映画のエンドロールで流れるキャストの名前を眺めていると、「特別出演」や「友情出演」と表記されている場合がある。
これらが他の出演者とちょっと違う立ち位置だということはわかるが、「特別出演」となっている場合と、「友情出演」となっていることがあるのはなぜだろう…。いい方の問題で同じ意味なのか?…いや、両者には明確な違いがある。
実は「特別出演」か「友情出演」かで、俳優の格が違うのだ! 今回はそんなキャストの格付けのトリビアを紹介しよう。出演している俳優が業界でどんな立ち位置なのか、チェックできるかも!?
【サブカル雑学】映画の「特別出演」と「友情出演」の違いとは?
【雑学解説】「友情出演」より「特別出演」の方が格上!
結論から、エンドロールのテロップに「特別出演」とあったら、その俳優は大物である。
作品の登場人物を演じてもらううえで、「脇役だけどこれは重厚な演技ができるあの人じゃないと…」というときがある。しかしチョイ役は大物俳優に気軽に頼めるものではない…。そんなときに便利なのが、特別出演という言葉だ。
チョイ役でも特別出演とハクが付けば、頼まれた俳優も悪い気はしない。また全ての特別出演がそうというわけではないが、「特別」となっているだけあってギャラも高額になることが多いのだ。
お友達価格の「友情出演」
「友情出演」は監督や主演俳優と親しい間柄の人が、出演した際に使う言葉だ。監督や主演が指名することもあれば、友情出演する人が自ら立候補することもある。
ちなみに友情出演の場合、基本的にギャラは低く、ノーギャラということもしばしばある。悲しいが、いわゆる「お友達価格」…友達のよしみで安く依頼できるのが友情出演なのだ。
このように「特別出演」と「友情出演」にはけっこうな差がある。
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【追加雑学】カメオ出演はどうなの?
「特別出演」などと同じ「○○出演」という言葉の種類に「カメオ出演」というものがある。
海外の作品に多い例で、カメオ出演というのは、監督・作品の原作者・モデルなどがチョイ役で出ることだ。基本的に、その作品にゆかりのある人物が演じるものとなっている。
たとえば日本の映画だと、『日本沈没(1973年版)』にて、原作者の小松左京(こまつさきょう)がチョイ役として出演している。
またハリウッド監督のアルフレッド・ヒッチコックはカメオ出演が頻繁にあることで有名だ。彼が自身の映画にカメオ出演した例は、私が知ってるだけでも38作品! それぞれ本当に一瞬だけの登場だが、それでも多いぞヒッチコック…!
公開されるにあたってファンの間では、どこにヒッチコックが出演するか楽しみにしている人もいたとか…。ウォーリーを探せならぬ、「ヒッチコックを探せ!」だ。
カメオ出演は、特別出演や友情出演とは違って、遊び心からの出演枠だ。こういった製作の裏側にある遊び心を堪能するのも、映画の楽しみ方のひとつである。
雑学まとめ
「特別出演」と「友情出演」は似ているようで、その扱いは全く異なるものだ。映画を観るとき、ぜひともエンドロールのキャストテロップに注目してみよう。出演している俳優の格がなんとなくわかるかもしれないぞ!
こういった雑学を知ると、映画にはストーリーや俳優の演技以外にも、いろんな楽しみ方があるものだと実感する。