人間の生活必需品である時計。学生のころは授業中、その針がもっと早く進めばいいのにと思っていたが、年齢を重ねるにつれて逆にもっとゆっくり進んでくれと願うばかりだ。歳をとると体感時間が早くなるというのは本当なのだと実感する日々である。
さて、そんな時計だがどうして右回りに針は進むのだろうか。「時計回り」・「反時計回り」という言葉があるくらいにその仕様は定着してしまっている。よく考えてみればべつに左回りでも、なんら不便はないだろう(右回りに慣れた現代では違和感があるかもしれないが)。
なんとなく気になったので調べてみると、どうやらその由来は古代までさかのぼることがわかった。今回の雑学ではその詳細をまとめたので、ぜひ最後まで読んでほしい。
【生活雑学】時計が右回りの理由は?
【雑学解説】時計が右回りの理由はエジプトの日時計が右回りだったため
結論から先に述べると、時計が右回りになった理由はエジプトの日時計が右回りだったためであることがわかった。日時計ってなに? と疑問を浮かべた人も多いだろう。まずは日時計について説明しようと思う。
日時計とはその名のとおり、太陽の光を利用した時計だ。紀元前何千年という途方もない昔にエジプトで考えられた、人類初の時計といわれている。
その仕組みは実に簡単だ。地面に棒を突き刺し、太陽光でできた棒の影の方向によって時間を確認する。その影の方向が右回りだったというわけだ。
太陽が東から西へ沈むことは皆さんご存知かと思うが、日本やエジプトなどの北半球(赤道より北の地域)では太陽は南側に角度がついてる。そのため、棒の影が右回りに動くようになっているのだ。ただし、南半球では太陽が北側に角度がついているので、棒の影は左回りになってしまう。
では、南半球では左回りの時計があってもおかしくないのでは? と思うかもしれないが、日時計を含め時計の仕組みは北半球地域で発達したため、現代においても右回りが主流となっているそうだ。
ちなみにNHK for SchoolというNHKの学習向けコンテンツで日時計の作り方が公開されているので、日時計に興味がある人はぜひ作ってみてほしい。
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【追加雑学①】アナログ時計がつくられた地域は?
ぜんまい式や振り子式などのいわゆるアナログ時計は主にヨーロッパの国々によって開発された。現代でも時計ブランドといえばヨーロッパの企業が多い。
【追加雑学②】日本の最古の時計は水時計
さて、海外の時計の歴史ばかりでは日本人としては物足りないので、日本の時計の歴史についても調べてみた。その結果、日本の最古の時計は「水時計」と呼ばれる装置らしい。
日本で最初に水時計を作ったのは歴史の教科書にも登場する「中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)」こと「天智天皇」だったといわれている。その仕組みは空の容器に水を徐々にたらしていき、溜まった量によって時間を計測するというもの。
古来の日本ではこういう水時計や、日時計のように太陽の位置などによって時間を知っていたのである。
ちなみに日本に最初に機械時計を持ってきたのは印象的な肖像画でおなじみのキリスト教の宣教師フランシスコ・ザビエルだそうだ。徳川家康もスペインから機械時計を贈呈されており、当時の現物が久能山東照宮に保存されているので、気になった人は足を運んでみてほしい。
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雑学まとめ
今回は時計がなぜ右回りかという雑学を紹介した。古代のエジプトの日時計が由来だったとは想像もできなかった。その仕組みも単純とはいえ、昔の人々の知恵はすごいものだ。
ところで先日、筆者の自宅に5歳になる親戚の子供が遊びにきたのだが、試しにアナログ時計の針を指差して今何時? とたずねてみた。すると、驚くべきことにそもそもそれが時計だということを知らなかったのである。
そ、そうか…最近はデジタル時計が多いし、スマホもあるので家に時計がないのだ。ジェネレーションギャップを感じた瞬間である。
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