日本の国旗といえば、「日の丸」である。「白地に赤く日の丸染めて…」と歌にもあるとおり、シンプルな白い布に赤い丸が描かれた旗だ。
実は、この日の丸の赤い丸が「赤色」ではないということをご存知だろうか。
いやいや、赤でしょ! そうでないなら一体なに色なの? 今回の雑学ではそんな疑問にお答えしよう!
【歴史雑学】日の丸は赤色ではない
【雑学解説】日の丸の色は紅色である
日本の国旗「日の丸」は正式名称を「日章旗(にっしょうき)」という。紅白はめでたい配色ということから日の丸が紅白になったという説がある。
古くから太陽を信仰し、日出ずる国と称してきた日本において、太陽をモチーフにした旗は645年の大化の改新後にすでに存在していた。しかし、最初の日の丸は白地に赤ではなく、赤地に金色の丸だったのだ。
紅白の日の丸が主流になったのは、源平合戦に影響されているという説がある。平家の旗が赤地に金の丸であり、勝利した源氏の旗が、今日の日の丸の配色である紅白だったため、この配色で浸透したともいわれているのだ。
赤というのは、昔は明るい色を総称して呼ぶ色であった。そのため日の丸も「赤」と表現しても差し支えないのだが、正式な国旗の色としては「紅色」という、赤よりもややピンク寄りの深い赤色なのである。
とはいえ、この「紅色」も、法的にカラーコードが確定していないようで、今でも曖昧なようだ。
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【追加雑学①】国旗としての始まりは?
江戸時代の1854年に薩摩藩主の島津斉彬(しまづなりあきら)の提案で、外国船と日本の船を区別するための目印として日の丸を採用したことが、国旗としての始まりである。
しかし、正式に国旗と定められたのは1999年「国旗及び国歌に関する法律」が施行されてからという、意外と最近のことなのである。
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それまでは、国民は暗黙の了解で日の丸を国旗と認識していたのかと思うと、すごいことである!
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【追加雑学②】東京オリンピックで作るのに苦労した日の丸
1964年に開催された東京オリンピックでは、「紅色」ということは決められていたが、正式な色はわからなかったため、国旗作りを担当していた委員が500軒もの民家を回って各家庭の日の丸を確認し、色の平均値を出して日の丸の紅色を決めたのである。
オリンピック組織委員会の幹部や官房長官にも紅色の確認をお願いしたが、「自分にはとてもできない」と決定してもらえず、最終的には早稲田大学の学生にして国旗のスペシャリストとして担当委員に抜擢されていた吹浦忠正(ふきうらだたまさ)氏が色を決めたのだという。
次の東京オリンピックでは、日の丸の紅色は果たしてきちんと決まるのか?
【追加雑学③】日の丸に似た国旗
世界の国旗を見てみると、日の丸によく似た国旗が2つある。バングラディッシュとパラオだ。日の丸と色は違えどデザインは同じなのである。
しいていうと、どちらの国も丸の位置が真ん中ではなくやや左寄りであるのが日の丸との違いだ。これは、風にはためいたときに丸が中央に見えるように、竿寄りにずらしているのだ。
バングラディッシュの国旗は緑地に赤の丸が描かれていて、緑の多い自然豊かな国土と独立運動で流れた血と太陽を表しているそうだ。そして、初代大統領が日本に魅力を感じていたことから、日の丸を参考にしたといわれている。
一方パラオの国旗は、青地に黄色の丸が描かれていて、太平洋の青と美しい満月を表現しているのだ。一説には日の丸を元にしているともいわれているが、デザインしたジョン・ブラウ・スキーボング氏によると全く関係ないとのことである。
日の丸は、そのデザインの美しさに惚れ込んだフランス政府が明治政府に500万円で売ってほしいと持ちかけたというエピソードもある。現在の価格にして200億円ほどになるというから驚きだ! ただこれも、外交辞令だったのではという見解が濃厚なのだが…。
雑学まとめ
「日の丸」についての雑学をご紹介してきた。誰もが知ってる日本の国旗「日の丸」は、実は赤色ではなく「紅色」が正解だった。長いこと国民的な旗として存在していたが、国旗として正式に決まったのは平成になってからと、最近のことにびっくりだ。
これからは日の丸を説明するとき、「白地に紅色の丸が中心に描かれている旗」といってみよう! ちなみに英語だとCrimson(クリムゾン)だ。Redだと「赤色」になるから気をつけよう。