フルーツポンチといえば、給食に登場することもあって、老若男女なじみの深いデザートのひとつである。瑞々しいフルーツと甘いシロップの組み合わせは、サッパリしていてとてもおいしい。
今回はそんなフルーツポンチの発祥に関する雑学だ。
あなたはこのデザートがどの国で生まれたかを知っているだろうか? また子どもの食べ物だと思っていた人は、少し意外な一面も垣間見るはずだ。
【食べ物雑学】フルーツポンチは千疋屋が考案したスイーツ
【雑学解説】フルーツポンチは日本生まれのデザート
フルーツポンチというネーミングから、これを海外発祥のデザートだと考える人もいるだろう。しかしこれは半分正解で、半分は正しくない。
どういうことかというと、フルーツポンチの「ポンチ」は17世紀以前のイギリスで生まれたお酒だが、これに細かく切ったフルーツを入れて、「フルーツポンチ」にしたのは日本人なのである。
ヨーロッパで飲まれていたポンチは、正確には「パンチ」といい、アルコールと果汁などを混ぜた、いわゆるカクテルの一種だ。「ポンチ」となったのは、日本人風になまらせた結果というところか。
これにフルーツそのものを入れてしまおうと考えたのが、フルーツを使ったスイーツでおなじみの「銀座千疋屋」二代目社長の斎藤義政さんだったのだ。フルーツポンチは、洋風ながられっきとした日本生まれのデザートなのである!
フルーツポンチは千疋屋の救世主
日本で初めて果物屋と喫茶店を合体させた「フルーツパーラー」という店舗を展開し、成功を収めた千疋屋だったが、1923年、大正12年のこと、ある問題に直面していた。
想像してもらえばわかるが、瑞々しいフルーツというのは夏場にこそ食べたくなるデザートである。秋以降は千疋屋の売り上げがガッツリ下がることに、当時社長だった斎藤さんは頭を悩ませていたのだ。
そこで編み出されたのが、ヨーロッパからやってきたパンチに、季節のフルーツをふんだんに入れたフルーツポンチだった。
お酒の効果で体もポカポカと温まるし、果汁由来の飲み物とあって、フルーツとの相性もバッチリ! こうして千疋屋のフルーツポンチは、大人気の商品として名を馳せていったのである。
給食などで出てくるイメージがあるが、元祖のフルーツポンチはお酒の入った大人のデザートだったのだ。
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【追加雑学】今でも人気の元祖フルーツポンチ!【動画】
元祖フルーツポンチは、赤ワイン入りのシロップに季節のフルーツをカットして入れたシンプルなもの。現在も銀座千疋屋にて「フルーツポンチ」という名称で提供されているぞ!
一方、2017年にはリニューアルされた新しいフルーツポンチも登場。その名は「季節のフルーツポンチ」である。こちらはエルダーフラワーシロップというものに白ワインを混ぜており、マスカットのようにさわやかな香りが特徴だ。
また新店である「パティスリー銀座千疋屋」では、1日10食限定で、超贅沢な「メロンポンチ」も食べられる! 以下がその紹介動画だ。
メロンをそのまま器に使った見た目も、満足感たっぷりだ。フルーツポンチが編み出された当時のように、今でも千疋屋は、日夜開発に勤しんでいるのである。
フルーツポンチの雑学まとめ
大人にも子どもにも人気にフルーツポンチを編み出したのは、意外や意外、日本のフルーツ専門店、銀座千疋屋だった。しかも元祖のフルーツポンチは、冬場の冷えた体も温まる大人のデザートときた。
二代目社長の斎藤さんが「ポンチ」と名前を改めなければ、子どもたちの間で定番の「フルーツポンチって逆から言ってみて!」というギャグも生まれなかった。いろんな意味で、その功績は大きいぞ!