たまには自宅でイタリアン! オリーブオイルを自宅に常備している人もいるだろうし、バジルやチーズも簡単に手に入るようになった。だが、よりオシャレに演出するならもう一歩踏み込んだ調味料を使ってみたい。
常備してある家庭は少ないと思うが、超おすすめのイタリア調味料が「バルサミコ酢」である。
日本にもれっきとした酢はあるけれど、材料も特徴も全く違う。名前からしてオシャレなバルサミコ酢。この名前、どうして「バルサミコ」というのだろうか?
今回は、このバルサミコ酢の名前についての雑学を紹介していこう!
【食べ物雑学】バルサミコ酢の「バルサミコ」の意味と由来とは?
【雑学解説】バルサミコ酢の名前の由来は香り
バルサミコとはイタリア語でかぐわしい・香り高い・芳香の、といった意味だ。日本でいうなら酢よりもみりんに近いかもしれない。まるでお酒のような、豊潤で素晴らしい香りがする。
バルサミコには香りという意味の他、心地よい・マイルドといったリラックス出来る意味もあり、とにかく「いい香りでいい気分~」という総意になるだろう。
軽くいってしまったが、その製法は複雑で、伝統的な製法で作られた「モデナバルサミコ酢」はイタリア人にさえ幻の食材といわれるほど希少な存在である。昔は薬用や媚薬に使われたくらい貴重品だったそうだ。
本来バルサミコ酢とは、モデナ産のもののことしか指していない。桜・桑・栗・オークなど素材違い、そしてサイズ違いの10種の樽を用意し、モデナ産のブドウ果汁を濃縮加熱した原料を樽から樽へ移動させつつ、最低でも12年、または25年かけて熟成させるのだ。
今では時間と手間を省いた一般消費者むけのバルサミコ酢が出回っているが、我々はそれで十分だろう。100年ものの熟成バルサミコ酢は、なんと1瓶で数十万円もするそうだ。
【追加雑学①】バルサミコとワインビネガーの違いは?
イタリア産の酢といえば、バルサミコの他にワインビネガーがある。バルサミコ酢は製造過程でワインビネガーも加えるのだが、ワインビネガーの段階でもかなり芳醇な香りはする。
原料はどちらもブドウ果汁だが、ワインビネガーは加熱前の果汁に酵母を加え、アルコール発酵させてから酢酸発酵させて酢をつくる。バルサミコよりフレッシュで軽い口当たりが特徴で、重厚さはないがドレッシングなどにむいている。
対するバルサミコ酢は濃縮加熱したブドウ果汁を樽の中で超長期熟成させ、アルコール発酵と酢酸発酵を同時進行で行う。とろりと濃厚な仕上がりで、ドレッシングより肉料理のソースとして使うほうが合っている。
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【追加雑学②】バルサミコ酢を自宅で使うおすすめメニュー
芳醇な香りと重厚な旨みが特徴のバルサミコ酢。実際に家庭で使用するにはどうしたらいいのだろうか。
ワインビネガーは酸味が強いのに対し、バルサミコ酢は酸味だけでなく甘みも強いことが特徴だ。濃度もとろりとしている。
これを活かし、バルサミコ酢を小鍋や小さなフライパンで煮詰めるだけで、濃厚なソースが出来上がる。お好みで塩コショウを加えてもいいし、意外なことにしょう油と相性が抜群だ。
肉や魚にかけるのはもちろん、塩分なしで煮詰めたものならバニラアイスにかけるととても美味しいんだとか! うう、甘党の筆者は今すぐ試したい…!
超素敵な本場イタリアのバルサミコ酢
イタリア在住の日本人女性が、現地でのバルサミコ作りをレポートしてくれている動画を発見した。
本場では、子どもが産まれると同時にバルサミコ酢を仕込むのだそうだ。25年物が仕上がる頃には子どもも立派に成人している。自分の誕生年に製造されたバルサミコ酢なんて、さすがイタリア、粋である。
バルサミコ酢の雑学まとめ
バルサミコ酢についての雑学を紹介してきた。
いい香りすぎてそれが名前の由来になるとは驚いたが、動画を見るとイタリア人のバルサミコ酢にかける情熱が半端ではない。それだけ伝統に守られた素晴らしい調味料なのだろう。
素材の違う樽から樽へ移し替えるたび、異なった酵母菌によってゆっくりと熟成されるバルサミコ酢。日本も発酵食品が豊富なので、なんだか親近感がわいてくる。
味噌や醤油もそうだが、やはり昔ながらの本式で仕込んでいるものはお値段が高い。たまには奮発して、職人の心意気ごと味わいたいものである。
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