地元の名物がチェーン店によって全国に広がって、一般にも有名になるのはよくある話だ。讃岐うどんが、はなまるうどんや丸亀製麺などのチェーン店によって全国区になったのは、そのいい例だろう。
そして、長崎名物の「長崎ちゃんぽん」の知名度を上げたチェーン店といえば、間違いなくリンガーハットである。長崎県民以外は、リンガーハットでしか長崎ちゃんぽんを食べたことがない…という人も多いのではないだろうか。
さて、リンガーハットと聞いて疑問に思うのは、「リンガーさんって誰?」ということである。そこで今回は、リンガーさんの正体について解説しよう…と思ったら、もっと衝撃の事実が判明した。
果たして、その事実とは? 今回の雑学ではリンガーハットの名前の秘密について解説したい。
【生活雑学】リンガーハットの「ハット」は帽子じゃなかった!
【雑学解説】リンガーハットの名前の由来とは?
すでに衝撃の事実の答えは書いてしまったが、リンガーハットの「ハット」は帽子ではなかったのである。
リンガーハットの説明によると、リンガーとは「長崎で広く貿易商を営んでいたフレデリック・リンガーという英国商人の名前にあやかった」ものであるそうだ。
なんと、あっさりとリンガーさんの正体は判明してしまった…。そして、肝心の「ハット」についてだが、これは長崎の公園・グラバー園にはリンガーが住んでいたリンガー邸が残っており、そこから「小屋・小さな家」を意味する「hut」を付けて「リンガーハット」になったらしい。
いわれてみれば、リンガーハットのロゴには「Ringer Hut」って書いてあるではないか! これまで帽子の「hat」だと思っていたのが恥ずかしい。
なお、中国語で「素晴らしい」という意味の「リンガー」という単語があり、これと帽子の「ハット」を合わせて「素晴らしい帽子」という店名にした…という噂も流れたことがあるようだ。しかし、先ほど説明したように「hat」ではなく「hut」が正しいので、この由来は完全なガセネタである。
「ちゃんぽん」の語源とは?
さて、普段サラッと「長崎ちゃんぽん」と呼んでいるが、なぜ料理名が「ちゃんぽん」なのだろうか?
これは、中国・福建の言葉で「ご飯を食べる」を意味する「吃飯(シャポン)」が、「ちゃんぽん」へ変化した…という説が有力なようである。
また、いろんなお酒を飲むことを「ちゃんぽんする」ということから、いろんな食材を摂るという意味で「ちゃんぽん」となった…という説もあるようだ。そして、沖縄料理の「チャンプルー」の語源も、「ちゃんぽん」と同じらしい。
ちなみに、お酒をちゃんぽんすると二日酔いしやすい…というのは、正しくないようである。
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【追加雑学】完全にすれ違った「イエローハット」と「ピザハット」の思い
「ハット」がつく企業としては、リンガーハットのほかにも、カー用品の「イエローハット」や宅配ピザの「ピザハット」が有名だ。そして、2019年8月に、この2社の「ハット」にまつわるやり取りが話題となったのをご存知だろうか?
そもそものキッカケは、イエローハットがtwitterで「ハット繋がりで、8月10日の『ハットの日』に一緒に何かやらないか?」とピザハットに誘いかけたこと。
@ピザハット公式
ピザハットさん、突然すみません。
社名の“ハット”つながりで
8月10日の“ハットの日”なにかやりませんか?— イエローハット (@yellowhat_ltd) August 5, 2019
ピザハットがこの誘いに賛同すると、イエローハットは「8月10日をハットの日として申請しよう」と呼びかけ、記念日協会から書類まで取り寄せたのである。
さらには、両社をコラボしたロゴまで作成し、やる気満々の姿勢をみせていた。
@Pizza_Hut_Japan#ピザハット さん
\ブォォォン(エンジン音)/
ということで、できました!
こんなロゴマーク
どうでしょう? https://t.co/1750rshQlE pic.twitter.com/wrxLyrp0Sy— イエローハット (@yellowhat_ltd) August 5, 2019
しかし、イエローハットがここまで動いたあとになって、ピザハットから「すみません、うちの『ハット』は小屋という意味です」と告白されてしまったのだ!
この衝撃の事実に対して、イエローハット側は戸惑いながら「社内で考えてみます」と返答するしかなかったのである…。
勘違いすみませんでした…。
てっきり帽子かと思い、あんなロゴを…。
ハットの日、どうしましょう・・・
帽子と、小屋で…!?(動揺)
とりあえず社内で考えてみます…! https://t.co/nMURewXA9K— イエローハット (@yellowhat_ltd) August 5, 2019
なんか完全にイエローハットがフラれた形となってしまったが、ピザハットのロゴに描かれているマークは帽子のようにみえるので勘違いも致し方ない。
ちなみに、イエローハットの「ハット」は、通学時に児童が被る「黄色い帽子」で、「人と車との心地よい共存関係」や「交通安全を願う」という願いが込められているという。
ここにきて、ようやく帽子が由来の「ハット」が出てきて、なぜか安心してしまう筆者であった。
雑学まとめ
「リンガーハット」と「ピザハット」の「ハット」が帽子でないことを、今回の雑学で初めて知った人も多いのではないだろうか?
それにしても、上記の「ハットの日騒動(?)」に誘ってもらえなかったリンガーハットの立場って…。
次の機会があるのなら、イエローハットはリンガーハットに声をかけて、また同じような展開になることを期待したい。