普通に暮らしていてはおおよそ行くことのない宇宙を職場にする宇宙飛行士は、いかにも夢のある職業だ。それと同時に、何が起こるかわからない環境下に置かれる以上、危険と隣り合わせの職業でもある。
リスクを冒して宇宙へ飛び出すわけだから、さぞかし給料もたくさん貰っていることだろう。1,000万? 1億? 宇宙飛行士の給料面は、それを目指す人にとっても期待が膨らむ部分だ。実態はいかに!
【宇宙雑学】宇宙飛行士の給料は意外と安い
【雑学解説】新米宇宙飛行士の年収は500万弱
まず日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)に所属する宇宙飛行士の場合、候補者の募集要項によると大卒30歳で月給約30万円、35歳で36万円となっている。賞与が年2回あることを踏まえると年収は500万円弱といったところか。
30歳なら一般のサラリーマンでも割といるレベルの収入ではないか?
ではアメリカのNASAならどうか。いやいや、あのNASAですよ! さすがにそんなに安いなんてことはないでしょ! などと思ってみたが、こちらもさほど変わらず、新人宇宙飛行士の場合の年収は約680万円ほどだとか。
JAXAに比べて増えてはいるが、それにしたって「大金持ち」という感じではない。
2015年に行われたNASAの募集では1万8,000人以上の応募があったというが、そのうち宇宙飛行士になれるのはたったの10人ほど。司法試験などの難関資格も真っ青の限りなくゼロに近い倍率…なのに給料はそうでもないってどうなんだ!?
しかし宇宙飛行士を志す人たちにとって、そんなことは眼中にない。彼らは給料ではなく、宇宙という空間に夢を見ているからだ。
【追加雑学①】JAXAもNASAも収入アップの幅は大きい
前項では給料が安いなどと言ってしまったが、JAXAの職員給与規定には役職によって手当が付くことが明記されている。これを見ているとそれほど上の立場でなくても、月収に10万近い額が上乗せされることがわかるぞ!
またNASAにしてもランクアップ制度が設けられており、宇宙ステーションに滞在するぐらいになると、最低でも年収800万円ほどになってくる。また最高グレードに達した場合は約1,300万円にもなるのだとか。
新米の給料こそそうでもないが、経験次第では年収1,000万も夢ではないわけだ!
…とはいえ宇宙飛行士の試験に合格したとしても、実際に宇宙へ飛び立つまでには何年も訓練をする必要があるというし…やはり単にお金目当てでは、到底務まらない職業なのだろう。
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【追加雑学②】やっぱり厳しい宇宙飛行士になる条件
NASAの試験に1万8,000人もの応募が殺到したということから、宇宙飛行士にはなれないにしても、試験に挑戦するチャンスは万人にあるのでは? という風に思えるが、実は試験を受けるだけでもかなり厳しい条件が設けられている。
以下はJAXAの宇宙飛行士試験の応募条件だ。
- 日本に国籍がある
- 自然科学系の大学を出ている
- 3年以上の社会人経験
- 円滑・柔軟な対応力
- 泳げる
- 円滑に意志疎通ができる英語力
- 身長158~190cm・体重50~85kg
- 日本人としての素養
- 10年以上宇宙飛行士を続けること
- 所属機関の推薦
語学に関しては英語のみとなっているが、試験に合格した後はロシア語も習得する必要があるという。運動能力に関しては「泳げる」ということぐらいだが…それでも試験を受けられる時点でけっこうハイスペックな人材なのでは?
またその方面の大学を卒業していることはもちろん、社会人経験や前職の会社からの推薦まで必要とは…能力も大切だが、それ以上に人間力を問われる仕事ということだろうか。
以下の動画でも、宇宙飛行士には「非認知スキル」という、いわゆる人間力に関する能力が大切だということが説かれている。
雑学まとめ
宇宙飛行士の給料は、新米のうちは月収30~40万ほど。
やはりイメージより安いと感じてしまうが、人間力などが重要視される訓練を何年も受けるというのは、ひょっとすると学校に通っているような感覚なのかもしれない。