弁当には色どりが大切、という言葉がよく聞かれる。茶色一色の地味弁も捨てがたいけれど、たしかに色あざやかな弁当は「食べたい」という気持ちを促進させるようだ。
人間は食事をするとき嗅覚や視覚、味覚をフル稼働させる。視覚は食べものを認識するだけでなく、色でも食欲に影響を与えている。
いったいどんな色が食欲をそそり、逆に食欲をなくす効果があるのだろうか? 今回の雑学では食欲と色の関係性についてご紹介していこう!
【人体雑学】食欲をそそる色と減退させる色がある
【雑学解説】温かみのある色と経験値で食欲がわくようになっている
一般的に食欲をそそる色は暖色系といわれ、赤・オレンジ・黄・ピンクなどがこれにあたる。同じ食材でも温かみのある色の方が食欲をそそり、さらに経験値で補正がかかる。
たとえばトウガラシは赤いので食欲を増す効果があるが、食べたことがある人は経験で「辛い」と知っているだろう。辛い物が好きな人はトウガラシを見ただけで食欲が増すというわけだ。
逆に寒色系とは青・紫・灰・黒などのことである。もちろん経験値の補正で、日本人なら海苔がおいしいことは知っている。だが、海苔を食べた経験のない海外の人は、黒い海苔がとても気持ち悪く「おいしくなさそうなもの」に見えるようだ。
果物は別として、やはり青や紫は食べものにめったにない色だ。特に「青」は、食料としては自然界には存在しない色である。人間は本能的に青色の食べ物は「食べられない」と判断するので、最も食欲をなくす色として知られている。
ちなみに、多くの野菜の色である「緑」は中間色。赤い色の食べ物に添えるなど、ほかの色と対比させることで食欲を増す効果がある。
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【追加雑学①】食器や背景にも注意! ダイエット中は気を付けて
同じ食事でもきちんと気をつかって盛り付けられた料理と、何も考えずてきとうな皿に盛った料理では「おいしそうに見える」効果に大きな差が出てしまう。このとき、食器やテーブルクロスなどに気を配ると、料理はさらにおいしそうに見える。
たとえば豆腐や白身魚などの白っぽい食材なら、濃い色の暖色系の皿に載せたら見栄えがよいだろう。テーブルクロスを暖色系にする、付け合わせのソースをトマトソースにするなどの工夫でおいしそうな見た目になる。
逆にダイエット中の人は要注意だ。青い食器やランチョンマットなどで食欲を押さえることができるので、有効活用してみよう。逆に暖色系の食器や背景だと、つい食べ過ぎて後悔することになるかもしれない。
ダイエット中なら好都合? 食欲がなくなる青い食べ物動画
同じ食べ物でもどうしてこんなにマズそうに見えるんだろう…。ダイエット中の友人が青いご飯のフィギュアを眺めていたが、ここまで「おいしくなさそう」になるのかと衝撃を受ける動画がこちらだ。
悲壮な音楽が涙をさそう。ダイエット中の人はぜひご活用してほしい…?
【追加雑学②】スーパーの肉売り場の照明は「おいしく見える」
スーパーの肉売り場でいつもつい買いすぎてしまう人は要注意。実は肉売り場、おいしそうに見えるよう照明に細工してあることがある。赤系統の光の波長を増幅・強調した光源であることが多いのだ。
今はやりのLEDランプですら暖色系の明かりを演出できるようになっており、食材に合わせてなんと30以上のパターンがあるそうだから驚きだ。家に帰ってきて眺めるとそれほどおいしくなさそう、ということもあるだろう。
某照明器具会社が発明したスーパーの売り場専用ライトの名前は「棚子ちゃん」。…安直だが、棚という棚にこれがセットされていれば、我々はつい肉を買いすぎてしまうというわけだ。
雑学まとめ
今回の雑学では、食欲と色の関係性について紹介してきた。
棚子ちゃんにだまされるのはちょっとしゃくにさわるが、照明の演出も食欲には大事だということがよく分かる。色だけで食欲が左右されてしまうのには驚きだが、おいしそうな食卓を演出したいときはぜひ食器やテーブルウェアにこだわってみよう。
積極的に暖色系を取り入れれば、食が細い子どものお弁当などにも活用できそうだ。
最近油断していたら2キロほど体重が戻らない筆者も、青い食べ物の動画を見てダイエットしたいところだが…たとえ青い食べ物の映像を見ても、食べたいときは食べたい。青色ダイエットも食いしんぼうの前には効果が薄いようである。
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