ある日、英会話教室のネイティブ講師に「好きなスイーツは何?」と聞かれた私は、前日に食べたシュークリームを思い出していた。
「シュークリームって、英語でもそのままシュークリーム?」
ふとそんな疑問を感じたが、「シュークリーム」と答えた。すると「シュークリーム?本当に?」と、一瞬で怪訝そうな顔をする講師。
ここで「あ、何か間違えたな。」と気づいた私は、「食べたのはこれだよ。」と大人しくシュークリームの画像をみせることに。
「あ〜cream puffのことね!」
えっクリームパフ? 何、それ? そして、ネイティブを怪訝な顔にさせた「シュークリーム」の英語の意味とは?
【面白い雑学】シュークリームを英語で言うと意味が変わる!
【雑学解説】シュークリームの英語の意味は…
彼女いわく、「シュークリーム」と発音すると、英語圏の人には「shoe cream」と聞こえてしまうとのこと。その意味は「靴用クリーム」。
つまり、私はニコニコと「昨日食べた靴磨きクリーム、最高だったよ〜」と言っていたということになる。さらっと怖いし、クレイジーな日本人だと噂されてしまいそう…。
英語で「シュークリーム」を意味する単語は、「クリームパフ(cream puff)」。パフ(Puff)には様々な意味があるけれど、ここでの意味は「パイ生地」があてはまる。
また、シュークリームというのは和製外来語の一つだ。なので、そのままシュークリームと発音しても、あの甘くて美味しいスイーツとしては伝わらないので注意しよう。
「シュークリームが好きなんだ」と言いたい場合にはこんな感じで。
- ◯ I love cream puffs.(シュークリーム大好き!)
- ✗ I love shoe cream.(靴磨きクリーム大好き!)
cream puffにはスラング表現も
cream puffの主な意味は、もちろんシュークリームだが、実はスラングとして違う意味合いも持ち合わせている。たとえば、次の英文。
He is a cream puff.(彼は甘い考えをしている。)
この意味としては、彼は女々しい奴だ、意気地なしだという感じだろうか。どこまでこれらのスラングが使われているのかは定かではないが、知っておいても損はないだろう
ただし、軽蔑的な意味合いが含まれることもあるので、使用には気をつけたい。
【追加雑学①】「シュークリーム」の語源はフランス語
シュークリームという和製外来語は、一体どこからきているのか? 実のところ、その語源はフランス語にあった。
シュークリームは、フランス語の「シュー・ア・ラ・クレーム」の「ア」「ラ」を省略して、「クラーム」を英語の「クリーム」に変え、作られた造語なのだった。
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フランス語の「シュー」にはキャベツという意味があり、シュークリームの皮の形はキャベツに似ていることからこの名前がついたとか。直訳すると、クリーム入りキャベツといった感じに…。もちろんだが、原材料にキャベツは含まれていない。
フランスは美食大国。スイーツの都といわれて名高いパリは、世界でもあまりに有名な都市である。シュークリーム以外にも、
- ミルフィーユ
- モンブラン
- ガトーショコラ
- ガトーフロマージュ
などなど、フランス語に由来をもつスイーツは思いのほかたくさんある。
【追加雑学②】シュークリームの歴史
ここで、せっかくなのでシュークリームの歴史についても知っておこう。
- 発明した人は不明。
- 16世紀頃に、イタリアのある王女様がフランスの伯爵のもとへお嫁に。そのときに連れてきた、お菓子職人ポプランが製法を持ち込み、フランスで広まる。
- その後、フランスにて現在のシュークリームの形に発展。
日本には、横浜の外国人居留地で洋菓子店を営んでいたフランス人のサミュエル・ピエール氏によって伝えられたといわれている。
ピエール氏がオープンしていた洋菓子店の店名は「横浜八五番館」。その後、彼のもとで修行していた谷川俊二郎氏や村上光保氏らも、独立後にシュークリームを発売している。
昭和30年代以降になると、冷蔵庫が普及したことなどから、シュークリームもようやく手軽に食べられる美味しいスイーツとして浸透していったのだ。
シュークリームの雑学まとめ
今回は、シュークリームを英語圏で使うときの注意点から正しい表現方法、そこから深掘りしてシュークリームに関する様々な雑学をご紹介した。
これで、靴磨き用クリームじゃなく美味しいシュークリームをオーダーできること間違いなし。ぜひ雑学と合わせて使ってみて欲しい。