日本でもワールドカップが開催されるラグビー。世界ではサッカーと並んで大人気なスポーツであるラグビーだが、日本では野球やサッカーに人気を取られている感じがある。
しかし、楕円形のボールをもって走り、ぶつかり合うラグビーはとても魅力的なスポーツだ。
実はラグビーの試合では、野球やサッカーでは信じられない光景が見られるのだ。今回の雑学記事ではそれについて取り上げていこうと思う!
【スポーツ雑学】ラグビーの試合では監督はベンチに入れない
【雑学解説】ラグビーの試合では監督はベンチにいない!?
野球やサッカーを見ていると、試合中も監督が選手に指示を飛ばしているシーンをよく見る。野球にいたってはチームがどう動くかという「サイン」を場面ごとに監督自ら出していることも多い。試合における監督は司令塔であり指揮官だ。
だが、ラグビーの試合ではベンチをいくら見てもそこに監督を見つけることはできない。なんと監督はベンチの外、観客席にいるのだ。
それでは試合中の指示は誰が出すのかというと、キャプテンが司令官としての役割を担うことが多い。
ラグビーでは「試合は選手たちのもの」という精神が根付いている。たとえ監督であっても、当事者の選手以外が試合に口を挟むことを良しとしていないのだ。選手の状況判断を重んじ「自分で考え動く」ことを重視している。
そのため試合においては一人一人の選手、なによりキャプテンの状況判断がとても大事になるのだ。まさにキャプテンシーが非常に重要な競技なのである。
とはいえ、試合中に監督とベンチが完全に遮断されているわけではない。監督はトランシーバーを使ってベンチにいるスタッフとやり取りをすることができる。選手の交代やおおまかな指示などをスタンドから伝えているのだ。
それでも、ラグビーの試合では監督の指示は「絶対」ではない。試合前やハーフタイムでは監督が指示を出すこともあるが、それに従うかどうかは最終的に瞬間瞬間の選手の判断に委ねられるのだ。
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キャプテンの判断が光った2015年ラグビーW杯
記憶に新しい2015年のラグビーワールドカップ。優勝候補だった南アフリカとの初戦。日本は大逆転勝利を収めることになるのだが、まさにこのキャプテンシーが光る場面があった。
3点ビハインドの試合終了間際に相手の反則を獲得し、キック・スクラム・ラインアウト、3つの選択肢が出た場面だ。キックで手堅く同点に持ち込むかリスクを取って攻めるか…。絶好のチャンスでエディー監督はスタンドから「キック」を伝えた。
だが、キャプテンのリーチ・マイケルの選択はスクラム。「引き分けで歴史は変わらない」と果敢に攻め込むことを選んだ。結果チームは見事に逆転。歴史的な勝利となったのだ。
【追加雑学①】ラグビーは紳士のスポーツ!?
ラグビーの発祥地イギリスではラグビーは「紳士のスポーツ」といわれている。
はっきりとした階級社会があった当時のヨーロッパ。もともと上流階級の人が好んだスポーツであるラグビーが「紳士の嗜み」とされていたことが由来だ。たしかに襟付きのユニフォームからいっても気品のあるイメージだ。
これに基づいた“紳士な”ラグビーの精神として、「フェアプレイの精神」「自己犠牲の精神」「ノーサイドの精神」がある。
公平に、チームのために、終われば敵味方関係なく…そんな精神のもとで戦うラガーマンの姿はたしかに紳士的。ちなみに「ラグビーは紳士のスポーツ」というイギリスの格言には続きがある。
「ラグビーは紳士がやる野蛮なスポーツ。サッカーは野蛮人がやる紳士のスポーツ」。
ラグビーもサッカーもイギリス生まれのスポーツだが、ラグビーが上流階級の人々が好んでプレーしたのに対し、サッカーは労働者階級に広く親しまれたのだ。
主なプレイヤーは階級で分かれていたのだが、プレースタイルは真逆。体を使ってタックルしまくりボールを奪い合うラグビーのプレースタイルには、野蛮っぽい部分があるのかも…。
【追加雑学②】ラグビーの由来とは?
ラグビーの発祥の地はイギリスだが、一体どうやって生まれたのだろうか。その誕生は1823年にまでさかのぼる。イギリスの名門パブリックスクール、ラグビー校でのことだ。
ラグビー校で行われたフットボールでの試合中、ウィリアム・ウェッブ・エリスが突然ボールをもって走り出したのだ。
当時のフットボールは手を使うことを反則としていなかったが、ボールをもちながら走るという行為は反則だった。この出来事が、ラグビーが生まれるきっかけになったのだ。
ラグビーのルーツとなったラグビー校だが、ボールポストの形やハーフタイムでサイドを交換するスタイルなど、現代のラグビーに通ずる様々なルールやスタイルがこの学校から生まれた。まさに「ラグビー校」である。
雑学まとめ
今回はラグビーについての雑学を紹介した。
他のスポーツに親しんでいると、監督が試合中にベンチにいない・指示を出さないというラグビーの特徴はびっくりだ。
選手の自主性を重んじるラグビーのスタイルは、選手ひとりひとりの成長に間違いなく繋がる素晴らしいものであると感じる。
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