アフリカ大陸の北に位置するサハラ砂漠は、言わずと知れた世界最大の砂漠だ。アメリカ合衆国とほぼ同じ大きさの砂漠が広がっていると言われると、自然の絶大なパワーを感じずにはいられない。
砂漠には縁のない日本人でも、砂漠といったら真っ先に思い浮かべるのはサハラ砂漠ではないか。名実ともに砂漠のなかの砂漠。砂漠オブ砂漠なのだ!
そんなサハラ砂漠にふさわしい(?)ダイナミックな誤解も存在するというが…。
【世界雑学】サハラ砂漠の「サハラ」は砂漠という意味
【雑学解説】他の砂漠と区別する必要がないぐらい、絶対的な砂漠だった
「サハラ」とは本来地名ではなく、砂漠そのものを指して使われる言葉だった。古来その地域にひとつしか存在しない大きなものは、他と区別する必要がなく、このように単純化して呼ばれていたのだ。
つまりアフリカ北部に住む人たちにとって、「砂漠」といえばサハラ砂漠以外はなかったのである。しかしよそから来た人間にしてみれば、サハラが砂漠そのものを意味することなど知る由もない。
現地の人は砂漠という意味で「サハラ、サハラ」と言っていたのだが、ヨーロッパの人はこれを固有名詞と勘違いし、地名として「サハラ砂漠」が広まっていったのだ。
あらためて日本語で「広大な砂漠砂漠」などと言ってみると、すごくとんちんかんな感じがする。しかしそのたたみかけるような語感が、サハラ砂漠の雄大さを表現している…ように思えなくもない?
ちなみに現地では「日本の皆さんがサハラ砂漠と呼んでいるこちら」「サハラはもともと砂漠という意味なので“砂漠砂漠”という意味になってしまうんですねー!」と、笑いが取れる鉄板ネタとしてツアーガイドも御用達だ。さすがに雄大な自然と共に暮らす人々は寛容である。
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以下はサハラ砂漠を映した動画だが…見渡す限り砂・砂・砂なので、大きいのかどうか見当もつかない。現地で見ればさらに圧倒されるのだろう。
【追加雑学】同じような誤解は多い?
サハラ砂漠の他にも、そのものを表しているのに、固有名詞だと勘違いされている例はたくさんある。
- チゲ鍋…「チゲ」は鍋という意味なので「鍋鍋」
- バイカル湖…「バイカル」は湖という意味なので「湖湖」
- マグカップ…「マグ」はカップという意味なので「カップカップ」
- フラダンス…「フラ」はダンスという意味なので「ダンスダンス」
言葉の通じない国同士では、案外ありがちな勘違いなのかもしれない。カップカップ・ダンスダンスのように横文字のほうが、馬鹿っぽくてクセになるのは筆者だけだろうか。
最近は居酒屋でも「海鮮チゲ」と、鍋を省いた形で表記されているなど、かなり周知されてきているものもあるぞ。
雑学まとめ
国が変われば言葉の勘違いは付き物だ。日本の伊豆大島にしたって、外国人からしたら「Izu Oshima island」。つまり伊豆大島島である。シマウマみたいで可愛いじゃないか!
サハラ砂漠にしたって、そのものが砂漠の代名詞になってしまうぐらいだ。細かいことはどうだっていい。勘違いがコミュニケーションツールになることもあるのだから、しめたものである。