みなさんはオーロラという自然現象をご存知だろうか? 実際に目撃したことがある人はほとんどいないだろうが、その現象自体はとても有名である。
夜空を幻想的に染めるオーロラは非常に美しく、ぜひとも一生に一度は見てみたいものだ…。
ではこのオーロラはどのように発生するのだろうか?
まるでファンタジーの世界に迷い込んだかのような感覚になるオーロラの景色だが、実は科学的にちゃんと説明できるのだ。今回の雑学ではオーロラに秘められた魅力に迫る。
【自然雑学】オーロラはどのようにして発生するのか?
【雑学解説】オーロラの発生は太陽風が影響している
実はオーロラが発生する原因は、蛍光灯が光る原理と同じ理由だ。
蛍光灯は放電によってガラス管の中にプラズマを発生させ、それを水銀原子に衝突させることで紫外線を発生させる。
紫外線はそのままでは目に見えないが、紫外線をガラス管の内側に塗って、あるホタル光物質に当てることで、わたし達が普段見ている蛍光灯の色になる。
少し話が難しいという方は、プラズマと原子(または分子)が衝突すると発光するということだけ理解していただければいい。
オーロラが発生する原因もこのプラズマと原子の衝突によるものだ。
地球は定期的に太陽から「太陽風」と呼ばれる風を受けている。太陽風には太陽で発生したプラズマが含まれており、宇宙空間を経て地球にぶつかる。
この時、プラズマが地球の大気中に含まれる酸素原子や窒素分子などに衝突し発光する。これがオーロラの正体だ!
オーロラは高緯度の地域でしか見られない
オーロラが発生するメカニズムは理解できたはずだ。次にオーロラが北極や南極などの高緯度でばかり見られる理由を説明する。
これには、地球の磁場が大きく関係している。地球は大きな磁石に例えられるように磁場を持っており、北極から南極にかけて半円を描くように磁力線が発生している。
オーロラのもととなる太陽風は、前述したとおりプラズマを含んでいる。プラズマは磁力線に沿って動くため、基本的には地球を覆う磁力線に遮られてしまい、簡単に地球の大気中には侵入できないのだ。
しかし、北極や南極の周辺では磁力線が垂直に近い形で降り注いでいる。そのため磁力線に沿って太陽風のプラズマが大気中にまで侵入し、オーロラになるのだ。
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【追加雑学①】オーロラって何色?
オーロラの色というと何色を連想するだろうか? カラフルな色だと思っている方もいるだろうが、実はオーロラの色はほとんど決まっている。オーロラの色は大きく分けて赤・緑・ピンクだ。
オーロラはプラズマが大気中の原子にぶつかり発生する現象だが、その色はプラズマが衝突する原子や分子の種類によって決まる。
オーロラが発光する場所は、大気中の高度80キロメートルから500キロメートルの間だ。
高度の違いにより、酸素原子の量など大気を構成する原子量の比率が大きく違う。そのため、オーロラは発生する高度によって色が変化するのだ。
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【追加雑学②】95%の確率でオーロラが見られる場所がある
オーロラの発生原理はこれまでご紹介してきたとおりだが、オーロラの発生場所や時間などは未だに予測することが難しいとされている。オーロラを見たいと思ってもそう簡単には見ることができないのが現実だ。
しかし、カナダのイエローナイフという場所では、なんと3日間の滞在で、95%の確率でオーロラを見ることができるのだ! しかもオーロラの質もよく、非常にはっきりと見えるらしい。
イエローナイフでのオーロラ鑑賞はツアーなどが充実しているため、比較的気軽に行くことができる。オーロラを見たいという方はイエローナイフがオススメだ。
ここでイエローナイフで撮影されたオーロラの動画を見ていただこう! こんなにも綺麗なオーロラが見れるのならカナダまで行く価値がありそうだ。
日本でもオーロラを見ることができる?
オーロラといえば北極や南極周囲の高緯度の国々でしか見ることができないというのが常識だ。しかし、実は日本でもオーロラが観測されたことがあるのをご存知だろうか?
日本でオーロラが観測された場所は北海道である。北海道では過去2004年と2015年にオーロラが出現し、観測されたそうだ。
日本でオーロラが発生する現象は非常に稀なので、狙って見ることはできないと思うが、全くチャンスがないというわけではなさそうだ…。
雑学まとめ
今回の雑学ではオーロラがどのように発生するかをご紹介した。オーロラが発生する原理は蛍光灯が光る原理と同じであり、大気中でプラズマと酸素原子や窒素分子が衝突することで発光しているのだ。
日本ではオーロラが観測されることはほとんどないため、日本人の多くはオーロラを生で見たことはないだろう。自然界がつくる「光のカーテン」を一度は見てみたいものである…。