地球で最も強い生物はなんなのか。単純に「戦って強い生物」ということなら、陸上ではライオンのような肉食動物を思い浮かべるのが一般的だ。水中では、サメが強いという意見は多い。しかし、陸上でも水中でもライオンやサメよりも強い生物は存在する。
体がバラバラになっても再生する生物や、コブラのように毒で相手を殺す生物も、地球には生息しているのだ。地球で最も強いのはどんな生物だろうか? 今回の雑学では、地球で最も強い生物はなにか? についてめちゃくちゃ真剣に調べてみたぞ。
【動物雑学】地球で最も強い生物は?
【雑学解説】最強生物は条件によって異なる
地球で最も強い生物を真面目に考えると、「人間」という結論になるだろう。一見弱そうだが、武器や様々な科学技術を持つ人間が他の動物より強いのは当たり前だ。
しかし…そうなると面白くないので、とりあえず人間は除外して、様々な条件で最強の生物について考えてみよう。地上と水中では、最も強い生物は当然異なる。様々な観点から最強と呼べる生物についてご紹介しよう。
地上で最も強い生物は、アフリカゾウ
アフリカゾウ
地上に生息している生き物の中で一番強いのは、アフリカゾウと考えられる。
アフリカゾウは地上に住んでいる動物の中では最も大きく、体重10トンになる個体もいる。
アフリカで最大の肉食獣であるライオンは、集団なら大人のカバやサイを仕留めることもある。しかし、大人のアフリカゾウには歯が立たないといわれている。
カバやサイは大きくても3トンから4トンくらいであり、アフリカゾウが際立って大きいことがわかるだろう。性格もかなり凶暴だ。アフリカゾウがサイやカバをひっくり返す様子が目撃されている。
水中で最も強い生物は、クジラ
シロナガスクジラ
水中に生息している生き物の中で一番強いのは、クジラと考えられる。
大型のクジラには、肉食のクジラ以外の天敵が存在しない。加えて、クジラは筋肉量が多く、水生生物の中では骨格が非常に頑丈で肉体的にも強い。最強と言われるホホジロザメを、サメより小型のクジラが殺害する姿も目撃されている。つまりクジラは大きくなくても強いのだ。
クジラの中で何が一番強いのかは難しい問題だが、シャチ、シロナガスクジラ、マッコウクジラのどれかだろう。
シャチは単体でもクジラ以外のほとんどの生物より強いが、大型のクジラには単体では敵わない。しかし、シャチの群れがシロナガスクジラの大人を襲うことが知られており、マッコウクジラも襲うという。
これが本当なら、シャチが水中の生物では最強だろう。
シロナガスクジラとマッコウクジラのどちらが強いのかは微妙である。
シロナガスクジラは臆病で気が弱いが、とにかく大きい。マッコウクジラと比べると3倍以上の体重差がある。最大のハクジラとして知られ、気の荒いマッコウクジラでも勝つのは難しいだろう。
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最も強い毒を持つのは、細菌
ボツリヌス菌
地球で最も強い毒を持つ生物は何なのだろうか? 毒ヘビなどを想像する人もいるだろうが、最も強い毒を持っているのはボツリヌス菌だ。
毒に関して言えば、ボツリヌス菌は人間をはるかに超えた力を持っている。ボツリヌス菌の出すボツリヌス毒素は、人間の作り出す化学毒を含めても最強である。
その毒性は、最強の毒ガスとも言われるVXガスも比べものにならず、500グラムで全人類を全滅させるほどの威力があるという。
こんな猛毒が食中毒で発生するというのだから、微生物というのは恐ろしいものだ。しかし、ボツリヌス毒素は熱を加えれば消えてしまう。きちんと加熱調理をしていれば毒に侵される心配はないのが救いだろう。
最強の再生能力を持つのは、プラナリア
手足がなくなっても再生してしまう生物は、ヤモリやウーパールーパーなどが知られている。しかし、プラナリアはその中でも別格である。体をバラバラに切り刻まれると、肉片が元の大きさまで再生する。
なんと、数が増えてしまうのだ。栄養が十分にある環境では100個以上に切り刻まれても、全てが元の姿に再生したという。下の動画はプラナリアの再生実験である。
さらに、脳がない部分が再生しても、元のプラナリアの記憶を持っていることから、脳以外に記憶を持っている可能性が高い。プラナリアが別のプラナリアを捕食すると、食べた個体の記憶を受け継ぐことも分かっている。
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【追加雑学①】小さいのに最強と呼ばれるクマムシとは?
クマムシは最大でも2mmにも満たない小さな生物だが、最強と呼ばれている。強力な毒でも持っているのかと考えそうだが、クマムシが最強と呼ばれる理由は、その耐久力にあるのだ。
クマムシは周囲の水分が少なくなり乾燥すると、乾眠と呼ばれる状態に入る。乾眠状態のクマムシは非常に頑丈であり、151℃の暑さから絶対零度の寒さにまで耐性があることが知られている。
さらに人間が耐えられないような放射能でも平気で、宇宙空間でも生きられるという。そのため、乾眠状態なら不死とも言われている。しかし、クマムシには弱点も多い。
乾眠に入ると自力では元に戻ることができないうえに、潰されただけで死んでしまうのだ。
異常な耐久力で知られるクマムシだが、意外にあっさりと死んでしまうようだ。そもそも、乾眠状態になったら簡単には死なないだけで、水分が急速になくなっても死ぬらしい。
不死の生物とも呼ばれるクマムシだが、特殊な環境で耐久力が上がるだけで、最強とは呼べないようだ。
【追加雑学②】人間より小さいのに単体でホッキョクグマを殺す生物がいる。
ラーテル
イタチ科の動物は非常に凶暴なことで知られている。中でも「ラーテル」は、「世界一怖いもの知らずの動物」としてギネスに登録されるほどである。
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実際、背中の皮膚が非常に頑丈なため、ライオンと戦ってもダメージを受けないことが多い。しかし、ラーテルがライオンを倒したという話は聞いたことがない。ライオンを倒す力はないようだ。
しかし、イタチ科の「クズリ」は、ラーテルとほとんど変わらない体格にもかかわらず、ヒグマを捕食する動物として知られている。
クズリは木の上などからヒグマの背中に飛びかかり、背骨を攻撃して倒してしまうという。にわかには信じがたい話だが、クズリがホッキョクグマを殺した記録が海外では残っている。
体の大きさをここまで無視して獲物をしとめることができるのは、クズリだけだろう。
雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。本当になんでもありなら人間が最も強い生物だろう。
しかし、条件次第で最強の生物は異なるし、様々な点で最強の能力を持つ生物は存在する。プラナリアは力が強いわけではない、食べられてしまえばそれまでだ。しかし、バラバラにしても殺すことができない。考えようによってはそうとう強いといえる。
細菌の毒も簡単に無力化する方法はあるが、人間が作り出す毒よりもはるかに強力だ。人間の技術を超える生物はまだまだ存在する。
「最も強い生物」と一言で言いきるのは、非常に難しいのだ。