うどんなどを食べるときに、アクセントとして七味唐辛子をかける人もいるだろう。様々な香辛料の風味が混ざり合って、料理の味わいを広げてくれる優れものだ。
七味唐辛子といえば、赤系の色合いを思い浮かべる人が多いと思う。しかし、地域によっては七味唐辛子の色合いが変わるところがあるのだ!
今回は、そんな七味唐辛子についての雑学を紹介しよう。
【食べ物雑学】京都の七味唐辛子は黒っぽい
【雑学解説】地域によって変わった七味唐辛子
七味唐辛子は、地域によって配合が変わる。まずは、多くの地域で見られる赤い七味唐辛子の配合を見てみよう。
- 唐辛子
- 麻の実
- 黒ゴマ
- 山椒(さんしょう)
- 陳皮(ちんぴ=ミカンの皮)
- ケシの実
- 焼き唐辛子
それでは、京都の黒い七味唐辛子の配合はどのようになっているのだろうか?
- 唐辛子
- 麻の実
- 黒ゴマ
- 山椒
- 白ゴマ
- しそ
- 青のり
なんと京都では、陳皮・ケシの実・焼き唐辛子の代わりに、白ゴマ・しそ・青のりが入っている。しそと青のりは黒っぽい色だ。だから、京都の七味唐辛子は一般的なものと比べて黒っぽく見えるのだ!
【追加雑学①】どうして地域差が出たの?
さて、一般的な七味唐辛子と、京都の七味唐辛子には色に差があった。しかし、どうして地域で色が変わったのだろうか?
もともと七味唐辛子は、江戸時代の東京の浅草寺で薬として作られたものだ。東京で生まれた七味唐辛子が、やがて全国のお寺で売られるようになり、京都では清水寺で大ヒットした。
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京都でも、東京から七味唐辛子が伝わった当初は、赤い七味唐辛子だった。しかし、時が流れるにつれ、次第に七味唐辛子は京都風にアレンジされる。
アレンジされるきっかけとなったのが、京都の麺文化。京都は蕎麦かうどんかと聞かれたら、うどん派の地域だ。そして、うどんに使われるだしは薄味。繊細さのあるだしに合わせて、香り高い白ゴマ・しそ・青のりを配合したのだ。
東京では薬として親しまれていた七味唐辛子は、京都の食文化に合わせて、香りを重視したものに変わった。そのアレンジに伴い、京都の七味唐辛子は黒っぽくなったわけだ。
私は赤い七味唐辛子しか知らなかったので、京都の黒っぽい七味唐辛子を見た時は「まるでコショウみたいだ…!」と驚いたのを覚えている。食文化の違いで大きく地域差が出るとは、なかなか面白いものである。
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もしも京都に訪れて、黒い七味唐辛子を見たら、ぜひ使ってみたい。
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【追加雑学②】長野の七味唐辛子も変わってる!
食文化に合わせてアレンジした京都の七味唐辛子。実はもう1つ、地域に合わせて七味唐辛子をアレンジした場所がある。それが、長野県だ。
京都の清水寺で七味唐辛子が大ヒットしたように、長野では善光寺で七味唐辛子がヒットした。そして、長野でも七味唐辛子にアレンジが施される。
まずは、長野版七味唐辛子の内容を見てみよう。
- 唐辛子
- 麻の実
- 黒ゴマ
- 山椒
- 陳皮
- しそ
- ショウガ
長野版七味唐辛子の大きな特徴としては、ショウガが入っていることだ。ショウガを配合することによって、体を温める効果が期待できる。
長野といえば、標高が高くて寒い地域だ。そのため、体を温める必要がある。唐辛子だけでも体は温まるが、ショウガを入れることによって、さらに体の温かさを持続させることができるというわけだ。
寒冷な地域だからこそのアレンジである。体が冷えやすい人には、長野の七味唐辛子はオススメではないだろうか?
雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。同じ薬味でも、地域によって大きく差が出るものである。京都の場合は、うどん文化と薄いだしに合わせて、香りのある材料を使って七味唐辛子をアレンジした。その結果、まるでコショウのような黒い色の七味唐辛子が生まれたのだ。
他にも、長野では寒冷な気候に合わせて、温かさを持続することのできるショウガを使って七味唐辛子をアレンジした。
その土地の文化や気候に合わせて、違いが出た七味唐辛子。3つの七味唐辛子を揃えて、違いを楽しみたいものだ。