植物・木

あえてです!街路樹に落葉樹が植えられている理由とは?【常緑樹】

雑学カンパニー編集部

雑学カンパニーは「日常に楽しみを」をテーマに、様々なジャンルの雑学情報を発信しています。

街路樹にはあえて葉の落ちる落葉樹が植えられているという雑学

ビルに囲まれた都会の中でも癒しを与えてくれるのが、街路樹だ。自然に触れる機会の少ない現代人にとって、身近なところにある自然の一つだろう。

緑の葉が茂る木をみると、ストレスも和らぐような気がする。しかし、街路樹は冬には葉を落としてしまう落葉樹が多い。葉がないと寂しさを感じるのに、なぜ落葉樹を植えるのか…。

今回の雑学ではあえて葉の落ちる落葉樹が植えられている、その理由を調べてみた。自然を身近に感じさせてくれるだけではない、街路樹の役割についてもぜひ知ってもらいたい。

【自然雑学】街路樹にはあえて葉の落ちる落葉樹が植えられている

ばあさん
街路樹にあえて葉の落ちる落葉樹が植えられている理由、知っていますか?
じいさん
うーん……。あ!わかったぞ!ズバリ、風情があるからじゃっ!
ばあさん
ふふ。たしかに、それもありそうですね。でも1番の理由は「夏は日差しをさえぎり、冬は日差しが届くから」というものなんです。

【雑学解説】落葉樹なら夏と冬のどちらの季節も快適に過ごせる

落葉樹なら夏と冬のどちらの季節も快適に過ごせるというトリビア

そもそも落葉樹とはどういう木なのか。落葉樹という分類があるのなら、葉が落ちない木もあるのか? 落葉樹が植えられている理由を解説する前に、木の分類について説明しておこう。

じいさん
よろしく頼む!

落葉樹と常緑樹の違い

  • 落葉樹:低温になる秋など、ある季節になると葉が枯れ落ちる性質をもつ木
  • 常緑樹:一年中葉がついている姿がみられる木

落葉樹の葉は冬の寒さや乾燥に弱い、という特徴がある。弱い葉を落としてしまうことで、寒い冬を乗り切るという植物の知恵がはたらいている。

常緑樹は落葉樹に比べ葉が厚く、寒さや乾燥に強い構造をしている。だが葉が落ちないのではなく、葉の落ちる時期に新しい葉が育ってくるため、一年を通して葉があるように見えるのだ。クリスマスツリーのモミの木は、常緑樹の代表例となっている。

おすすめ記事

葉っぱが紅葉する理由に関する雑学
植物の生きる知恵!葉っぱが紅葉するのはなぜ?

続きを見る

スポンサーリンク

落葉樹が植えられている理由

落葉樹が植えられている理由についてのトリビア

葉が落ちてしまう落葉樹よりも、常緑樹のほうが緑があり景観もよさそうな気がするが…。実は、落葉樹を植えると以下の理由により、道を歩く人が過ごしやすくなるのである。

  • 夏の日差しをさえぎり、木陰を作ることができる
  • 冬は葉が落ちるので日差しが届き、温もりを与えてくれる

日差しのきつい夏は日陰の部分を歩きたいし、冬は日陰は寒いから日差しの届く場所を歩きたい。この2つの願いを叶えてくれるのが、落葉樹だったのだ…!

ばあさん
落葉樹は、人にやさしい木なのですねぇ。

おすすめ記事

木陰が涼しいのは影だからではないという雑学
植物の働きがありがたい…木陰が涼しい理由は"影だから"ではない?

続きを見る

【追加雑学①】街路樹には「モモ」や「ナシ」が植えられたこともある

落葉樹は街路樹にぴったりの木ではあるが、植えるなら美味しい果物のなる木がいいと思う人もいるだろう。歴史をさかのぼると、果物のなる木が街路樹として植えられたこともあった。

奈良時代に、光明皇后が街路樹としてモモやナシの木を植えたと伝えられている。モモやナシを選んだ理由は、貧しい人々が飢えないようにと考えてのことだったそうだ。光明皇后の優しい人柄が感じられるエピソードである。

じいさん
光明皇后…心の温かい方だったんじゃなぁ…。

では、今の日本にはもう果物のなる街路樹はないのか? 気になり調べてみると、あまり見かけることはないのだが、現代でも果樹の街路樹は存在していた!

北海道札幌市豊平区では、「リンゴ並木」が存在している。リンゴの木が道路の中央分離帯に植えられており、収穫したリンゴはイベントなどで配られているとのことだ。

なぜリンゴを植えたのかについては、明治時代の北海道札幌市でリンゴの栽培が行われていたからである。リンゴの木を町のシンボルとして残したいという思いが込められた街路樹なのだ。

スポンサーリンク

【追加雑学②】日本で最も多い街路樹は「イチョウ」

日本で最も多い街路樹は「イチョウ」についてのトリビア

街路樹にはどんな木が植えられているのかも、トリビアとして覚えておくといいだろう。日本で植えられることの多い、代表的な街路樹の上位3種がこちらだ。

  • 1位:イチョウ
  • 2位:サクラ
  • 3位:ケヤキ
じいさん
イチョウは予想通りじゃな!

これら3種は全て落葉樹である。1位であるイチョウが最も多い理由は、秋に葉が黄色く色付くのが美しく、車の走る道でも育ちやすい丈夫な木であるため、街路樹として利用しやすいからだと考えられる。

2位のサクラは、日本人の好きな木だ。植物には興味がなくても、サクラが咲くとお花見に行く人もいるかと思う。集客力があり、地域の活性化にも繋がる街路樹がサクラなのだろう。

3位のケヤキは成長するのが早く、育つと大きな木になり木陰を作りやすいという特徴がある。3また、紅葉シーズンには葉が黄色や赤色に色付き、綺麗な光景をみせてくれることも人気の理由となっていた。

紅葉シーズンのイチョウ並木は人気の観光スポット!

イチョウは秋になると、葉が綺麗に黄色く色付く。1本のイチョウでも綺麗だが、街路樹として植えられたたくさんのイチョウだと、このように美しい光景がみられるのだ!

ばあさん
見渡すかぎり黄色の世界…!うっとりしてしまいますね。

この動画では、東京都のイチョウ並木スポットとして有名な、「明治神宮外苑」の光景が楽しめる。イチョウの木も美しいが、落ち葉で埋め尽くされた道もすごい…!

ただの街路樹だと思っていたが、紅葉のシーズンには立派な観光スポットになるのだ。東京は遠いという人も、近場にイチョウ並木があれば、秋には美しい光景がみられるかもしれない。散歩に行くのもおすすめだ。

街路樹は落葉樹が多い|雑学まとめ

今回は街路樹にはあえて葉の落ちる落葉樹が植えられていることと、街路樹にまつわる雑学を紹介した。

道の脇に植えられている木の選び方にも、きちんとした理由があったとは驚きである。これから道を歩くときには、街路樹にも目を向けたい。

自分の家の近くに、どんな木が街路樹として植えられているのか調べてみるのも楽しいだろう。意外な木が植えられているかもしれないぞ!

じいさん
ばあさんや、今からいっしょに散歩にでも行かんか?
ばあさん
いいですねぇ。のんびり街路樹を眺めながら、お話しましょう。

いま読まれている記事

  • この記事を書いた人

雑学カンパニー編集部

雑学カンパニーは「日常に楽しみを」をテーマに、様々なジャンルの雑学情報を発信しています。