体の仕組み

用法・用量って大事…!平熱のときに解熱剤を飲むと体温は下がる?【体温中枢】

雑学カンパニー編集部

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平熱の人が解熱剤を飲んでも体温が下がらない理由に関する雑学

熱が出てしんどいとき、みなさんはどうしているだろうか。子どもの頃ならいざ知らず、大人になると、ちょっとした発熱程度では病院に行かないという方も多いだろう。

かくいう私もその一人である。発熱で病院に行くのはインフルエンザの恐れがあるときくらい。その他の場合はドラッグストアなどで購入した解熱剤でしのいでいる。

解熱剤は非常に便利である。理屈はよくわからないが、飲むと熱が下がるのだから細かいことを気にせずに飲んでいる。

さて、この解熱剤、平熱のときに飲んでも体温は変化しないという話を耳にした。

そんなバカな。高熱が下がるのだから、平熱でも下がるのではないのか。解熱剤と平熱の関係について調べてみたので、雑学としてご紹介しよう。

【人体雑学】平熱の人が解熱剤を飲んでも体温が下がらない理由

科学者くん
ダヴィンチさん、どうして平熱のときに解熱剤を飲んでも体温が下がらないんですか?
ダヴィンチさん
解熱剤は『体温を下げろ』と私たちの体に命令している訳ではないからなんだよ。
科学者くん
う~ん…、じゃあ解熱剤ってどうやって高熱を下げているんですか?

【雑学解説】解熱剤は間接的に熱を下げている

解熱剤は間接的に熱を下げているというトリビア

解熱剤は大きくわけて2種類ある。NSAIDs(エヌセイズ)アセトアミノフェンである。それぞれ解熱の仕方が異なるので、分けて紹介する。

NSAIDsの解熱の仕方

NSAIDsは耳なじみがないかもしれないが、これは非ステロイド性抗炎症薬の別名であり、イブプロフェンやアスピリンなどがここに含まれる。

そもそもヒトの平熱は、体内酵素が最も活発に活動できる温度である36~37度に保たれている。これは間脳の視床下部にある体温中枢の働きによるものだ。

科学者くん
人の体温は脳が管理していたんですね~!

体内に細菌やウイルスが入ると、体温中枢は炎症物質であるプロスタグランジンを生産する。このプロスタグランジンが発熱の原因。

NSAIDsには、このプロスタグランジンの生産を抑制する働きがある。発熱の原因を止めることで熱を下げるのだ。

平熱時にはプロスタグランジンは生産されないので、平熱でNSAIDsを飲んでも何も変わらないということになる。

アセトアミノフェンの解熱の仕方

アセトアミノフェンの解熱の仕方はNSAIDsとは少し異なる。アセトアミノフェンは、体温中枢にはたらきかけて皮膚血管を広げさせるのだ。

外気に近い皮膚血管が広がって面積が増えると、外気の影響で血液の熱が奪われて放熱する。それによって体温が下がるのである。

こちらは体温中枢に直接はたらきかけるわけだが、体温中枢には平熱を維持しようとするはたらきもあるため、平熱の人が飲んでも体温は下がらないのだ。

2種類の解熱剤に共通しているのは、体温中枢に直接「熱を下げろ」と命令しているわけではないことである。

熱を発生する成分の生産を止めたり、血管を広げたりすることによって間接的に熱を下げているから、平熱の人が飲んでも熱は下がらないのだ。

ただ、どのような薬にも多かれ少なかれ副作用が存在する。平熱で飲んでも体温が変わらないからといって、むやみに試してみるのはやめた方がいい。

ダヴィンチさん
薬というのは病気の人のために作られているものだから、健康なときには飲むものではないよ。場合によっては大変なことになってしまうからね。
科学者くん
そういえばボク、咳のシロップが好きで風邪じゃないのにこっそり飲んでたらお母さんに怒られてしまいました…。気を付けます…。

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【追加雑学①】インフルエンザのときはNSAIDsの解熱剤を使ってはいけない

インフルエンザのときはNSAIDsの解熱剤を使ってはいけないというトリビア

冬場の高熱でまず疑われるのはインフルエンザだろう。感染力が強いため、人が多くいる場所に行った場合は注意が必要である。

ただの発熱なら解熱剤を飲んで熱を下げても問題ないが、インフルエンザとなると話は変わってくる。間違っても、NSAIDsで熱を下げようとしてはいけない

インフルエンザ発症中に服用するとインフルエンザ脳症を誘発するおそれがあるものがNSAIDsの解熱剤の中に含まれているのだ。

インフルエンザ脳症はインフルエンザの合併症で、重症化すると亡くなることもある病気である。

科学者くん
ええ~?!そんな怖い病気なんですか?!

気楽に飲んだ解熱剤で命を落とすのは悲しすぎる。インフルエンザが疑われる場合には、まず病院へ行くことが大切だといえよう。

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【追加雑学②】頓服(とんぷく)とは「必要なときに飲む」という意味

薬局で薬をもらうとき、薬の効能などの説明を受けるのが一般的であろう。なかでも、薬を飲む時間帯を指示される場合が多い。

これは薬の効き目を引き出すためや、副作用で胃が荒れるのを防ぐなどの意味があるので、守る必要がある。

ちなみに食前は「食事の30~60分前」・食後は「食後30分ほどまで」・食間は「食事と食事の間(食後2時間ほど)」が目安だ。

これらは、食前・食後・食間という字面を見ても、なんとなくタイミングを察することができる。

ダヴィンチさん
そういえば、若いころには『食間』を『食事中』と勘違いして大恥をかいてしまったこともあったかな…。

問題は「頓服(とんぷく)」である。字面を見てもなんのこっちゃわからない。そこで調べてみたところ、頓服(とんぷく)と書かれている場合には「必要なときに飲む」といいとのこと。

出されたのが痛み止めであれば痛いときに、解熱剤であれば熱が高いときに、かゆみどめであればかゆいときに服用すればいいのだそう。

それなら「症状が出たら飲む」と書いてほしい。今まであまり飲むタイミングのわかっていなかった頓服(とんぷく)だが、これからは適切に対処できそうである。

科学者くん
ボク、そもそもあの漢字を『とんぷく』って読むっていうことも知らなかったです。ひとつ賢くなった気分ですね!

雑学まとめ

用法・用量って大事…!平熱のときに解熱剤を飲むと体温は下がる?【体温中枢】についての雑学まとめ

平熱のときに解熱剤を飲んでも体温が下がらないという雑学をご紹介した。それは、熱を下げる仕組みにあることがわかった。

そもそも解熱剤の種類を気にしたこともなく、解熱剤を買う際に値段しか見ていなかった自分を恥じる。

特にNSAIDsは誤って飲むとインフルエンザ脳症を誘発するおそれがあるというのは驚いた。ただの熱だと思ってうっかりNSAIDsを服用してしまったら大変なことになる可能性もあったのだ。

解熱剤で熱を下げると楽になるが、薬には副作用もつきもの。用量・用法を守って正しく使っていきたい。

ダヴィンチさん
科学者くん、先ほど触れた『食前・食間・食後』については下のリンクでしっかり勉強しておこうね。間違った薬の使い方をすると効果がないどころか人体に危険な場合もあるからね。
科学者くん
そうなんですね!ボクの家族や友だちにも伝えたいからぜひ教えてください!

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