スポーツにおいて、審判は試合の行方を左右する絶対的な存在だ。基本的にミスは許されず、誤審をすればバッシングを受けてしまうこともある。ましてや「わかりません」などという判定が認められるわけ…え? 認められる場合もあるの!?
そう、バドミントンの審判は判定に迷ったとき、「見えませんでした」というジャッジをすることが許されているのだ!
【スポーツ雑学】バドミントンの判定には「見えなかった」というものがある
【雑学解説】バドミントンでは、審判に見えないと仕切り直しになる
バドミントンの審判には、試合の流れを管理する主審と、ライン際に立つ線審の2種類がいる。
線審は身振りと声を使ってシャトルが床に落ちたときのイン・アウトの判定をするのだが、このときバドミントンでは、なんと「見えませんでした」という判定もアリなのだ。
しっかり見えなかった場合、線審は両手で目を覆ってそのことをジェスチャー。主審に判定をゆだねることになるが、主審にもわからなかった場合「レット」といって、仕切り直しになる。つまりそのプレーはなかったことになるのだ。
選手たちの集中力に影響しないのか? ちゃんと見ようよ…と思わされるところだが、そもそもバドミントンで「見えなかった」というのは珍しいことではない。
なんといっても、バドミントンのシャトルは、球技のなかでもっとも速く、男子選手のスマッシュなど時速300キロを優に超える。トッププレーヤーともなれば、400キロに至るレベルだ。
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時速300キロ以上といえば、新幹線の「のぞみ」や「はやぶさ」ぐらいの速さ。線審だって普通の人間なのだから、こんなに速くては見逃してしまうことだってある。またスピーディなプレーのなかでは、選手の体が重なって見えない場合などもあるのだ。
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以下の動画では時速493キロのギネス記録をもつ、韓国のタン・ブンホン選手のスマッシュが体感できる。打つ方も打つ方だが、これを返せる選手はどんな動体視力をしているんだ…。
国際大会には10人もの線審が!?
バドミントンも国際大会になると、なんと10人もの線審がライン際に立つことになる。コートの周りを取り囲み、自分に与えられたエリアのイン・アウトに集中するためだ。
やはり大きな大会になると選手のキャリアなどもあって、一試合の勝敗がよりシビアになる。そして何より選手のレベルが高いのだから、それだけ飛び交うシャトルのスピードも速いということだ。
筆者も高校時代はバドミントン部だったのだが、線審は2人だった。高校生の地方大会と国際大会では雲泥の差があるのだな…。
選手がジャッジに苦言を呈する場面を集めた動画もあるぞ。やはりそれほど見間違えが多いのだろうか。
ちなみに線審は基本的には選手の邪魔にならない位置に立っているが、ラインギリギリまで使って攻防を行う白熱した試合では、選手がダイブしてくることもある。イン・アウトだけでなく、飛んでくる選手にもご用心…バドミントンの審判はかなりの集中力を要しそうだ。
雑学まとめ
バドミントンはスマッシュがとんでもない速さになること、選手が重なって見えない場合があることなどから、「見えませんでした」という判定が許されている。これは寛容というよりは、バドミントンがいかにハードなスポーツかを物語るルールではないか。
意外かもしれないが、バドミントンでは基礎練習として、陸上部並みの距離をランニングすることも珍しくない。時速300キロレベルのラリーを連続して行うのは、想像以上に体力が必要なのである。