スペースシャトルに乗って宇宙へ飛び立つ宇宙飛行士。「大きくなったら宇宙飛行士になりたい!」なんてあこがれるちびっこも多い。
その宇宙飛行士が、地球から飛び立つときに着ているオレンジ色の宇宙服を、テレビで目にしたことがないだろうか。とても鮮やかなオレンジ色のスーツだが、実はあのオレンジ色には、ちゃんとした理由があるようだ。
今回は、宇宙飛行士が着ているオレンジスーツにまつわる雑学を紹介するぞ!
【宇宙雑学】宇宙飛行士の宇宙服がオレンジ色の理由
【雑学解説】宇宙服のオレンジは、航空宇宙産業で共通のインターナショナルオレンジなのだ
スペースシャトル打ち上げのときや、地球に戻ってきたときの映像をテレビで見ると、クルーたちは必ずオレンジ色の宇宙服を着ている。
オレンジ色っていう決まりがあるのだろうか…。ほかの色じゃダメなの? と思うが、あのオレンジ色は、「インターナショナルオレンジ」と呼ばれる特別なオレンジ色を採用しているのだ。
インターナショナルオレンジとは?
航空業界や宇宙産業で採用されている鮮やかな朱色のことをインターナショナルオレンジという。昼間でも飛行機から障害物として認識できる色とされており、空や海の色とはっきり違う色で、赤よりもより景色に紛れにくいといわれている。
宇宙飛行士が打ち上げや帰還の際に着る宇宙服には、スペースシャトルが万一地球に不時着したときに見つけやすい色だという理由から、オレンジ色(インターナショナルオレンジ)が選ばれているのだ。
【追加雑学①】飛行機のブラックボックスもオレンジ色である
飛行機事故の報道で「ブラックスボックス」という言葉を聞いたことがないだろうか。
フライトデータやボイスデータを記録するレコーダーで、事故の原因調査に重要な役割を果たすものなのだが、これも実はオレンジ色をしている。事故後に発見しやすいように…という理由からである。
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【追加雑学②】実は東京タワーもインターナショナルオレンジなのだ
東京タワーは何色? と聞かれたら、ほとんどの人が「赤と白のツートンカラー」と答えるのではないだろうか。
東京タワーの赤は、実は赤ではなくインターナショナルオレンジなのだ。
高さ60m以上の建物は、インターナショナルオレンジと白を帯状に塗り分ける「昼間障害標識(ちゅうかんしょうがいひょうしき)」として設置しなければならないと、航空法で定められているからである。
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東京スカイツリーは?
実は航空法では、「航空障害灯(こうくうしょうがいとう)」を設置すれば、東京タワーのような塗装にしなくてもよいことになっている。東京スカイツリーは日中でも障害灯を点灯しているので、白一色でもよいというわけだ。
【追加雑学③】船外用の白い宇宙服の値段が凄すぎる
宇宙に到達したあと、スペースシャトルの外(宇宙空間)では、クルーは白い宇宙服を着て活動している。宇宙には空気がなく、気圧もほぼゼロ。
また、太陽の光が当たる場所は120度を超え、反対に光が当たらない場所はマイナス150度になる。そして、目に見えない放射線や小さな隕石が飛んでいる…。
白い船外用の宇宙服は、そんな空間で人間が活動するための、まさに小型宇宙船ともいえる服なのだが、1着の制作費用が凄すぎる!
・宇宙服アセンブリ
クルーの頭・胴体・足・腕を包み込む人間の形に作られた容器のようなもの。11層構造で、冷却・保護・気密といった役割があるようだ。
・生命維持システム
酸素を供給して二酸化炭素を排出し、人間が生存するための温度と湿度も一定に保ち、通信もできる。その電源も搭載しているシステム。
船外での活動にはこれらが備わっていなければいけないのだが、その1着あたりのお値段、なんと12億! 絶句…。
宇宙服の紹介動画を発見!
12億円かけて制作される宇宙服の構造を紹介している動画がこれだ!
宇宙空間で生存するには、これだけの装置が必要なのか…。将来もっと高性能で動きやすい宇宙服が開発されるのだろうが、これだけの費用がかかるとなると、製作費集めも大変だな…。
雑学まとめ
今回は、宇宙服にまつわる雑学を紹介した。あのオレンジ色にはちゃんと意味があったのだ。しかも東京タワーも同じオレンジだったとは…。
しかし…白い宇宙服の値段はヤバイ。そんなにするの!? と思ってしまった。ちなみに宇宙空間でランドセルのように背負っている生命維持システムは、重さ120㎏だという…。宇宙への憧れはあるが、まだまだ一般市民には遠い遠い別世界である。
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