みなさんは自分の星座をご存知だろうか? 雑誌や朝のニュースなどでも星座占いを目にすることは多く、それほど星座は私たちの身近に存在するものなのである。
星座占いといえば十二の星座に分類されているのだが、それぞれに神話がある。神の子孫だったり、女神が関係していたり、伝説の怪物だったりと、星座になったものたちにはそれなりの理由が存在する。
そのなかで、他の星座とは異なる成り行きで星座になった生き物が存在する。そう、「かに座」だ。今回の雑学ではカニが星座になった理由を、神話とともにご紹介しよう。
【宇宙雑学】星座の中で一番不憫!カニが星座になった理由!
【雑学解説】十二の星座
星座占いなどでよく耳にする十二の星座は、総称して「黄道十二星座」(こうどうじゅうにせいざ)と呼ばれている。
前述のとおり、星座になった生き物や道具などにはそれぞれ神に関係したりと、その理由が神話となって残されている。この十二の星座のなかで、確実に一番不憫な星座である「かに座」の神話は以下のようなものだ。
かに座にまつわる神話
全知全能の神ゼウスは、ヘラという妻がいながらも浮気三昧で、他にも恋人が多数存在していた。
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そのなかの一人とゼウスのあいだに「ヘラクレス」という名の子どもが生まれた。ヘラクレスはすくすくと成長し、妻と子どもとともに幸せな日々を送っていた。
それが気に入らないのは、ゼウスの妻であるヘラだ。ヘラは、ヘラクレスを錯乱状態にし、自身の妻子を殺めさせることに成功する。我に返ったヘラクレスは自分の行いを悔い、罪滅ぼしのために与えられた十二の試練を乗り越えようと決意する。
その十二の試練の中の一つが、九つの首と不死身の生命力をもつという伝説の大蛇、「ヒュドラー」を退治することだった。ヘラクレスとヒュドラーの戦いは壮絶だった。それを見ていたのは、ヒュドラーの友達であるカニの「カルキノス」。
大切な友達を助けようと、カルキノスは自分のハサミでヘラクレスの足を切ろうと近づいていく。しかし圧倒的に体の大きさが違うため、ヒュドラーと白熱した戦いを繰り広げていたヘラクレスに気付かれぬまま踏み潰され、死んでしまうのである。
やがてヒュドラーも退治され、十二の試練を与える原因を作ったヘラはヒュドラーとカルキノスを哀れに思い、ふたりを天に上げ星座にしたのだ。そしてヒュドラーは「うみへび座」に、カルキノスは「かに座」になった。
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カルキノスの逸話
カルキノスが、実はヘラの使者だったという逸話もあるようだ。ヒュドラーと戦っているヘラクレスにさらなる嫌がらせを追加しようとしたが失敗して、ヘラが、あまりにも不憫なカルキノスのため天に上げ星座にしたという。
このなんともいえない神話は一体何だろうか…。
雑学まとめ
カルキノスは、壮絶な神様夫婦喧嘩のとばっちりを受けた被害者だということが判明した。本当にかわいそう…。逸話は置いておくとして、捨て身で友達を守ろうとしたカルキノスはとてもいいやつだ!
それによって、かに座の人の性格は「他人のことを自分のことのように考えられる優しい人」と表現されることも多い。優しいカルキノスには、天でヒュドラーと仲良くやっていってほしいものだ。
しかし夫婦喧嘩も神様レベルになると、巻き込まれる被害者の続出加減が半端ではない。そもそもの原因は完全にゼウスだが…。
全知全能であり、天空を統べる最高神ゼウス。実はこの人相当やばいお方である。ゼウスの行動で被害にあった神も人間も怪物も数知れず。ゼウス被害者の会の会長は、不憫なカルキノスに任せようと思う。
みなさんも自分の星座にまつわる雑学や神話を調べてみるのもおもしろいかもしれない。またどこかでゼウスが関わってくるかも…?
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