「SOS! SOS! ほらほら呼んでいるわ~」ピンク・レディーより「S・O・S」のワンフレーズだ。(え? ネタが古い?)それはさておき、皆さんはSOSがどんなものかご存知だろうか。言葉は知っていても、具体的には説明できないという人もいるだろう。
SOSは船舶が遭難したり、何らの原因で航行不能になった際に用いられる救難信号のことだ。現代では船舶に限らず、単純に助けを呼ぶという意味でも使われる。
筆者は釣りが趣味なので、小型船舶の免許を持っているが幸いなことにSOSを使ったことはない。周りの船乗りたちも実際にそんな状況に陥ったり、目撃したりしたことはないという。だがここで、世界で最初にSOSを使ったのは世界的にも有名な船という噂を聞いた。
それはなんとあの有名なタイタニック号だというのだ。タイタニックといえばレオナルド・ディカプリオ主演で映画にもなったし、知っている人も多いことだろう。筆者もいまだに涙なしでは見られない映画だ。あの事故でSOSが使われ、それが世界初だったということだろうか。
その真相を調べてみたので、雑学としてご紹介しよう!
【世界雑学】世界で初めて「SOS」を使ったのはタイタニック号?
【雑学解説】世界で始めて「SOS」を使った船はタイタニック号とは別の船
結論から先に述べるとタイタニック号が「SOS」を発信したのはたしかだが、それは世界初ではないという。タイタニック号の事故を知らない人がいたら困るので、念のためにおさらいしておこう。
最初にタイタニック号とは1912年に処女航海を迎えた豪華客船のことである。だが、同航海中に氷山に接触し、沈没したと同時に多くの犠牲者をともなった悲しい運命をたどった船だ。
調べてみると、このときの事故でタイタニック号が発信したSOSが世界初という情報がちらほら見受けられる。しかし、実際にはタイタニック号の事故より3年ほど前に2つの海難事故があり、そのどちらかではないかという説が有力とのことだ。
1つは1909年6月にアゾレナ諸島沖で難破したスロバキア号の事故。2つ目は1909年8月にプロペラを破損したことで救助を求めたアラパホ号の事故である。この2つで使われた救難信号のどちらが世界初のSOSだったかを今現在も論争中らしい。
ちなみになぜ論争があるかというと、この2つの事故が起きる前年までは「CQD」と呼ばれる別の救難信号を使うのが主流であり、SOSという概念は誕生したばかりだったのだ。そのため、当時の報道機関もCQDを使った・SOSを使ったと情報が錯綜しており、裏付ける物証もないので論争を呼んでいる。(筆者的には別にどっちでも良いじゃないか…と思うのだが)
どちらにせよ、タイタニック号が世界で初めてSOSを使ったという説は間違いのようなので、雑学を披露する際は気をつけてほしい。
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【追加雑学】SOSはどんな言葉の略?
ところで、SOSがなんの略か知っている人はいるだろうか。筆者も小型船舶の免許を持っているわりに知らなかったので調べてみた。まずは巷で有力とされている言葉を紹介しよう。
「Save Our Souls」直訳すると「私たちの命を救って!」という感じだろうか。外国人はとりあえず神に祈るイメージがあるので「神よ、我らを救いたまえ」みたいなノリと思うとそれっぽい気がする。
「Save Our Ship」次に有力なのがこの言葉。「Ship」は船という意味なので、命を言い換えて「私たちの船を救って!」といった感じ。SOSは元は船舶の救難信号と考えたらこちらの方が自然といえば自然のような…。
が! なんとこれはどちらも不正解なのだ。肝心の正解だが、正解は存在しない。もう1度、言う。正解は存在しない。
なにいってんだコイツと思ったあなたは少し待ってほしい。正確にはSOSは何かの言葉を略したものではないということだ。調べてみると、SOSはモールス信号(映画やドラマでよくあるツー・ツーと音とリズムで知らせる信号)をわかりやすく文字にしただけで特別な意味はないとのことだ。
ちょっとがっかり? な答えになってしまったが、ふとした疑問が解決したので筆者としてはスッキリした。
雑学まとめ
今回はSOSとそれにまつわる説の真相についての雑学をご紹介してきた。勉強にはなったが、できればこの先もSOSを使うような状況にならないことを祈るばかりである。
それと映画の「タイタニック」は本当にマジで絶対に号泣できるので見たことがない人は今すぐDVDをレンタルしてほしい。しばらく主題歌が脳内をリピートすることも間違いないので、セリーヌ・ディオンのCDも一緒に借りることを忘れずに。
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