由来

酉(とり)の市ってどんな祭り?名物の"熊手"とは?由来についても解説!

雑学カンパニー編集部

雑学カンパニーは「日常に楽しみを」をテーマに、様々なジャンルの雑学情報を発信しています。

酉の市って何をする祭り?という雑学

毎年11月になると、主に関東の神社やお寺で「酉(とり)の市」というお祭りが行われる。聞いたことはあっても、具体的に何をするお祭りなのか知らない人もいるだろう。

そこで今回は、酉の市がどういうお祭りなのかについて解説するぞ! 同時に由来や名物についても触れていこう。知っていれば、酉の市がもっと楽しくなるはずだ!

【生活雑学】酉(とり)の市ってどんな祭り?

酉(とり)の市に関する雑学

孫ちゃん
「酉の市」ってたまにニュースとかで聞くけど、どんなお祭りなの?

おばあちゃん
酉の市はね、鳥やワシにゆかりのある神社やお寺で行われるお祭りで、縁起を担ぐために熊手を買うのが基本的な楽しみ方なんだよ。

【雑学解説】酉の市では熊手を買って縁起を担げ!

酉の市のメインとなるのが、熊手の購入である。

熊手は落ち葉をかき集める時に使う掃除道具だが、酉の市では縁起物として扱われるのだ。この熊手は「縁起熊手」といって、おかめや恵比寿の面などの飾りがあしらわれた豪勢なものとなっている。

なぜ熊手なのかというと、落ち葉をかき集める用途から「福をかき集める」という発想に繋がり、縁起物になったのだとか。また、その形状からワシが獲物を掴む様子にも似ているので、「福をワシ掴みにする」という発想にも繋がっている。

孫ちゃん
「福を集めてワシ掴み!」ってめちゃめちゃいいことありそう!

熊手はサイズを大きくしていくのが鉄則

縁起熊手にはさまざまなサイズがあるが、まず最初は小さめの物を買うのが良い。というのも、縁起熊手はお守りのように1年ごとに購入するもので、年々サイズを大きくしていくのが一般的だからだ。

縁起を担ぐ以外にも「商売繁盛」のご利益もあるので、だんだん大きくしていくことで、商売も大きく発展していくという願いも込められている。つまり大きいものから小さいものにすると…商売も小さくなっていくことになる。

これらのことから、最初に大きな熊手を買って、次の年に小さい熊手を買うと縁起が悪いとされているのだ。初めて買う場合など、わからなければ売り場の人に聞いてみよう!

おばあちゃん
はじめて行って、ご利益がありそうだからなんて奮発して大きいのを買っちゃうのはダメってことだね。

それにしても、使い方や見た目から掃除用具が縁起物とされているのは面白い発想だ。私も今度立ち寄った際は、小さな縁起熊手を買ってみようか。

スポンサーリンク

【追加雑学①】酉の市の由来とは?

酉の市の由来に関する雑学どうして「酉の市」と呼ぶのかも知っておくと、さらにお祭りが楽しくなるだろう。

その由来にも、神道・仏教・収穫祭で3通りの説があるのがまた面白い。それぞれ解説していこう。

神道

酉の市の開催場所で特に有名なのが、東京の浅草にある鷲神社だ。

なんでも鷲神社はヤマトタケルが戦いの勝利を願った神社で、見事勝利したあかつきには、お礼参りをしたという伝説がある。

そのお礼参りの日が11月の酉の日だったことから、鷲神社の例大祭(れいたいさい:神社で重要なお祭り)となり、これが酉の市になったとされている。

熊手が縁起物となったのも、ヤマトタケルが勝利を祈願した際に熊手を立てかけたことから由来しているそうだ。

日本神話の英雄・ヤマトタケルが、酉の市に関わりがあったとは…よりこのお祭りが身近に感じられる逸話である。

孫ちゃん
「酉の市」の「酉」って「鳥」からきてるんだと思ってたけど、「酉の日」のことだったんだ!?

