日本人にとってなじみの深い植物、竹や笹。かぐや姫は竹の中から生まれ、七夕には笹に願い事をつるす。どんな植物かをすぐにでも思い浮かべることができるが、竹や笹の花ってどんな花? と聞かれたらどうだろう…。
そもそも、竹や笹って花が咲くの? と私は疑問に思ってしまった。だって見たことがない。聞いたこともないもの…。
実は、竹や笹は、花を咲かせるというのだ! 植物なら、花を咲かせても不思議ではないか…。そりゃそうなのだが、竹や笹の花は、私たちが人生で一度見れるか見れないかという神秘的な花なのだ。
というわけで今回の雑学では、見たことがない方も多いであろう、竹や笹の花について調べてみたぞ!
【自然雑学】竹や笹は40〜120年に一度花を咲かせる
【雑学解説】竹や笹は、一生に一度だけ花を咲かせる
まず、私が大きく勘違いしていたこと…。竹林では竹が1本1本にょきにょきと生えて真っ直ぐ立っており、その竹がたくさん密集して竹林になっている…。なんの疑いもなく、あの1本1本は独立したものだと思っていた。これがそもそも違っていたのだ。
竹は地下でつながっており、その地下にある大きな株からにょきにょきと出てきて成長し、竹林が広がっていく…。ようするに、あの1本1本は別々の個体ではなく、竹林そのものが「一つの竹」らしいのだ。笹も同じく、地下にある株から茎をのばし密集して広がっていく。
多くの植物のように、毎年花を咲かせ実をつけ、落ちた種が芽吹き子孫を増やしていく…といった生態ではなく、まるで株からクローンが増えていくように広がっていくのだ。
そんな竹や笹も、一生に一度だけ花を咲かせる。それが竹は約120年周期、笹は40~60年周期だというのだ。そして花を咲かせたあとは半年ほどで枯れ、一生を終えるのである。
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竹や笹は、一斉に花を咲かせ、一斉に枯れる
私たちが見ている竹や笹は、地下の株から出ているいわば「枝」。花をつける時期がきたとき、その枝の1本1本が一斉に花が咲かせ、そして一斉に枯れていく。
まるで、林全体で一気に最後の力をふりしぼり、一気に絶えていくように…。
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【追加雑学①】竹や笹の開花は不吉な出来事の前兆?
大昔、一斉に竹の花が咲き、そのあと大飢饉(ききん:飢え苦しむこと)が起きたことがあったらしい。120年に一度の開花だ。とうぜん誰も見たことのない林の光景…。なにか不吉なことがおきるのでは? 昔の人たちはそう思ったのだろう。
不安が的中し大飢饉が起きたとき、やはり竹の花が咲いたのはその前ぶれだったのだ! と大騒ぎになった。
しかしこの大飢饉…。一斉に竹林が開花したことで、一気にたくさんの実がついた。これをたらふく食べたネズミも一気に増え、人間の食べ物を食い荒らしたことがきっかけだったという。
なんだか不吉なイメージが残っているようだが、竹や笹の開花のあとに、大きな災害や事件が必ず起こったわけではない。
【追加雑学②】竹や笹の花は、次の世代へのバトン
竹や笹は、地下で茎をのばし、地上に枝を出し広がっていく植物だ。
いや、最後に花を咲かせるのには、ちゃんとした理由があるのだ。
竹は120年、笹は40~60年、芽吹いた場所で株を大きくし林となっていく。しかし、もうこの場所は限界だ! そう察して、次の新しい場所で生きていけるようにと、種を残すために花を咲かせるというのだ。
そして、次の世代へのバトンとして種を残した後は、一斉に枯れていくのである。なんだか、自然のロマンを感じる…。
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ん? 想像していた花とは違うぞ…。しかし私が知る竹の姿ではない。
こうやって最後にひと花咲かせ、枯れていくのだ…。神秘的な植物である。
雑学まとめ
今回は、60~120年に一度だけ花を咲かせる竹や笹の花についての雑学を紹介した。子孫を残すために最後にひと花咲かせ、そしてその長い一生を終えていく…。竹や笹がそんな植物だったとは驚きだった。
不吉の前兆などではない。その神秘的な瞬間に私が生きているあいだに出会うことができたら、それは奇跡的な幸運だと思う。