地球の外には太陽系があって、太陽系の外には銀河系がある。という話はだいたい学校で習って知っているだろう。でも、その銀河系の名前はなに? と聞かれて「天の川銀河」とすぐに答えられる人はどれくらいいるだろうか?
というか、銀河系っていう名前じゃないの!? 地球は天の川銀河に所属しているってこと? と思った人が多いかもしれない。というわけで、今回は地球が所属している銀河系についての雑学をご紹介しよう。
【宇宙雑学】地球は「天の川銀河」所属?
【雑学解説】地球を含む太陽系は「天の川銀河」の「オリオンの腕」と呼ばれる場所にある
実は銀河系というのは一つではなくて、ほぼ無限に広がる宇宙に無数に存在している。それらの銀河系と区別するために、太陽系が所属する銀河系を「天の川銀河」と呼んでいるのだ。
そのとおり、天の川は銀河系の一部を地球から見ている。
天の川銀河は、渦巻きの中央部分が棒のように横にのびた「棒状渦巻」という形の銀河である。渦のように広がっている部分は「腕」とよばれていて、恒星・惑星・星雲・ガスなどが集まってできている。
太陽系はその中の「オリオンの腕」と呼ばれるところにある。名前は格好良さげだが、渦の外側に近いところに生えている短い腕だ。あまり見栄えは良くない。つまり太陽系は銀河の真ん中で主役のように輝いているのではなく、中央から遠く離れた目立たない天体にすぎないのである。
宇宙の大きさを分かりやすく表現している動画を発見!
地球・太陽系・天の川銀河の順にカメラが引いていくので、大きさの比較が分かりやすい。
地球と比べると、とてつもなく大きな天の川銀河も、宇宙の中では小さな天体だということを実感する。宇宙規模で見ると、人間なんて微生物みたいなものなんだなあ。
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【追加雑学①】天の川銀河は周りの小さな銀河を飲み込んで大きくなった
天の川銀河は、約100億年前に小さな銀河と衝突し、その星々を数百万年かけて取り込んで大きくなったと考えられている。また、天の川銀河を取り巻く帯状の星々は、天の川銀河の重力に引き寄せられて飲み込まれつつある、26個の小さな銀河のものだということが分かってきている。
天の川銀河にある星の約半数は、周りの小さな銀河から取り込んだものというから驚きだ。もしかしたら、太陽系も取り込まれた星の一部だった、なんてことがあるかもしれない。
【追加雑学②】天の川銀河の中心には超大質量ブラックホールがある
一般的に銀河の写真や想像図では、銀河の中心は白や黄色の光の球のようになっている。太陽系の太陽に該当するような大きな恒星があるに違いない、と思っている人も多いだろう。
ところが、天の川銀河の中心にあるのは恒星ではなく、太陽の400万倍の質量をもつ超巨大ブラックホールなのだ。太陽系から見て天の川銀河の中心の方向にいて座があるため、この超巨大ブラックホールは「いて座Aスター」と呼ばれている。
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雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。
自分たちの地球が所属している銀河系の目印として「天の川銀河」という名前がつけられた。でも、もし太陽系が今と違う場所にあったら、地球から天の川は見えなかったかもしれないし、あるいは全然違う見え方で天の川なんていう名前はつかなかったかもしれない。
そう考えると「地球は天の川銀河に所属している」といえることは、とても奇跡的だ。市街地では明るすぎて天の川を見ることは難しいが、たまには街中を離れて自分達の銀河の一部をじっくり眺めてみるのもいいんじゃないだろうか。