電車に乗ったら、ほぼ必ず見かける中吊り広告。週刊誌の広告や旅行プランの広告など、内容は様々であるが、なんにせよ暇つぶしで眺めるのにはちょうど良い。
ふとした疑問だが、広告を出すのにいくらくらいかかるのだろう。通勤や通学で電車を利用する人は多いので、なかなかの宣伝効果があるとは推測できるが…。
実は、電車の中吊り広告の料金は鉄道会社によって違うようだ。今回の雑学ではこれについて詳しく調べてみたので結果をお伝えするぞ。
【生活雑学】電車の中吊り広告の料金は鉄道会社で違う
【雑学解説】中吊り広告は山手線が一番高い
JR東日本やJR西日本など鉄道会社もいろいろあるが、広告料金は鉄道会社によって異なる。また、同じ会社でも路線によって値段が異なる。
なぜ一律の料金にしないかというと、路線によって乗客数の違いがあるからだ。乗客数が多い路線であれば、それだけ人の目に触れる機会が多い。乗客数の少ない路線と同一の広告料金では、割りに合わない。
では、どういう料金体系なのだろうか? 公益社団法人「日本鉄道広告協会」の料金表を参考にすると、「首都圏全線セット」や「3線群セット」などセット商品が発売されている。
まるでマクドナルドのバリューセットのようだ。3線群とは、中央線・山手線・京浜東北線群の3つ。首都圏全線は、この3つをまとめたものに加え、湘南新宿ラインと上野東京ラインも含まれている。
肝心の料金だが、首都圏全線セットで7日間広告を出すと仮定すると、B3のシングルサイズで8,000,000円。B3が2枚分のワイドサイズは16,000,000円だ。
さすがの高額…! とても個人で手が出る金額ではない。
JR東日本以外の会社だと下の表のようになり、鉄道会社によって大きく差が開くことがわかる。
路線 | シングルサイズの値段 | ワイドサイズの値段 |
東京メトロ全線 | シングルサイズ 6,000,000円 | ワイドサイズ 1,800,000円 |
小田急線 | シングルサイズ 900,000円 | ワイドサイズ 1,800,000円 |
山手線群 | シングルタイプ 4,300,000円 | ワイドタイプ 8,600,000円 |
京浜東北線群 | シングルタイプ 1,900,000円 | ワイドタイプ 3,800,000円 |
中央線群 | シングルタイプ 2,650,000円 | ワイドタイプ 5,300,000円 |
また、路線群ごとにみると、山手線群がもっとも高額となっている。
山手線は新宿駅や東京駅など、利用者数が全国でもトップクラスの駅を多く抱えているため、やはり値段が高いのだ。
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【追加雑学】中吊り広告はこれから消える?
2015年、山手線に中吊り広告がない新型通勤電車「E235系」が登場したことが記憶に新しいが、これから中吊り広告は消えてしまうかもしれない。
というのも、近年はデジタルサイネージによる広告が増えているからだ。
電車のドアの上部にデジタル画面が備え付けられ、テレビのコマーシャルのように映像が流れている。あれがデジタルサイネージだ。首都圏では最近、モニターの付いた車両が増えてきた。
デジタルサイネージの利点は、中吊り広告のようにスペースを取ることがなく、ひとつの端末で多くの会社のCMを流すことができる点だろう。
正確な価格は分からないが、紙媒体と比べてかなり料金も安いようで、中吊り広告からデジタルサイネージに転換する会社も増えている。
ということは、このまま中吊り広告は消えてしまうのだろうか? いや、一概にそうとはいい切れない部分もある。
中吊り広告の情緒を懐かしむ声も多いし、映像だと見逃す場合も多いため、一定の需要はあると思う。
雑学まとめ
電車の中吊り広告の雑学をご紹介してきたが、いかがだっただろうか。電車の中吊り広告の料金は、鉄道会社や路線によって異なるのだ。そのなかでも、山手線は利用者が一番多いので、広告料ももっとも高い。
山手線に広告を出している企業は、利益をあげている会社だったり、大企業であったりすることが多いということだろう。広告費にこれだけかけるのはもったいないと考えるかもしれないが、意外と宣伝活動が業績につながっているケースも少なくない。
皆さんも、通勤電車で見かけた中吊り広告から情報を仕入れている場合も多いだろうし、広告には多額の費用をかけるだけの価値があるのだ。
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