一年中食べられるが、秋が深まるといよいよ売り場が充実する「りんご」。筆者はりんご産地の東北在住なので、さまざまな品種が出そろう様子は圧巻である。お菓子に使うために酸味の多いもの、香りがいいものなど、個性豊かだ。
りんごは品種改良が盛んな果物で、世界的に見てもたいへんバリエーションに富んだ果物だ。日本のような食べ方だけではなく、料理に使う国もある。
いったいりんごは何種類くらいあるのだろう? 今回の雑学ではこれについて調べてみた!
【食べ物雑学】りんごの種類は世界で1万5千種以上
【雑学解説】もはや食べたことないのが当たり前
りんごは味・大きさ・色・形など、たくさんの品種があり、世界的に見ると約1万5000種以上! 想像以上の数だ。世界どころか日本だけでも約2000種はあるので、定番品種以外は食べたことがないのが当たり前だと思う。
りんごの収穫時期は8月から11月までと幅広い。時期によって「極早生(ごくわせ:収穫期が非常に早い)」・「早生(わせ:収穫期が早い)」・「中生(ちゅうせい:収穫期が普通)」・「晩生(ばんせい:収穫期が遅い)」に分けられている。
りんごには同じ品種でも異なる特徴をもつ派生種がある。たとえば、超有名な品種「ふじ」だけでも、収穫が早い「早生ふじ」・袋をかけて育てる定番の「ふじ」・無袋で日光を当てて育てる「サンふじ」がある。
りんごには、収穫時期や育て方でさまざまな分岐があるということだろう。そう考えると、それだけたくさんの種類があることも理解できる。
日本でりんごの産地として有名な場所といえば青森県。さまざまな種類を取り扱っているに違いない! そう思っていたが、青森県では約40種類ほどしか栽培されていないという。
ということは、約2000種ものりんごは日本のさまざまな場所で育てられているのだろう。名前も知らないりんごがまだ国内に山ほどある…。1度の人生で、全てのりんごに出会うことはそうそうないな…。
世界で考えると約1万5000種以上…何回生き返ったら、制覇出来るのだろう。
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【追加雑学①】皮の色で味や特徴が変わる?
結論からいえば、今の市場に出回っているりんごは「色ではなく、品種で味の特徴が異なる」。つまり、同じ赤いりんごでも酸っぱい品種・甘い品種がそれぞれあるため、皮の色だけで味の判断はできないのだ。
りんごといえば定番は赤い色だが、黄色や緑とさまざまな色がある。赤が定番なのは日本だけで、海外では他の色が主流のこともあるようだ。
今ほど品種に幅がなかったころは、定番の赤いりんごが一番甘み・酸味のバランスがとれているといわれていた。青りんごは輸入りんごに多かったため、小さくて酸味が強い傾向にあった。
品種改良が進み、青りんごで有名な「王林」は、開発当時「りんごの王様」という意味でつけられた名前なのだそう。往来の青リンゴのイメージをくつがえす、とても甘みが強い品種だ。
また、黄色いりんごは香りが強い傾向にある。「金星」は箱を開けた瞬間、甘い香りにうっとりしてしまうほど! 味わいだけでなく歯ごたえや香りでもお気に入りを探せる。
さすが青森県…りんごの新品種改良が本気すぎてビビるレベル
皮の色からは味が想像が出来ないりんごの世界。そんなりんごを生み出す研究が国内でも続けられている。
「地方独立行政法人青森県産業技術センター」。何やら強そうなこの機関は、青森の産業を推進するセンターである。
品種改良には、20~30年もの歳月と研究者の熱意が必要とのこと。この動画、本気が伝わってきてすごい…!
【追加雑学②】世界から見ると日本のりんごは特殊だった
世界には1万5000種ものりんごがある。日本のりんごは、そのほんの一部だ。お国が変われば食べ方も変わる。
実は皮をむいて切り分けてみんなで食べるという日本の文化は、やや特殊な食べ方のようだ。日本は果物の品種改良が盛んで、「より甘くて大きな品種」を追求する傾向にある。しかし、世界では甘くて大きなりんごばかりではない。
欧米のりんごは「皮をゴシゴシして丸かじりする」のが定番。朝ごはんやおやつ代わりに食べられるため、小ぶりなものが多く流通している。切り分けて食べるのは珍しいようだ。
料理用・製菓用の品種が多いようで、日本のようにそのまま食べられる甘さは珍しい。
雑学まとめ
今回の雑学では、りんごの種類が世界で1万5000種以上もあることについてご紹介した。途方もない数で、おどろいた…。
筆者にとってりんごの香りは「冬のにおい」。東北の家庭では木箱に入れたりんごを冬中保存して楽しむことが多い。
ただし、大きくて甘~いりんごを食べられるのはどうやら日本の特権のようだ。スーパーにりんごが出回ったら、皮の色や香りなどで食べ比べてみよう。これだけ種類があれば、きっとあなただけのお気に入り品種が見つかると思う。