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東京タワーは戦車でできてる?日本の鉄不足と米軍の関係

zatsugaku

雑学カンパニー編集部

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東京タワーは戦車でできている?という雑学

2010年に東京スカイツリーが完成したことで「いよいよ東京のシンボルも代替わりか?」という感が強かった東京タワー

しかし実際のところ、その存在感は唯一無二で、スカイツリーとの対比でむしろ人気が再燃しているまである。読者のなかにも、"東京タワーのほうが味があって好き"みたいな人がいるんじゃないか。

今回はそんな東京タワーに関する雑学だ。東京のシンボルであるこの鉄塔は、実は戦争の象徴ともいえるあるものを原料にして作られていた!

【生活雑学】東京タワーは戦車でできている?

おばあちゃん
東京タワーはもちろん鉄でできてるんだけど、その鉄のもとになった物が何か知ってるかい?
孫ちゃん
え?鉄?普通に鉱山で鉄の原料を採ってきて作ってるんじゃないの?
おばあちゃん
実はね、東京タワーに使われてる鉄の一部は、もともとは戦車だったんだよ。

【雑学解説】東京タワー3分の1はアメリカ軍の戦車を溶かした鉄

東京タワーの材料の一部に戦車が使われている理由についてのトリビア

東京タワーには、1950~1953年まで行われていた朝鮮戦争に赴いたアメリカ軍の戦車、約90台分を溶かして形成し直した鉄が使われている。

どうしてアメリカ軍の戦車が使われる流れになったかというと、1957年当時、東京タワーを建造するにあたって、日本が鉄不足に悩まされていたからだ。

アメリカ軍は1953年に朝鮮戦争が休戦に入り、不要になった戦車を大量に抱えることとなった。それらには壊れているものも多く、自国に持ち帰るにも、修理するにも相応のコストがかかる。

「それならその費用で新しい戦車を作ったほうが賢いんじゃないか」と考えているところに舞い込んできたのが、日本が大量の鉄を欲しているという話である。

こうして日本の業者はアメリカ軍から90台分の戦車を買い取ることになり、その鉄を溶かした約1,300トンの鉄が、東京タワーの展望台から上、約3分の1の部分に使われたのだ。

孫ちゃん
今でいう「再利用」だ〜。
おばあちゃん
アメリカは使わなくなった戦車を処分できるし、日本は鉄がほしかったってことで、まぁどちらにとってもいいことだったんだろうね。

使われた戦車はM4シャーマンやM47パットンなど、いずれも第二次世界大戦の主要兵器となった機体である。

以下の動画でM4シャーマンの実物が映されている。

 

当時の時代柄、良質な鉄は兵器の製造に優先して回されていた。見るからに頑丈なこれらの戦車にも非常に良質な特殊剛が使われており、高い鉄塔を建てるにはもってこいの原料だったのだ。

"東京タワーに戦車の鉄が使われている"とだけ聞くと、なんだか物騒な響きにも聞こえる。

しかしその実態には、"戦争の遺物を人々の暮らしに役立てる"という、見方によっては建設的なエピソードが隠されているのだ。

【追加雑学①】東京タワーが建造された理由は?

本当は333mではない?についてのトリビア

東京タワーの高さは332.6m。これは当時、世界最高だったエッフェル塔を凌ぐ高さで、一躍世界一高い塔の名を欲しいままにした。

総工事費は約30億円にもなり、使われた鉄の総量は約4,000トン。鉄不足の時代においては、まさに買い取った戦車を再利用するぐらいのことをしないと成し得ない計画だった。

となると、どうしてそこまでして東京タワーを建てる必要があったのかも気になるところだ。これはこのとき、日本がテレビ放送の発展期にあり、新しいテレビ局が次々と出来始めていたからである。

当時、東京には以下の6つのテレビ局があった。

  • NHK
  • NHK教育
  • 日本テレビ
  • ラジオ東京(TBS)
  • 富士テレビ(フジテレビ)
  • 日本教育テレビ(テレビ朝日)

これらの放送を関東一円に行きわたらせるのに、「電波塔を6つも建てなければならないのか…?」ということが懸念されていたのだ。

そこで持ち上がったのが、電波塔が6つ必要なところを、それらをすべてまかなえるほど巨大な塔を建てることで解決しようという計画である。

たしかに電波塔が6つも乱立しているのは景観的にどうなんだ…という感じだが、巨大な塔ひとつならそれこそ街のシンボルになる!

