友達と食事に行ったときに「出世払いで!」といっておごってもらった経験がある方もいるだろう。もちろん借りたお金だから返さなければいけないが、ふと頭の中に「出世しなければ返さなくてもいいのか…」と悪い考えがよぎったこともあるかもしれない。
しかし、出世払いで借りたお金は、出世しなくても返さなければいけないようだ。今回の雑学ではこの事実について調べてみた。
【ルール雑学】出世払いといって借りたお金は出世しなくても返さなければいけない
【雑学解説】出世払いの「出世」は法律上の「期限」にあたる
通常お金を借りるときは、何らかの条件や期限を付けられる。
たとえば「就職したら返してね」とか「今月末までに返してね」などだ。そして民法上、お金の返済期限の到来については「条件」と「期限」の2つの考え方がある。
「条件」とは、何らかの条件が成就した時点で返済期限が到来するという考え方で、上記の例でいうと「就職したら返してね」が該当する。
もう1つの「期限」は、何らかの時期が到来したときに返済期限が到来するという考え方で、上記の例では「今月末までに返してね」が該当する。
さあ出世払いの「出世」が、「条件」と「期限」のどちらに該当するかだが、出世したら返すのだから「条件」のように思えるが、裁判所の判断では何と「期限」だと断じたのだ。
つまり、出世しないあいだは返さなくていいという性質のものではなく、出世しなくても、出世しない見込みが生じた時点で返済期限が到来するというのだ!
この「出世しない見込みが生じた時点」というのがいつなのかを判断するのかはビミョーだが、本人に努力する気が見受けられなかったり、何年も平社員でいる場合などは、今後も出世しないだろうと判断できるだろう。
出世しなくても返さないといけないのだから、安易に「出世払い」なんて約束するものではないのだ。自分が出世して大金持ちになると確信している自信家ならまだしも、自分は出世しないだろうな…となんとなく予感している人は、出世払いを使うのは止めておくべき。
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【追加雑学】闇金でお金を借りた人の末路
出世払いで借りたお金、返済出来ないとしても絶対に闇金だけは頼ってはいけない。ここでは闇金でお金を借りたらどうなるか説明しておこう。
闇金とは「トイチ」や「トサン」など法外な金利で貸し出しを行う業者のこと。「トイチ」とは10日で1割、「トサン」は10日で3割の利息が課せられる。
トイチの場合10日で10%の利息だから、365日(1年)にすると365%の金利となる。金利制限法という法律で、年利は20%を越えてはならないと定められているので、いかに闇金が法外な金利かわかるだろう。
さらに気を付けてもらいたいのが、闇金は複利で貸し出しを行うこと。複利とは、元本(がんぽん)によって生じた利子を次の元本に組み込むこと。
つまり、トイチで100万円を貸りた場合、10日後に110万円を返済することになるが、その時点で返済できないと、この110万円に対して利息がかかり、10日後には110×10%で121万円を返済せねばならなくなるのだ。
これが続くと雪だるま式に借金が増えていくので、結局返済できず破産に追い込まれてしまう。つまり初めから返済できない仕組みになっているのだ。だから絶対に闇金ではお金を借りないように!
闇金でお金を返せないと、人身売買で中国などに臓器提供のため売り飛ばされるという話もあるぞ!
雑学まとめ
お金の貸し借りについての雑学をご紹介してきたが、いかがだっただろうか。出世払いで借りたお金、実は出世しなくても返さなくてはいけないのだ! 出世しなければ返さなくていいだろうと軽く考え、普段から出世払いを多用していた人は、その考えを改めていただきたい。
またお金がないからといって絶対に闇金ではお金を借りないように。闇金を利用した時点で人生終了だと考えてもらったほうがいい。お金を借りるなら、友人や家族など出来るだけ身近なところにとどめておこう。