みなさんは「中華料理」といえば、なにを思い浮かべるだろうか? 餃子や小籠包(しょうろんぽう)、チャーハンに麻婆豆腐に酢豚! …思い出すだけでよだれが出そうになるものばかりである。
そんな中華料理のなかでも、人気の高いメニューである「エビチリ」と「天津飯」。日本人ならたいがいの人はこれらを中国で生まれた食べ物だと思っていることだろう。…しかし、この2つの料理は実はなんと「日本で生まれた料理」だというのだ!!
今回の雑学では「エビチリ」と「天津飯」2つの料理の生まれたきっかけについて、詳しくお伝えしよう!!
【食べ物雑学】「天津飯」や「エビチリ」は日本で考案された料理
【雑学解説】天津飯もエビチリも、中国では日本と同じものは食べられない!
「天津飯」といえば、かに玉をごはんにのせたものに、とろーり温かい「あん」をかけた食べものなのはみなさんご存じのことだろう。
卵かけごはんを「TKG」と呼んだり、「お弁当に卵焼きはマスト」な人も多い日本の人々。そんな「卵大好き人間」の多い日本では、見慣れた「どんぶり」にのせたこの卵料理が子どもからお年寄りまで幅広く好まれている。
しかし、「天津飯」という名前でありながら、中国では天津飯を食べられない。同じく「エビチリ」も、あのケチャップを使った甘辛い独特の味つけは日本のみで食べられているものなのだ!
【追加雑学①】天津飯の発祥はいくつかの説がある!
天津飯の生まれたきっかけについては、以下の2つの説がある。
ひとつは1910年、日本の浅草創業の中国料理の店「来々軒」が発祥であるという説。この店の料理人がある日、来店した客から「早く食べられるものを作ってほしい」と頼まれた。
そこで料理人は、かに玉をごはんにのせ、酢豚に使っていた「餡(あん)」をしょうゆで味付けしてかけたものを出したという。これが「天津飯」のはじまりであった。
ふたつめは大正時代、大阪にオープンした「大正軒」が発祥であるという説。山東省から来ていたお店の主人が、お店のおすすめメニューとして中国・天津の「蓋飯(ガイファン)」をアレンジした天津飯に近い料理「芙蓉蟹蓋飯(フーヨーハイガイファン)」を生み出した。
蓋飯・芙蓉蟹蓋飯とは…?
- 蓋飯とは、天津市民の食習慣で、「ごはんにおかずをかけて食べる」食べ方のこと。
- 芙蓉蟹蓋飯とは、白いご飯にかに玉(芙蓉蟹)をかけた料理のこと。
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【追加雑学②】エビチリは、辛いものに慣れない日本人向けにアレンジされた料理
日本で食べる「エビチリ」といえば、あの見た目の「赤い」甘辛い料理だが、エビチリの元になった中国料理というものは、まったく違った見た目をしている。
こちらの動画は、本場のエビチリの作り方を紹介しているものである。材料を見ていると、やはり日本のエビチリでは必須な「ケチャップ」が使われていないことに気づく。
日本のエビチリの元になったこの料理は、中国では「乾焼蝦仁(カンシャオシャーレン)」と呼ばれている。この料理をはじめて作ったのは、あの平成の有名な料理番組「中華の鉄人」で有名な「陳建一(ちん けんいち)」さんのお父さん「陳建民(ちん けんみん)」さんである。
陳建民さんが、辛みに慣れていなかった当時の日本人の口に合うように、と乾焼蝦仁を元に生み出されたのが、わたしたちにもおなじみの「エビチリ」なのだ!!
雑学まとめ
この雑学記事を執筆していたら、なんだかとても中華が食べたくなった。エビチリと天津飯が無性に食べたい!! 食べたいぞ!!!
赤くないエビチリ、どこか中華料理屋さんで食べられるところないかなあ。みなさんも、日本と中国両方のエビチリの「食べくらべ」に挑戦してみてはいかがだろうか。この2つの料理の意外な歴史を知ったあなたはこれからきっと、本格中華をさらにおいしく食べることができるはず!
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