この案は当時の郵政省電波管理局長が新聞に"新年の夢"として載せたもので、高さ500m・空港からのアクセスも整え、展望台を観光利用することも掲げられていた。

アンテナの安定性を考えて332.6mに!

この夢に感銘を受け、1957年に日本電波塔株式会社を設立したのが、産経新聞の生みの親としても知られる前田久吉さんだ。

前田さんが考えた東京タワーの計画は「高さ380m、下層には5階建ての科学館を」というものだった。

しかしアンテナの揺れなどを考慮して、最終的には半径100キロまでをカバーできる332.6mという高さに落ち着く。このようにして、東京タワーは当時の街の人々の悩みを解決するため、世界最高の高さになるべくして作られたのだ!

以下は建設当時のテレビ映像である。この放送もまた、東京タワーの電波で放送されていたのだろうな。

 

動画内で「地震が多い国なのにそんなに高い塔を建てても大丈夫なのか」という見方が多かったという解説があった。東京タワーが芝公園の隣に建っているのはこのためで、この近辺は東京礫層という特に強固な地盤となっている。

ちなみに現在、テレビ放送用の電波は634メートルを誇るスカイツリーが発信を担っている。しかし東京タワーもFMラジオやJR東日本の無線用の電波などを担当し、まだまだ現役で頑張っているぞ!

【追加雑学②】日本一の期間は意外と短い

完成当時は世界一高い建造物だったというトリビア

世界ともなればその記録がすぐに抜かれることもわかるが、東京タワーは日本一高い塔だった時期も実は意外と短い。スカイツリーができるまでは日本一高かったんじゃ…? というイメージをもっている人も多そうだが、それは間違いだ。

東京タワーが完成して約9年半後の1968年に小笠原諸島が返還されたことにより、この地にアメリカが建造していた南鳥島ロランタワー(411.48m)硫黄島ロランタワー(411.5m)に抜かれているのだ。

その後、この2つのタワーが解体され、1974年から日本最高となっていた対馬のオメガタワー(454m)も2000年に解体。

そこからまたスカイツリーが完成する2010年まで、約10年間は東京タワーが日本一の座に君臨していたのだ。ということで、現在は無事に日本で2番目の高さを誇っている! なんかややこしいぞ…。

孫ちゃん
あはは!コロコロ順位が変わったんだね~。
おばあちゃん
でも、南鳥島ロランタワーも硫黄島ロランタワーも対馬オメガタワーも、東京タワーよりも高かったのに、あまり知られてないねぇ。

ちなみにビルなどを覗いて"塔"という観点から見ると、スカイツリーは世界一高く、東京タワーは世界で24番目。数字を見てみるとやっぱりまだまだ捨てたもんじゃない。

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【追加雑学③】東京タワーの配色は航空法に乗っ取ったもの

東京タワーといえば赤と白の組み合わせが日の丸っぽくて、そういう意味でも東京のシンボルにふさわしいような感じがする。しかし、この赤と白の組み合わせは意図したものではなく、航空法上、そうせざるを得なかったがための配色である。

実は航空法第五十一条にて、高さ60m以上ある建物に関しては、航空機の事故を防ぐため、てっぺんから赤・白を交互に塗った帯状の配色にしなければいけないと決められていたのだ。

また多くの人が赤と認識しているあの色も、厳密には赤ではなく"インターナショナルオレンジ"という、これまた航空法で指定された色である。航空機で空から見たときに、もっとも視認しやすい配色がこれなのだという。

日本の航空法とは少し違うが、アメリカのゴールデンゲートブリッジも、同じ理由でインターナショナルオレンジに塗られているぞ!

と、「そんなこと言って、スカイツリーは全然赤と白じゃないじゃん!」…という声も聞こえてきそうだが、これは2000年に航空法が改正され、配色ではなく"航空障害灯を設置すること"に条件が変わったためである。

塗り直しには1年を要する

東京タワーはこの配色を維持するため、5年に1回のペースで、約1年かけた塗り直しが行われている。スプレーなどでは風で塗料が飛び散ってしまうため、ハケを使って丁寧に塗る必要があり、一度の作業には4000人以上の職人さんが携わっているぞ!

