマンションの高さくらいだ。
つまりサイは突進する相手が見えていないことも多く、それでも時速50kmで突進するのだ。
いったいどうやって方向を決めているのかというと、サイははっきりと見えていないにも関わらず、目標の位置がわかるほど嗅覚が優れており、また耳をいろんな方向へ動かして音の出どころを探れるのだ。
しかしこの性質のせいで、木の葉が風でガサガサと動く音で、敵が現れたと思い込み、木のほうに向かって突進したり、何もないところに向かって全力で走ったりなど、無駄足も多いそうだ。
気でも狂ったのか? と、思ってしまいそうだが、サイはいたって正気である。何に向かっているのかは本人も分かっていないとは気の毒だな…。
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【追加雑学①】サイはなぜ視力が悪いのか?
野生動物は、生存競争が激しいはず。そんなに視力が悪くても大丈夫なのか? と心配になるが、サイにとってはどうってことないようだ。
実はサイには人間以外に天敵がいない。凶暴な肉食動物に襲われるのでは? とも思わされるが、誰もあの鎧のような巨体を襲って食べようとはしないのだ。敵がいないのだから、敵を見つけるための視力は必要ないのである。
また、あの大きなツノが視界をさえぎってジャマになり、視力が発達しなかったという説もあるそうだ。たしかにあんなに大きなものが常に目の前にあれば、見にくくて仕方ないのはわかるが…。
【追加雑学②】サイは、動くものは敵とみなし突進する
先にも述べたが、サイは発達した嗅覚と聴覚を使って、敵の方向を定める。しかし視力が弱いといっても、何かが動いているという認識はあるのだ。
そのため動かないものには反応しないが、動くものは敵とみなして、とりあえず突進する。なんだか切ないが、これがサイのサガだ。
以下はサイが突進する瞬間をとらえた衝撃映像である!
車が動くのを見て、敵だと判断したのだろう。勢いよく突っ込んで来た鎧のような体は、戦車さながらである。動物園では見ることのできない、サイの突進。怖すぎる…。
ぶつかって負けることはないだろうから、目が見えていないとか、そんなことはなんの問題もなさそうだ…。サイの目はたしかにつぶらだが、ギロリとにらまれているようでぞっとする…。
「サイの目」の雑学まとめ
サイは、30m先までしか判別できないほどのド近眼だった。突進する姿は、確実に目標を定めていると思わせる迫力だが、実はあまり見えていないとは意外だ。
旅先でサイに偶然出くわすことも、まあ…ないとは限らないだろう。気づかれそうになったときの一番の安全策は、動かないこと! 動いたところをサイに気づかれたら、すごい勢いで突進されてしまうぞ。
視力が弱いことなど問題にもならないほど、サイは強いのである。