中国三大珍味のひとつ、フカヒレ。コラーゲンたっぷりで美容に良いともされ、人気の高い高級食材だ。あの独特のプリプリ、ツルンとした食感に魅了される人も多い。
しかし、悲しいかな、庶民にはなかなかめったにお目にかかれないお値段…。それもそのはず、フカヒレは希少価値が高いのだ。サメの大きな体に対してヒレの部分はわずかだからである。
しかし、ただでさえ希少価値が高いフカヒレが、最近ますます入手困難になっているという。庶民がフカヒレを口にする機会がますます減ってしまうではないか! それには、フカヒレを採取されたサメの悲しい末路が関係していた…。
今回はそんな華やかな高級食材、フカヒレに隠された雑学についてご紹介するぞ。
【動物雑学】フカヒレをとったあとのサメの憐れさ…
【雑学解説】フカヒレをとったあとのサメは、泳ぐこともできずに死んでいく
フカヒレにすることができるのは、サメのすべてのヒレである。つまり、背ビレ・尾ビレ・胸(手)ビレ・腹ビレ・尻ビレだ。
よってフカヒレをとったあとのサメの姿は、見るも無惨。胴体しか残らないのである。
普通の魚であれば、通常身を余すことなく食せる。悲しい話だが、捕らえられた時点で魚たちの末路は決まっている。
捕まったサメたちは、こともあろうにフカヒレを取られたあと、胴体はほとんどが廃棄されているという。サメ肉が市場でほとんど流通しておらず、価値がないからだ。
サメ肉はアンモニアが発生して臭くなることから食用に向いていないとされている。一部はかまぼこなどに加工されることもあるがほんのわずかである。
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悪徳業者はフカヒレ部分を取り、そのままサメを海へ
さらに、悪徳業者にいたっては、サメからヒレをもぎとり、生きたまま海に戻すこともあるという。ヒレを失ったサメは泳ぐこともできず、血を流しながら海に漂ってただ死ぬのを待つだけとなる…。
このあまりにも悲しいサメの末路を聞いたら、高いお金を出してまでフカヒレを食べたいとは…。実際、サメのフカヒレ搾取について世界で批判的な見方が広がっている。
アメリカやカナダの一部の地域では、サメの捕獲が禁止されるようになった場所もある。しかし一方で、中国ではフカヒレ料理を振る舞うことが良いもてなしとされているなど。フカヒレは世界中で人気の高級食材であるため需要も多い。
そこで、サメがヒレを失ったあとに生き地獄を味あわせるのではなく、サメ肉も余すことなく食用に活用できたらいいのでは、という見方が出てきている。その方がサメも浮かばれるだろう、というわけだ。
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【追加雑学】フカヒレだけじゃない!実はサメ肉も食べられる!
一部の地域では、昔から普通にサメ肉が食べられてきた。広島・青森・上越地方などである。さらに、最近では、サメ肉を食用として広める取り組みが各地でされている。
サメ肉を食べるうえで問題となるアンモニア臭は、下処理を工夫すれば抑えることができるという。柑橘類や酢、酒類を使用することで臭みが消え、美味しく調理できるらしい。
しかも、きちんと下処理したサメ肉は、コクがあって濃厚。食べ応えもあり、絶品なのだそう。また、アンモニアが発生することで防腐効果もあり、長期保存が可能なのだという。
こちらの動画でもさまざまな調理がされている。すごいサバイバル的な感じだが、こんなにバラエティー豊かに作れるものなのだな。
不法に投棄されてきたサメ肉は、実は優秀な食材だったのだ! ぜひともさらに一般に普及するようになって、家庭の食卓にも並ぶようになってほしいものだ。
そうすれば、フカヒレのためだけに悲惨な最期を遂げる哀れな鮫も減ることだろう。
雑学まとめ
今回の雑学記事では、フカヒレを取ったあとのサメの悲しい運命についてご紹介した。今この瞬間にも、世界のどこかの海で人知れず悲しい死に方をしているサメがいるかもしれない。
いつの日かそんなことがなくなるように祈るばかりである。そして日々自然の恵みに感謝して、食べ物を大切にしていきたいものだ。
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