仏教

仏教では、東京の浅草にある鷲在山長国寺(じゅざいざんちょうこくじ)が酉の市発祥の地となっている。

鎌倉時代に日蓮宗の日蓮上人(にちれんしょうにん)が国家平穏を祈っている最中、金星が輝いてワシの背に乗った鷲妙見大菩薩(わしみょうけんだいぼさつ)が現れた。この日が11月の酉の日だったというのだ。

このことから、長国寺で安置されている鷲妙見大菩薩が11月の酉の日に御開帳(ごかいちょう:一般に拝観できるようにすること)となり、これが酉の市の起源とになったとされている。

菩薩がワシに乗っていたことを考えると、熊手の「ワシが獲物を掴む姿に似ている」という部分とたしかに繋がりがある。

孫ちゃん
あ、こっちの説も「酉の日」!しかもどっちも「ワシ」に関係してる!

収穫祭

こちらは現在の東京都足立区にあたる「花又(はなまた)」という土地で行われていた収穫祭に由来する説だ。

その土地では「鷲大明神(わしだいみょうじん)」という神様が信仰されており、鶏肉を食べないという決まりがあった。収穫祭になると農民たちは鷲大明神に生きた鶏を奉納し、お祭りが終わると浅草寺観音堂の前に離していた。

またこの収穫祭では、境内にて農具や古着などが売られており、これが酉の市の由来になったとされている。

おばあちゃん
この説は酉の日は関係なさそうだけど、でもやっぱり「鷲大明神」で「ワシ」に関連してるんだねぇ。

個人的には日付的にも、熊手にもつながりのある神道由来説が有力だと思うのだが、こういった地元の収穫祭から発展して…というのも、起源としては自然なのかもしれない。

スポンサーリンク

【追加雑学②】他にもある酉の市の名物!

酉の市の名物に関する雑学酉の市には、縁起熊手以外にもいくつか名物がある。それぞれ紹介していこう。

八頭(はちあたま)

別名「頭(とう)の芋」とも呼ばれる大きな里芋も酉の市の名物だ。そのネーミングから、食べると「頭(かしら)となって出世する」といわれている。

また、芋はいくつも連なって採れることから、「子宝」のご利益もあるそうだ。

まるでおせち料理にも見られる「エビは長寿」といった、食べ物を使った連想ゲームのような感じがする。最近はあまり見かけなくなっているのが少し寂しい…。

黄金餅(こがねもち)と切山椒(きりざんしょう)

黄金餅というのは、粟で作られたお餅のこと。そのネーミングから「お金持ちになる」といわれ、とても人気のある酉の市グルメだった。しかし残念ながらこの黄金餅も、現在ではあまり見かけなくなってしまっている…。

その代わりに近年登場したのが、切山椒だ。上新粉に砂糖と山椒の粉を加えた短冊形の餅菓子で、口に入れると山椒の香ばしい風味がして、なんともクセになる!

ちなみに、山椒は余すところなく使える食材なので、切山椒には「有益になる」という意味も込められている。こちらも酉の市で見かけたら、ぜひゲットしよう。

孫ちゃん
おせち料理なんかもそうだけど、こういう縁起物の食べ物の意味、ほんとうまいこと考えるよね~。

最後に、酉の市の様子を映した動画を紹介しておこう。

三本締めをしているのは、「酉の市で熊手を買った後には三本締めをする」という習慣があるから。熊手を買った際は、一緒にやってみよう!

孫ちゃん
普通のお祭りっぽいのかと思ったら、なんかこう完全に大人向けっていうか、商売してる人が集まるような感じなんだね。
おばあちゃん
そうだねぇ。三本締めしてるのもそんな感じだしね。

酉の市の雑学まとめ

酉の市の雑学まとめ酉の市は、主に縁起熊手を買って縁起を担いだり商売繁盛を願ったりするお祭りだ。縁起熊手は年々大きくしていくものなので、初めて購入する際は、売り場の人に聞きながら小さめの物を買うようにしよう!

多くの人たちでにぎわうお祭りなので、訪れるだけでも明るい雰囲気を楽しむことができる。11月の酉の日は、ぜひ酉の市へ!

孫ちゃん
実際に見てみたいけど、大人ばっかりだしな~。
おばあちゃん
まだちょっとあんたには早いかもねぇ。でもあの大きい縁起熊手は見応えあるから、大人になったら行ってみるといいよ。

いま読まれている記事

  • この記事を書いた人

雑学カンパニー編集部

雑学カンパニーは「日常に楽しみを」をテーマに、様々なジャンルの雑学情報を発信しています。