若い頃と比べると、ずいぶんせっかちになったような気がする。スーパーで買い物するときも、レジ係の要領の悪さにイライラするし、エレベーター扉の閉まるスピードが遅くて、閉ボタンを何回も押してしまう。挙句の果てには、前にいる人の歩く速度に合わせるのが無理で、追い抜いてしまう。
こうした傾向は年のせいなのかと思いながら、周りを見てみると、なんと急いでいる人の多いことか。
日本人は比較的せっかちな人が多いのかなと思うが、本当にそうなのだろうか?
面白いことに、世界のどこの街にせっかちな人が多いのかを調べた人がいる。各々の街の生活のペースを示すことができる「歩く速度」、つまり世界一歩くのが速い国はどこかを調査したというのだ。
とても興味深い。さっそく雑学として紹介していくので、ぜひ見ていってほしい!
【世界雑学】世界一歩くのが速い国は?
【雑学解説】歩くのが一番速いのはシンガポール人!
イギリス、ハートフォードシャー大学の心理学者であるリチャード・ワイズマン教授が、公的な国際文化交流機関ブリティッシュ・カウンシルと協力して調査したという。
なぜこのような調査をしたかと調べてみると、「歩く速度」つまり、その街における生活のペースを調べることは、その街の健康度合いを知るうえで、重要な指標になるのだという。
その測定方法とは、各々の街において比較的歩行者が多く、なおかつ平坦な広い道を選ぶ。そして、各々の街の成人住民35人に約18メートルを歩いてもらい、データを集め、平均所要時間を出したのだ。
その結果、世界の街の中で、歩くのが一番速いのはシンガポール人ということになった。
正直この結果には驚いたので、シンガポール人についていろいろ調べてみると、その理由を裏付けるような場面が、シンガポールの日常で見受けられるようだ。
たとえば、シンガポールの女性は朝シャワーを浴びて、髪の毛が乾ききってないまま電車に乗り込む。会社に着く頃には自然乾燥できているという計算もあるだろうが、ドライヤーで髪を乾かす時間も待てないのかもしれない。
バスターミナルなどでバスを待つときも、かなり距離を詰めて並んでいるそうだ。これも、「早く乗りたい!」という意識が行動に出てる証拠だといえる。
シンガポール人は、時間を損したくないという気持ちがあるように思うが、かなりせっかちな人が多いということだ。
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【追加雑学①】歩く速度の世界ランキング
日本のランキングも気になるところである。以下に2位以降を紹介していこう。
- 2位:デンマーク/コペンハーゲン
- 3位:スペイン/マドリード
- 4位:中国/広東省広州
- 5位:アイルランド/ダブリン
- 6位:ブラジル/クリチバ
- 7位:ドイツ/ベルリン
- 8位:ニューヨーク/アメリカ
- 9位:オランダ/ユトレヒト
- 10位:オーストリア/ウィーン
あれ? 日本がなかなか出てこない。意外にも、日本(東京)は19位!
比較的ゆったりとした国民イメージがあるヨーロッパが、ランクインしているのにも驚いたし、ウォール街を颯爽(さっそう)と歩く人が多いイメージのあるニューヨークが、8位なのもびっくりだ。
ちなみに、最下位の都市、つまり世界で一番歩く速度が遅いのは、マラウイのブランタイアと、バーレーンのマナマである。
【追加雑学②】10年前と比べると、歩く速度はどうなってる?
研究によると10年前と比べて、全世界で人々の歩く速度は10%ほど速くなっているようだ。この理由について、リチャード・ワイズマン教授は、「テクノロジーの進歩がもたらしたのだと思う」と指摘している。
たしかにその通りだ。たとえば、パソコンやスマホの場合で考えてみると、オンタイムで世界中の誰とでも連絡を取り合えるほど便利になったが、相手の返信が10分以内にこないと、イライラしたり心配になったりする。
テクノロジーが進歩すると、人類が時間に追われてせっかちになる、つまり「歩く速度」も速くなるという傾向があるようだ。
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雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。世界一歩くのが速いのはシンガポール人であることが分かったと同時に、人類の歩くスピードが少しずつ速くなっていることも把握することができた。
自分がせっかちになっていることを年のせいにしていたが、それは違っていた。
時間を無駄にしないという点はよいことかもしれないが、たまには立ち止まって、ゆったりとした時間を過ごしたいものである。
この機会に、通りを歩く人の後ろにいてイライラしていないか、列に並んでいるときに前に詰めていないか、などを自問自答してはいかがだろうか。