京都の東山区には、不思議なお店がある。その名も「みなとや幽霊子育飴(ゆうれいこそだてあめ)」。とても奇妙な響きの看板に、思わず目を奪われる。どうしてこんな少し怖い名前の看板を掲げているのか?
実はこのお店には、少し不思議な話が伝わっている。信じがたい話というものはあるものだが、いったいどのような話だろうか? 今回は、知ると思わず行ってみたくなる、京都のある飴屋さんにまつわる雑学を紹介しよう。
【食べ物雑学】京都には幽霊が買っていたと言われる飴がある
【雑学解説】死してなお子供を守った母の愛
「みなとや幽霊子育飴」というお店に伝わっている話は、以下の通りだ。
江戸時代に入りかける時代、お店には毎晩1人の女性が飴を買いにやってきた。ある日、店主がお金を入れている箱を見てみると、箱の中になぜかシキミという仏花の葉っぱが入っていたのだ。
このことをきっかけに、夜な夜な飴を買いに来る女性を不思議に思った店主は、ある夜思い切って女性のあとを付けてみた!
すると女性は、墓場にたどり着くとすっと姿を消すではないか! さらに女性が消えたお墓からは、赤ちゃんの泣き声が…!
翌日、店主がお寺の人にワケを話し、そのお墓を掘り起こしてみると…中からお店で売られている飴をなめる赤ちゃんが見つかった。
現在は普通の飴が販売されているが、当時は水飴が販売されていた。そのため、赤ちゃんでも食べることができたのだ。
この話に出てきた女性は、きっともうすぐ赤ちゃんが産まれるという時に亡くなってしまったのだろう。しかし、赤ちゃんはおなかの中で生きており、墓の中で生まれてしまった。女性は母として、赤ちゃんを守るために飴を買い続けていたのだ。
今では水飴から普通の固い飴になったものの、製法や味は昔から変わらない。どことなく懐かしい味わいのする子育飴、京都を訪れた際に1つお土産にどうだろうか?
【追加雑学①】その後子供はどうなったのか?
さて、墓の中で見つかった赤ちゃん、その後どうなったのだろうか? 実は、その後の話もちゃんとあるので、追加雑学として紹介しよう。
見つかった赤ちゃんは、8歳になるころまでお店で育てられた。その後、立本寺(りゅうほんじ)というお寺に引き取られ、立派なお坊さんになったそうだ。
幽霊になっても母親の愛を受け、無事に墓から出されてからも、きっといろんな人たちに愛されて育ったのだろう。とても心温まる話だ。
スポンサーリンク
【追加雑学②】みなとや幽霊子育飴の場所はどこ?
最後に、幽霊が飴を買いに来たという話の残る、「みなとや幽霊子育飴」のお店についての情報を確認しよう。
住所 | 京都市東山区松原通大和大路東入2丁目轆轤町80-1 |
電話番号 | 075-561-0321 |
営業時間 | 10時~16時 |
定休日 | なし |
アクセス | 市バス「五条坂」下車 徒歩約9分 京阪電車「清水五条」駅下車 徒歩約10分 |
京都を訪れた際に、近くを通りかかったらぜひ訪れてみよう。こちらの動画で外観を見ることが出来る。
雑学まとめ
京都には、「幽霊が飴を買いに来ていた」という不思議な話が残っているお店がある。なぜ幽霊が飴を買いに来ていたのか…それは、死してなお子供の命を守るためのことだった。
母親の愛情深さを感じさせる話だ。子育飴はシンプルな味わいながらも、どことなく懐かしさを覚える飴だ。
今回紹介した雑学を知っていると、また違った味わいになるかもしれない。
おすすめ記事
-
日本三大幽霊の怪談、知ってる?お岩さん/お菊さん/お露さん。
続きを見る
-
その名は天冠!幽霊の額の三角巾には名前と意味があった
続きを見る