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桜餅と柏餅の由来とは?江戸時代に誕生した歴史ある和菓子でした

雑学カンパニー編集部

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桜餅と柏餅の歴史についての雑学

春の和菓子、桜餅と柏餅。スーパーで見かけると思わず買ってしまうという人もいるかもしれない。

では、その歴史について知っているだろうか? どちらも江戸時代に誕生した和菓子で、その歴史は長い。しかし、誕生の仕方はまったく違っていた

今回は、桜餅と柏餅の由来についての雑学をお届けしよう!

【食べ物雑学】桜餅と柏餅の由来とは?

桜餅と柏餅の由来に関する雑学

ぷよぷよくん
桜餅と柏餅…葉っぱに包まれたお餅で似た者同士だけど、それぞれのおいしさがあるよねぇ。

ガリガリさん
そうだな。どちらも『江戸時代に流行った歴史ある和菓子』っていう共通点があるんだぜ。

【雑学解説】桜餅の由来について

桜餅は、江戸時代・享保2年ごろ、長命寺というお寺で寺男として働いていた山本新六という人物が、タルで塩漬けにした桜の葉を使った餅を門前で売りだしたのが始まりとされている。

当時は江戸幕府8代将軍・徳川吉宗の治政でもあった。この将軍様が、隅田川(向島)に桜の植林を命じたことからはじまり、のちに江戸町民のあいだでは花見が大流行。その桜から散った葉の掃除をしていた山本新六が、大量の葉を見て桜餅を思いついたという話だ。

この山本新六考案の桜餅は、薄く焼いた小麦粉の生地でこしあんをくるみ、さらに塩漬けした桜の葉で巻いたスイーツとなっている。小さめのクレープのような菓子を想像してもらえばよりわかりやすいかもしれない。これが江戸町民のあいだでたいへん好まれたという。

そもそもこの山本新六は、自分が掃除していた桜の葉を、なにかに再利用できないものかというリサイクルの発想から、桜餅を思いつき販売したのだ。

ぷよぷよくん
『もったいない精神』ってヤツだねぇ。

寺男だから、女性が好みそうなスイーツとは無縁に感じたけど…。それは言い過ぎか!? 新六さんはスイーツ男子だったのかな。

それは置いとおいて、この桜餅は寺の名を冠して「長命寺餅」とも呼ばれるようになったのだそう。今でも、新六を初代とした「山本や」という桜餅専門店が東京都墨田区向島にある。

新六考案の桜餅を食べてみたいかたは、そちらへぜひ、足を運んでみてはいかがだろう。

ガリガリさん
「山本や」は創業から300年間、こだわりの素材と変わらない製法で桜餅を売り続けてるらしいぜ。
ぷよぷよくん
創業300年?!江戸から続く伝統の味、ぜひ食べたいなぁ…えへへ…

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桜餅は関東と関西で違う

ちなみに、関西での桜餅は形状や製法が異なり、こちらは「道明寺餅」と呼ばれている(もち米からつくられた道明寺粉というものが原料となっている)。

じつは、前述した長命寺の桜餅は、関東地域においておもに見られるものらしく、関西地域では道明寺餅のほうが一般的とされているのだ。

そのため「桜餅」といえばこの道明寺餅を指すことが多いらしい。どちらも桜の葉を塩漬けにし、もちを包むなどの大きな共通点があるところを考えるに、果たしてどちらが元祖なのだろうと疑問がわく。

関東の桜餅は享保(1716~1736年)、関西の桜餅は天保(1830~1844年)の時代から出現したようだ。また、道明寺粉を使いアレンジしたものが関西の桜餅ともいわれているよう。おそらく関東の桜餅が元祖ということになると思われる。

ガリガリさん
関東と関西の桜餅の違いにフォーカスした記事も面白いぜ。

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柏餅の由来について

柏餅の由来についての雑学柏餅も桜餅同様、江戸時代からメジャーに食されるようになった。なお、柏餅が生まれたのは、9代将軍・徳川家重から10代将軍・徳川家治の治政あたりの江戸とされている。

端午の節句に柏餅を食べることが参勤交代によって、人々へ伝わった。

そもそも、端午の節句になぜ柏餅を食べるかだが、これは柏の葉っぱが新芽をつけるまで落ちないという特徴から「子孫繁栄」。つまり、家系が途絶えないという考えにつながっている。

ほかにも、江戸の柏餅の特徴として、当初は塩餡(しおあん)が使われていた。中後期の時代では小豆餡(あずきあん)・味噌餡(みそあん)などが使われるのが主流だったそう。

塩餡も珍しく感じるが、味噌餡とは…美味しそう!? ちなみに、関西や一部地域の端午の節句では、柏餅ではなく「ちまき」を食べるのだそうだ。

ぷよぷよくん
ちまき…もち米でできた中華ちまきを食べるの?
ガリガリさん
違う違う。中華ちまきと同じく竹の葉っぱに包まれているけど、中に甘い団子が入っているのが端午の節句に食べる『ちまき』なんだ。

もともと、ちまきは中国から伝わってきた食べ物で、端午の節句に食べるちまきは「厄除け」としてあつかわれている。このように同じ行事でも地域によって、食べるものがちがうということもある。

いずれにしても、大切な子供たちが健康に成長していけるよう願って食べられるという縁起を担いだ食べ物だ。

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桜餅と柏餅の由来|雑学まとめ

桜餅と柏餅の歴史に関する雑学まとめ今回は、桜餅と柏餅の歴史についての雑学をお届けした。

現在スーパーで手に入る和菓子を江戸時代の人々も食べていたかと思うと、なんだか感慨深い…。

「桜餅と柏餅の葉っぱ食べられるか問題」については以下の記事に詳しく書いたので、要チェックだ!

ぷよぷよくん
え?ボク葉っぱが食べられるかどうかすら考えたことなかった…アレってただの風味付けでしょ?ボクは捨ててるよ…
ガリガリさん
そうなのか?桜餅と柏餅、それぞれの葉が持つ役割は違うんだ。お前も下の記事を読んで勉強してこいよ。

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