「♪てるてる坊主~てる坊主~、明日天気にしておくれ~」でおなじみの歌「てるてる坊主」。この歌のフルバージョンを、あなたは知っているだろうか?
フルバージョンでは、てるてる坊主がきちんと晴れにしてくれたあとの様子が描かれているが、もしも雨を降らせてしまったときの仕打ちが恐ろしいのだ…。
無邪気な子供の歌とするには少々怖い「てるてる坊主」についての雑学を紹介しよう。
【面白い雑学】「てるてる坊主」の歌の3番が怖すぎる。
【雑学解説】雨が降ったときのてるてる坊主の運命が怖い。
「てるてる坊主」の歌は、全部で3番まである。問題の歌詞があるのは3番だ。
【3番】
てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
それでも曇って泣いてたら そなたの首をチョンと切るぞ
そう、てるてる坊主がもしも雨を降らせてしまったら、首を切られてしまうのだ!
ちなみに、晴れた時にはご褒美がもらえる。
1番と2番の歌詞を見てみよう。
【1番】
てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
いつかの夢の空のよに 晴れたら金の鈴あげよ
【2番】
てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
わたしの願いを聞いたなら あまいお酒をたんと飲ましょ
このように、晴れたら金の鈴や甘酒といったご褒美がもらえる。
雨を降らせたら首を切られるのだから、てるてる坊主も命がけだ。
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【追加雑学①】てるてる坊主の元ネタの話も怖い
てるてる坊主の起源はいくつかあるが、その中の1つに、歌詞と同様に怖いものがあるので紹介しよう。
昔あるところに、天気の祈祷をして晴れにしてくれるお坊さんがいた。長いこと雨に悩まされているところにこのお坊さんが来てくれたので、みんなはお坊さんに晴れにしてもらうように頼んだ。
お坊さんはお殿様の前で晴れになる祈願をしたものの、次の日になっても天気は良くならなかった。
お坊さんはバツとして首をはねられてしまい、彼の首を白い布で包んで吊り下げると、翌日の天気が晴れになった。
…というわけで、てるてる坊主の起源と考えられるものの1つに、歌の3番の歌詞に当てはまる話が実際にあるのだから恐ろしい…。
ちなみに、てるてる坊主のもう1つの起源について書いた記事もあるので、こちらもチェックしてほしい。
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【追加雑学②】てるてる坊主には幻の歌詞がある
実は「てるてる坊主」には、ボツになった幻の歌詞がある。
その歌詞でも、雨を降らせてしまった場合を歌っているのだが…。
てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
もしも曇って泣いてたら 空をながめてみんな泣こう
実際に採用された歌詞に比べて、とても優しいものになっている。
子供が歌う歌としては、「失敗してもみんなで泣いて分かち合おうね」というような幻の歌詞のほうが妥当ではないだろうか。
なぜこの歌詞がボツになって現在の歌詞が採用されたのかには諸説あるが、有力なものは2つある。
- 子供の残酷性
- 権力者の暴力
最初の「子供の残酷性」というのは、虫をちぎるなどといった、子供の無邪気な残酷さを表現したものだという説だ。
2つ目の「権力者の暴力」は、大切な日の天気を晴れにするために最大限の罰を言って、何が何でも晴れにしてもらおうという権力者の気持ちを歌ったもの、という意味になる。
てるてる坊主は、今でも運動会など大事な日の前日につるすもの。つるす側としては、何が何でも晴れにしてほしいと願っている。
1番と2番の褒美に歌われている鈴や酒が最高の褒美なのであれば、その対になる最高の罰を歌詞に入れたほうがグッと締まる。
また、一緒に泣く幻の歌詞を残したままだと、3番の歌詞の厳しい罰に矛盾が生じてしまう…。
そういった意図から、現在も残っている残酷な歌詞を採用したのかもしれない。
「てるてる坊主の歌詞」の雑学まとめ
今回は、てるてる坊主の3番の歌詞に関する雑学をご紹介した。
子供の歌といっても、意外に残酷な歌詞である「てるてる坊主」。その中には、「良いか? 絶対に晴れにしろよ? 明日は大事な日なんだからな!」という権力者(願いをかける人)の暴力性が表現されているのかもしれない。
命がけで天気を晴れにしようと頑張ってくれるてるてる坊主。できれば、幻の歌詞のように、もしも雨が降っても一緒に泣くほうが私は好きだ。