就職面接や会社の会議、大事な試験の前など、緊張しているとアイツは突然やってくる。
「ヤバい! トイレ行きたい!」というどうしようもない感覚だ。
一度尿意を感じると、もうトイレのことしか考えられない! 行きたいのに行けない焦燥感。冷や汗とともに、勉強したことも頭からどんどん抜け落ちていく…。
どうして人は緊張するとトイレが近くなるんだ…? 何か改善策があるなら知りたいところだが…。今回はそんな緊張とトイレにまつわる雑学である。
【人体雑学】緊張するとトイレに行きたくなる理由とは?
【雑学解説】緊張からくる尿意は脳の「勘違い」
まず健康な人の膀胱は、約200~300mlの尿を溜めることができる。リラックスした状態の場合、この域に達した時点で膀胱に圧力がかかり、脳へと情報が伝達され、尿意が促される仕組みだ。
では、なぜ緊張するとトイレに行きたくなるのかというと、ポイントはこの「膀胱に圧力がかかると尿意をもよおす」という点である。
人は緊張すると全身に力が入り、筋肉が収縮する。これは危機的状況に備える臨戦態勢と思っていいだろう。怖くて震えたりするのも、この全身に力が入る影響だ。
そして全身に力が入ると、膀胱にも圧力が加わる。すると脳はそれを「あ、尿が溜まったんだな」と勘違いして、尿意を促し始めるのだ。
…臨戦態勢で力が入ってトイレに行きたくなるって…これから戦うのにものすごい欠陥じゃないか? 脳にも弱点はあるのだな…。
【追加雑学①】緊張しにくい状態を作っておくことが一番の尿意対策
なんとか緊張による尿意を防ぐ方法はないのか? と思うところだが、脳が勘違いしてしまうのはさすがにどうしようもない。対策があるとすれば、自分を緊張しにくい状態にしておくのが一番である。
まずストレスが溜まっている人は不安や緊張を感じやすい傾向にあるので、普段から食事や睡眠・趣味などのストレス発散に気を遣っておくことが大事だ。
結果を残そうと思うと、勉強、勉強となってしまうところではあるが、本番でパフォーマンスを発揮するために良いコンディションは必要不可欠である。
そしてもともとあがり症でどうしようもないという人は、思い切ってカウンセリングを受けてみると、案外改善したりもする。また人と積極的に話す習慣を作るだけでも、十分に効果があるはずだ。
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本番直前にできる応急処置
根本的に防ぎたいのなら、上記のようなメンタルの改善が必要だが、すぐにでもできる応急処置もあるにはある。試験や会議の直前に以下のようなことを心がけると、多少はマシになるはずだ。
- カフェインを取らない
- 膀胱を圧迫しない
- お腹を温める
- 違うことを考える
- 肛門を締める&緩める動作を繰り返す
カフェインの入った利尿作用のある飲み物を飲まないことはもちろん、膀胱の圧迫が尿意の引き金になるので、お腹周りの緩い服装をしたり、温めたりすると効果的だったりする。
また試験や会議と違うことを考えるというのは、緊張しないためのテクニック。肛門を緩めたり締めたりするのは尿漏れ改善の運動だが、急な尿意を抑えるのにも有効だ。
【追加雑学①】緊張からの尿意は「青木まりこ現象」に似ている?
1985年のこと、雑誌『本の雑誌』に投稿された読者の体験談から話題になった「青木まりこ現象」というものがある。
これはその名の通り青木まりこさんという読者の投稿で、「本屋に行くと便意を感じてしまうのはなぜだろう」という内容だ。
これについてはさまざまな憶測が飛び交ったが、有力とされているのは、本屋というリラックスできる空間にいるのに、「静かにしなくちゃ」と緊張してしまう矛盾により、間違った情報が脳に伝達されるためという説である。
緊張で尿意をもよおす仕組みにどこか似てはいるが、結局今でもこの現象は医学的に証明されていない。というか…こんな現象に女性の名前を付けるのってどうなんだ…。
雑学まとめ
緊張するとトイレに行きたくなるのは、膀胱が圧迫されることによる脳の勘違いが引き起こす現象だった。尿が溜まっているわけでもないのになぜ? と思っていたが、理由を知ればなるほど納得の雑学である。
それにしても試験や会議の際の緊張というのは、いつになっても慣れないものだ。「緊張を楽しもう!」などと言ったりするが、さすがに尿意は楽しめないぞ…。