桜は春、ひまわりは夏。大抵の植物は年に一度、決まった季節がめぐるごとに花を咲かせる。しかし7年に一度、しかもたった二日間しか咲かない花があることをご存知だろうか?
わ~お、ロマンチック! と思った人には残念だが、悲しい現実をお知らせしなければならない…。
この花、とてつもなく醜いうえに、とんでもなく臭いのだ! 今回の雑学では、ギネス認定もされているほどデカくて臭い、変わった植物についてご紹介しよう!
【自然・宇宙雑学】7年に一度、たった二日間しか花を咲かせない植物がある
【雑学解説】通称「死体花」世界最大の花、ショクダイオオコンニャク
このショクダイオオコンニャク、7年かけて少しずつ成長し、受粉のためにわずか1~2日間だけ花を咲かせるという、めったに見られないとってもレアな植物なのだ! 更に、そのデカさと臭さにも強烈な個性を発揮している!
まずはそのデカさ。一番デカいものはなんと直径1.5メートル、高さ3メートルにも及ぶというから驚きだ!
そして、臭さ! その悪臭のすさまじさたるや、「死体花」という別名がつけられているほど。とにかく強烈な腐臭を発するのだが、それにしたってド直球すぎるネーミングだなオイ!
そして、これはニュースに取り上げられたショクダイオオコンニャクの動画である。これが花なのか、でかすぎないか!?
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【追加雑学①】ショクダイオオコンニャクの成長過程
1年目:種から発芽し、葉っぱが1枚現れる。まだ30センチくらいと可愛い。
2年目:1年目よりも大きな芽が出る。50~60センチくらい。
3~6年目:葉っぱの成長期間。当然だが、まだ臭くはないぞ!
7年目:花のもとである花芽が登場し、およそ3週間かけて高さ2~3メートルに成長する。その4~5日後にようやく開花!(そして2日後枯れる!)
以上、まるでセミかよ、といいたくなるような生態である。いや、むしろセミより生き急いでいるのがショクダイオオコンニャクなのだ!
【追加雑学②】ショクダイオオコンニャクはなぜ臭い?
次に、そもそもなぜショクダイオオコンニャクは強烈な悪臭を発するのか?
開花期間が短いということは、すなわち繁殖のチャンスがきわめて限られているということだ。そのため、ショクダイオオコンニャクは強烈な臭いを出すことで、受粉してくれる虫を呼び寄せているというわけ。
まずは腐った果物のような臭いから始まり、それから4時間ほどで強烈な腐肉臭がピークに達し、8時間たつと、ここに更に魚の腐った臭いが加わる…と、まるで香水並みに臭いが変化するのだ。こんな香水ごめんだけどな!
【追加雑学③】ライバルはラフレシア
デカくて醜い花・すさまじい悪臭・花が咲くのは数日間と、ショクダイオオコンニャクと共通項の多い植物がラフレシア!
世界最大の花としてギネス認定されているショクダイオオコンニャクだが、厳密にいうとあれは花ではなく、「花序(かじょ)」という花の集合体。単一の花では最大90センチにもなるラフレシアの方が実は最大なのである。
ちなみに、ラフレシアの臭いは「ぼっとん便所の臭い」だそうだ。死体とトイレだったらトイレの方がマシかな…と一瞬思うが、迷ってはいけない。両方臭いことには変わりないぞ!
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雑学まとめ
「ショクダイオオコンニャク」についての雑学、いかがだっただろうか。7年に一度、しかも二日間しか咲かない花というと、なんだかロマンチックな感じがするが、その実態はロマンチックとは程遠いものだった。
日本では小石川植物園をはじめ、各地で見られるところがあるそうなので、興味がある人は植物園や開花時期を調べてみてはいかがだろう。筆者も興味はあるのだが…やっぱり嗅ぐのは遠慮しておきたい。勇気のある方はぜひお試しあれ!