あなたはスイカに塩をかける派? かけない派?
かけない派の人間としては、「甘いものに塩なんて…せっかくのスイカがもったいない」と思ってしまう。しかし、最近の流行りの食べ物を考えてみると、「甘い+しょっぱい」の組み合わせは意外にもマッチすることが多い。
「ポテトチップス+チョコ」「チキン+メープルシロップ」。どれも甘じょっぱくて意外にも美味しい。
過去にネット上で行ったアンケート調査の結果では、「スイカになにもかけない派」が約5,500人で多かったが、一方で「スイカに塩をかける派」は、約3,200人もいたのだ。スイカに塩をかけるのが邪道だと思ってきた人間にとって、これは結構衝撃的な結果だった。かける派そんなにいるんだ…
今回の雑学記事では、実際に「スイカに塩」はマッチしているのか? この疑問に迫っていく!
【食べ物雑学】スイカに塩をふると甘く感じる理由とは?
【雑学解説】「スイカに塩」は「味の対比効果」
「スイカに塩をかけると甘くて美味しいよ」と聞かされたことがある。これは実は、「味の対比効果」と人間の味覚の特性を利用したものだった。
「味の対比効果」とは、異なる2種類以上の味を組み合わせたときに、一方または両方の味が強くなること。スイカの場合は、塩を加えることで実際の甘さ(甘味)が増しているのである。
また人間の味覚は塩味と甘味を感じとる神経が同じではない。そのため味覚の伝達速度のズレがある。甘味より塩味のほうが先に感じるので、しょっぱさの後により甘みをより感じやすい。
甘じょっぱいものを食べた人の感想として「甘さが引き立って美味しい!」というのは正しい。しょっぱさを感じた後に、後から甘さが追ってくることで、より甘味が引き立って「甘い…!」となるのだ。これがスイカに塩をかけると甘くなる理由だった。
ちなみに「コーヒー+砂糖」・「焼魚+レモン汁」などもこの対比効果によって、「美味しい!」と感じるような組み合わせになっている。他にも、探してみると身近な食べ物にも対比効果が働いているかも。
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【追加雑学①】昔のスイカは甘くなかった?
実は現在売られている甘いスイカは、時代の流れとともに品種改良が重ねられてきた。その結果、そのまま食べられる果物となった。なんとスイカは今ほど甘い果物ではなかったのだ。
これは江戸時代より前にまでさかのぼる。そのころに出回っていたスイカは原種に近いもので、あまり甘くなかったのだという。有名な偉人・千利休は「砂糖をかけてしまうな、むしろ一つまみの塩をかけたほうが甘い」と言ったんだそう。
昔の人にとっては「スイカに塩」というのは、美味しく食べられるように考えられた「新しい知恵」だった。
【追加雑学②】外国でのスイカの食べ方
南米では「スイカにチリ」で食べられ、インドネシアでは「スイカに豆や唐辛子でできたソース」で食べるそうだ。
他にも酢漬けにしたり、レモンと組み合わせたりする国もある。当然だが、国によって文化も違えば、多少味覚も違ってくるだろう。スイカって奥深い。
「スイカに塩」の雑学まとめ
「スイカに塩」は甘く感じるのに加えて、科学的にも本当に甘味が増していた。最近流行りの甘じょっぱい系スイーツの先駆けといっても過言ではない。
「甘い+しょっぱい」のまさかの組み合わせを、江戸時代の人たちが発見していたのは驚きだ。
他国でも様々な食べ方があるが、日本人には「スイカに塩」が合っているのかもしれない。
「スイカに塩なんてありえない!」と言う人がいたら、その人が目をそらしているあいだ、手元のスイカに塩をササッとかけてみよう。おそらく「今日のスイカ甘くね!?」と言うであろう。
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