暑い時期、キンキンに冷えたビールを飲むのは最高だ。ビール好きは口をそろえて「キンキンに冷えたビールののど越しがたまらないんだよ」と言う。しかし、この話を海外の人にすると驚かれることも…。
あまり冷やさず、ビールそのものの味と香りを楽しむ。そんな飲み方が主流の国もある。日本でも最近販売され始めた「エールビール」というやつだ。
今回はそんな「エールビール」に関する雑学を紹介する。特徴が分かればビールの楽しみ方が今よりずっと広がるぞ!
【食べ物雑学】最近流行りのビール、「エールビール」ってなんのこと?
【雑学解説】そもそもの楽しみ方が違うビール。歴史はエールの方が古い
ビールに限らず酒類は「酵母菌」が糖を食べて、アルコールと炭酸ガスを生成している。これを「発酵」と呼ぶ。
人の手で培養されない「自然発酵」のビールもあるが、現在ではとても数が少ない。普段私たちが飲んでいるビールは、酵母菌がタンクの上に集まってくる「上面発酵型」か酵母菌がタンクの下に沈んでいく「下面発酵型」である。
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これは使われる酵母の性質によって、発酵する時の温度・発酵する場所などが異なる。酵母菌の特性によって上面発酵したビールを「エール」、下面発酵したものは「ラガー」と呼ぶのである。
ラガービールの特徴
世界的にはラガービールが主流で、日本もほとんどがこのラガービールだ。低温で発酵でき、雑菌が繁殖しにくいので製造管理がしやすいというメリットがある。
大量生産にむいているラガービールの特徴は、なんといってもスッキリとしたのど越し! よく冷やしてゴクゴク飲める。日本人が思い浮かべるビールの典型的な特徴である。
エールビールの特徴
一方のエールビールは、実は製造の歴史はラガービールより古い。
エールビールは発酵温度が高く、ラガーより管理しにくいのが難点だ。しかし、ビールそのものの味わいや香りが豊かに仕上がるという特徴もある。
日本では大手メーカーが作るラガービールしか飲む機会がないため、エールビールは馴染みが薄かった。しかし、海外からの盛んな輸入や国産エールビールの登場などで、その美味しさが国内でも広まっている。
今では大手メーカーからもエールビールが発売され、ビール好きの間でも話題となっている。
【追加雑学①】日本人は1種類しか飲んでない?「ビアスタイル」は世界で100種類以上!
日本の大手メーカーではほとんどが「ラガービール」の「ピルスナースタイル」を生産している。実は、ビールには細かく種類=スタイルがあり、シュバルツスタイル・ボックスタイルなどさまざまだ。
世界には約100種類のビアスタイルがあるといわれている。エールビールでもペールエール・スタウト・ベルジャンホワイトなどなど、いろいろなスタイルがある。
このようにたくさんの種類があるが、日本では温度管理や大量生産がしやすいといった理由から、ラガービールのピルスナースタイルのみが普及して定着した。
その割合、なんと99.9%以上! ほとんどの日本人が、たった1種類のビールしか飲んだことがない状況なのである。
会社によって味に差はあるが、すべてがラガービールのピルスナースタイル。ちょっと意外…。
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【追加雑学②】料理によって使い分け。おすすめエールビールをご紹介!
日本人にまだなじみの薄いエールビールだが、知れば知るほど選ぶ楽しみが増える。代表的なエールビールの特徴と、それに合う料理をご紹介しよう。
「ペールエール」
日本でも入手しやすい代表格の「ペールエール」は、イギリス発祥だ。ホップの苦みや香りの活きたビールで、香りはフルーティー。
酸味の効いた食べ物との相性がいいので、カルパッチョとよく合う。和食なら寿司に合うという。…食べたい。
「スタウト」
真っ黒くて味の濃い「スタウト」は、日本ではギネスビールが有名だろう。味も香りも力強い。
濃い味の煮込み料理などが合う。ビーフシチューなどのほか、豚の角煮や生姜焼きなどをぶつけてみるのも面白い。
「ベルジャンホワイト」
ベルギー発祥の「ベルジャンホワイト」は、パクチーやオレンジピールで香りがつけられたとてもスパイシーかつフルーティーなビールだ。
酸味のあるものや魚貝類の料理と合う! シンプルな刺身やマヨネーズなどのソース料理は特に相性がいい。
日本でもエールビールが飲める!クラフトビール工房の動画が熱い
日本は9割がラガービールなら、エールビールは輸入品以外では飲めないの? と思った方に朗報だ。小規模製造のクラフトビール工房が、エール開発に熱意を注いでいる。
特に有名なのが「ヤッホーブルーイング社」のよなよなエール! その美味しさはエールビールに馴染みの薄かった日本のビールファンも虜にしている。
雑学まとめ
「エールビール」についての雑学を紹介してきた。ビールはのど越し命、と思っていたが、種類によっていろいろな楽しみ方ができると知って驚いた。
ラガービールはキンキンに冷やすのが普通だが、エールビールの飲み頃温度はなんと13度! 飲む直前にちょっとだけ冷やすのがおすすめなのだそう。
会話に集中して飲み忘れても、料理と一緒にゆっくり味わっても、じっくり時間をかけて少しずつ飲むのが合う「エールビール」。手に取る機会があったら、ぜひラガービールと飲み比べてみて欲しい。
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