シマウマといえば、その名の通り白と黒のキレイな縦ジマ模様が印象的だ。その個性的な見た目から、サバンナの草食動物ではキリンと並ぶ人気を誇っている。
ところで彼らはなぜ、あんなにキレイなシマ模様をしているのだろう。もちろん弱肉強食のサバンナにおいても、オシャレを忘れちゃいけない! …などと思っているわけではない。人間からの人気を狙っているわけでもない。
あんなに目立つ模様をしていたら、ライオンなどに簡単に見つかってしまうような気もするが…。今回は、そんなファンキーな見た目のシマウマが、なぜ「しましま」なのかに迫っていこう。
【動物雑学】シマウマが「しましま」模様をしている理由とは?
【雑学解説】シマウマが害虫から身を守るためとする説が有力
実はシマウマがしましまな理由は明確にはなっていない。学者たちによる100年以上の研究をもってしても、決定的な根拠は出てきていないのだ。
よって断定することはできないものの、有力とされている説はいくつかある。代表的なのが以下の4つだ。
- カモフラージュのため
- 仲間を見分けるため
- 体温を下げるため
- 吸血虫から身を守るため
もともとはライオンなどに襲われた際に輪郭をぼやけさせたり、草と同化したりするカモフラージュ説が有力とされていた。しかしライオンは視力が悪く、嗅覚や聴覚に頼って狩りを行うことから、現在ではこの説を否定する人が多い。
またシマ模様で仲間を見分けるとする「個体識別説」や、黒い毛の部分は空気の流れが速くなり、体温が下がることから「体温調節説」なども唱えられている。
しかし、これらの学説よりもさらに有力とされているのが、害虫であるツェツェバエから身を守る「虫よけ説」だ。
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ウマ科に寄生するツェツェバエは、シマウマには寄り付かない?
ツェツェバエはウマ科の動物に寄生する吸血虫だが、その体内からはシマウマの血がほとんど検出されなかったという。さらにツェツェバエを介した伝染病にかかったシマウマの検出例も著しく低い。
シマウマの毛は短く、皮膚を保護するような役割は薄いのに、ツェツェバエからの被害が少ないのだ。他のウマ科と彼らの違いといえば、やはりそのシマ模様。
そのためシマウマがしましまな理由は、害虫から身を守るためではないかといわれているのである。
【追加雑学①】シマウマは赤ちゃんの頃から「しましま」
動物のなかにはニワトリやカエルのように、子どもと大人でまったく姿が違うものもいる。しかしシマウマは生まれたときからしましまだ。
以下の動画のシマウマも、子どもなのにちゃんとしましまである。元気に走り回る姿が可愛い…。
シマウマにも思春期があって、そういう年頃にファッションに目覚めるのでは…と思っていた人も、ひょっとするといるかもしれない。しかし彼らは生まれながらのファッションリーダーなのだ!
まあ、害虫に刺されないためのものだとしたら、その模様で生まれてくるのも道理である。むしろ赤ん坊のほうが血はおいしそうだし…。
【追加雑学②】日本でシマウマが見られる動物園
北は北海道、南は宮崎県まで幅広い地域の動物園で、シマウマは飼育されている。有名どころでいうと、上野動物園や静岡県の富士サファリパークだろうか。
近くの動物園でシマウマが飼育されているかどうか知りたい場合は、「公益社団法人 日本動物園水族館協会」のホームページが便利だ。このページではお目当ての動物の名前を入れて、動物園を検索することができる。
家族や恋人などと動物園に行ったら、シマウマのトリビアを披露して優越感に浸ろう!
雑学まとめ
シマウマがしましまなのは、もちろんオシャレのためなどではなく、過酷なサバンナで生き残るためのさまざまな説が唱えられていた。今のところ害虫を避けるためという説が有力とされているが、それに関しても今後さらに研究が進むことを期待したい!
それにしてもその模様で、実用性と人間からの人気を欲しいままにするシマウマ…まったく、抜け目のないヤツである。
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