トウガン。それは、まるでキュウリを巨大化させたようなウリ科の野菜だ。トウガンを漢字で書くと「冬瓜」となる。
「冬」という漢字が入っているから、冬野菜だと思い込んでいる人もいるかもしれない。しかし、トウガンはれっきとした夏野菜なのだ! 今回はトウガンの雑学を紹介していくぞ。
【食べ物雑学】トウガンは実は夏野菜
【雑学解説】トウガンは7~9月に収穫される
まずは、トウガンがどんな野菜なのかを見ていこう。トウガンは、インド・東南アジア原産のウリ科の野菜である。トウガンの主な種類は以下の通りだ。
- オオマルトウガン・・・球状で完熟すると表面に白粉がつく。
- ナガトウガン・・・長楕円形の細長いトウガン。
- オキナワトウガン・・・長楕円形の実で、熟しても表面に白粉はつかない。
トウガンは小さいもので2~3kg、大きいものでは10kgをこえることもある。食べごたえがありそうだ!
こちらは、トウガンの下処理の方法を解説した動画である。
このように、トウガンにはワタがたっぷりと詰まっている。下処理が大変そうなイメージがあったが、慣れればそれほど難しくはなさそうだ。
そんなトウガンは、7~9月頃に収穫のピークをむかえる。全体の95%以上が水分でできており、体を冷やしたりむくみをとったりする効果がある。れっきとした夏野菜なのだ。
それなのに、なぜ「冬」という漢字を使っているのだろうか。その秘密は、トウガンの貯蔵性の高さにある! 実は、トウガンは常温で2~3ヶ月も保存可能なのだ。
夏の終わりに収穫したトウガンであれば、品質を落とさずに年明け前後まで保存することができる。このことから、トウガンは「冬瓜」という名前になったと考えられている。
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【追加雑学①】トウガンは夏野菜なのに秋の季語!?
ここで驚きの事実をもうひとつ紹介する。実は、トウガンは秋の季語に分類されているのだ。夏野菜なのに夏の季語ではなく、「冬」という漢字が入っているのに冬の季語でもない。一体どういうことなのだろうか…。
その答えは旧暦にあった! 旧暦と新暦にはズレがあるのだ。旧暦では1~3月を春・4~6月を夏・7~9月を秋・10~12月を冬と考える。
トウガンが収穫される7~9月頃は、旧暦では秋となる。このことからトウガンは秋の季語となった。現在人の感覚からすると少しややこしい…!
【追加雑学②】トウガンは超ヘルシー食材だった!
さきほども少し触れたが、トウガンの95%以上は水分でできている。トウガン100gあたりのカロリーは16kcalだ! お腹いっぱい食べても太る心配はほとんどない。
「ほぼ水分だけなら栄養もないんでしょ」と思うかもしれないが、そんなことはない。トウガンにはビタミン・ミネラルがバランスよく含まれている。代表的な栄養素を見ていこう。
カリウム
トウガン100gあたりには、200mgのカリウムが含まれている。カリウムには体内の余分なナトリウムを排出する作用がある。高血圧の予防におすすめだ。
カリウムには利尿作用があり、むくみの予防・改善にも効果的だ。むくみに悩んでいる人はぜひ積極的に食べてみてほしい。
ビタミンC
トウガン100gあたりには、39mgのビタミンCが含まれている。ビタミンCは美肌に欠かせない栄養素のひとつだ! シミの原因となるメラニンの生成をおさえる働きもある。
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サポニン
トウガンには、サポニンという注目成分も含まれている。 サポニンには糖の吸収と脂肪の蓄積をおさえる働きがある。ダイエッターの強い味方となってくれそうだ。
雑学まとめ
今回はトウガンの雑学を紹介してきた。トウガンは夏野菜だが、冬まで保存できることから「冬瓜」という名前がついたと考えられている。
しかも、収穫のピークは旧暦で秋であるため、秋の季語に分類されている。なんだかややこしいが、今度トウガンを食べるときは少しだけ思い出してほしい。