ゴールデンウィークや正月休みなどを利用して里帰りをする人は多いだろう。田舎のおばあちゃんからの第一声は「あれ~、また一段と大きくなったね!」だったりする。
自分が成長して身長が伸びたというのはもちろんあるが「おばあちゃんも一層、腰が曲がったね」と言いたくなる。
このように年を取ると人の身長は小さくなる。なぜだろうか? 検証してみたので、雑学としてご紹介させていただこう! ぜひ最後まで読んでいってもらいたい。
【人体雑学】人の身長はなぜ低くなるのか
【雑学解説】老化により重力に耐えられなくなる
背骨は約30個の骨が積み重なってできているのだが、年を取ると一つひとつの骨のあいだにあり、クッションの役割を果たしている椎間板(ついかんばん)の水分量が減ってスカスカになってしまう。すると重力にも耐えられなくなるので、重力に負けて椎間板は薄くなってしまう。
椎間板だけでなく体全体の水分量も、年を取るにつれて減っていく。人間の体の水分量は子どもで70%、成人で55~60%、老人では50%になるらしい。失礼を承知でいうが、たしかにおじいちゃんやおばあちゃんの素肌はパサパサなので、水分量が少ないというのは実感できる。
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水分量低下による椎間板の縮小だけでなく、背骨自体が曲がってしまうのも身長が小さくなる要因である。骨粗しょう症にかかると骨がスカスカになり、骨折しやすくなってしまう。骨粗しょう症は加齢とともに発症リスクが増大する病気で、日本では一般的に40歳以上で発症する。
骨がスカスカになると、圧迫骨折をしたり、骨が縮んで変形したりしてしまう。背骨の前側がつぶれることで猫背になったり腰が曲がってしまうのだ!
ということは、気軽に田舎のおばあちゃんに「また一段と腰が曲がったね~」などと言っていたが、おばあちゃんは骨折していた可能性もあったのか! これは一大事である。
腰が曲がったおばあちゃんの姿はかわいらしいが、自分がこんなに腰が曲がってしまうとはあまり想像したくないものだ。何とか予防したい。予防のためには特別な行動をとる必要はない。日々の運動と睡眠が大切なのだ!
まずは運動。骨は自分の力だけでなく周りの筋肉にも支えられている。人間も周りの人に支えられているが、これと同じようなものである。日々の運動によって筋肉を鍛えていれば、骨にかかる負担も減ってくる。運動といってもなにもハードな筋トレを行え、というのではない。
散歩やジョギングなど無理のない範囲での運動でよい。それも難しいなら、姿勢をよくするよう心がけるだけでも、効果はあるのだ。
そして、睡眠。日中起きているあいだは重力に絶えず晒されていることになるが、寝て横になれば重力の魔の手から逃れられる。そのため、しっかり睡眠をとるほうがいい。一日のなかで一番身長が高いのは寝起きだといわれているのも、これが理由だ。
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【追加雑学①】日本人が背が小さいのはなぜ?
日本人の身長は、欧米諸国と比べると低いといわれている。その要因として考えられるのは、遺伝・食生活・生活環境などであろう。
いろいろな要素が影響しているので、これが要因だとズバリ断じることはできないが、食生活が大きいのではないかといえるだろう。肉や卵・牛乳などの高タンパクの食事は身長を伸ばすといわれており、日本では戦後大幅に普及した。
ここ数十年で日本人の平均身長は右肩上がりとなっているので、食生活との相関が高いと考えられる。ちなみに日本人の平均身長は、戦後50年程度で約10cm伸びているのだ。(最新の値は、成人男性が171cmで世界30位の水準)
【追加雑学②】牛乳を飲むと身長が伸びるって本当?
牛乳を飲めば身長が伸びるというわけではないが、牛乳に含まれているカルシウムは骨の成長に必要な栄養素である。
重要なのは成長期にしっかり牛乳を飲んでいたかである。給食に出てきた牛乳を残していたという人は、大人になって牛乳を飲んだとしても成長の伸びは期待できない。
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雑学まとめ
人間が年を取ると背が小さくなる要因についての雑学を解説してきた。背骨と背骨のあいだにある椎間板が、老化による水分の減少によって重力に負けてしまうのが主な要因。背骨は30個の骨が連なって出来ているのでそれぞれの椎間板が1mm縮めば、合計で3cmも縮んでしまうことになる。
ちなみに40歳以降は平均して10年で1cm縮むというデータもある。日々の睡眠と運動をしっかり行い、出来る限り身長の減少をとどめたいものだ。