作業は人目に付かない深夜に行われるため、多くの人は塗り直しの現場を知らない。そこで2019年には、職人さんの苦労があって東京タワーの色が保たれていることをPRするため、塗装作業を再現したマネキンの設置が行われた。以下がそのときの映像だ!

深夜にこんな命懸けの作業をしてくれていたなんて…。職人さんにはほんとに頭が下がる。

過去にはこの塗装作業に北野武さんの父・北野菊次郎さんも携わったことがある。東京タワーは数えきれないぐらいの人たちに支えられ、今もその鮮やかな赤白模様を保ち続けているのだ。

【追加雑学④】苦情を理由に進化した東京タワーのライトアップ

現在の東京タワーは夜になると、その全貌が美しく浮かび上がる「ランドマークライト」、さらに金・土・祝日の20~22時限定で、7色に色が変わる「ダイヤモンドヴェール」というライトアップが施されている。

東京タワーのこういったライトアップは、実は1958~1988年まで行われていた電球によるイルミネーションに寄せられた苦情がきっかけになっているという。

東京タワーでは建造されたその年からイルミネーションが行われており、東京オリンピック以後、1965年からは連日点灯されるように。電球の数も当初は250個から始まり、最終的には696個にまで増やされていた。

「うわあ…電気代すごそう…」という感想が浮かんできた私はまさにロマンもへったくれもないのだが…、電気代以外にも、この電球の多さには問題があった。

ところどころ球切れを起こしている部分が目立ち、「せっかくの東京タワーなのに、みすぼらしくて残念だった」という苦情が寄せられることがあったのだ。

これを受けて日本電波塔株式会社は、照明デザイナーの石井幹子さんに照明デザインを依頼。1989年より、現在のランドマークライトと呼ばれるライトアップがスタートする。

オレンジ色に浮かび上がる東京タワー。改めて見ると幻想的だ…。

このランドマークライトは、いかに少ない灯数で綺麗に照らし出すかをテーマに設計されており、電球のころより明るいにも関わらず、電気代は20%も削減されたという。私の感じていた「電気代すごそう」という感想も、実はみんな感じていたことだったのかも…。

そして2008年には、7色に変化するダイヤモンドヴェールが完成。さらに華やかに、東京の夜を彩ることになったのだ!

以下の動画では、2019年にさらにリニューアルとなった「インフィニティ・ダイヤモンドヴェール」というライトアップが紹介されている。ちなみにランドマークライトより暗いぶん、こっちのほうがさらに電気代は安い。

【追加雑学⑤】階段で展望台まで登ると…

東京タワーは展望台まで階段で登れることを知っているだろうか?

約600段、高さ150mと聞くとちょっとしり込みしてしまうが、実際に登ってみると10分~15分くらい。景色を見ながらのぼると割とあっという間に到着してしまう。

孫ちゃん
600段!?いやいや、それキッツイでしょ。

登りきると非売品の「ノッポン公認昇り階段認定証」がもらえるので、ぜひチャレンジしてみよう!

ただ、エレベーターで昇るのと同じ料金(通常の展望料金)がかかり、土日祝日しかチャレンジできないので注意しよう。以下の動画で実際に階段で登っているところが紹介されている。

孫ちゃん
あれ?なんか動画の感じだと、もしかして登れちゃうんじゃないかなって気がしてきた。
おばあちゃん
じゃあ、最近お肉がついてきたお父さんでも連れて一緒に登ってきたら?

雑学まとめ

今もなお、東京のシンボルとして輝き続けている東京タワー。その一部に戦車が使われていると聞いて、あなたはどう感じただろう。

おばあちゃん
まぁ材料となった鉄がもともとは戦車だったってだけで、戦車とわかるようなものがあるわけじゃないからねぇ。
孫ちゃん
そうだよね。もとは戦車だって、夜に見る東京タワーはきれいだからそれでオッケ~。

私も見たことはあっても実際に登ったことはないので、次に東京に訪れるときは東京タワーにぜひ階段で登ってみようと思う! 次の日は筋肉痛かもしれないけど…。

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