今回の雑学テーマは、餃子について。
餃子といえばニンニクが入った食べ物の代表格だろう。タクシーの運転手がニンニクの臭いがする乗客に「お客さん、餃子食べましたね」というコマーシャルがあったぐらいだ。
また餃子は中国から来た食べ物であり、そこから「中国人はニンニクを食べる」というイメージをもっている人も多いだろう。
しかしなんと、中国の餃子にはニンニクが入っていないという! これは日本人の味覚からすれば、なんだか物足りないように感じてしまうが…。真相に迫ってみるとそこには、日本で独自に発展した餃子文化を垣間見ることができた。
【食べ物雑学】中国の餃子にはニンニクが入っていない
【雑学解説】餃子にニンニクを入れたのは日本人
日本人からすれば、ニンニクが餃子に入っているのは当たり前のこと。もちろん中国でも餃子とニンニクの組み合わせが最強だとは知られている。しかし中国の餃子にはニンニクが入っておらず、餃子とは別に丸ごとのニンニクを食べるのが普通だ。
なぜ、本場では別で食べられているニンニクを、日本では餃子に入れようと思ったのだろうか?
日本人が餃子にニンニクを入れた理由とは?
日本に餃子が持ち込まれたのは第二次世界大戦後のこと。中国から帰国した日本兵が広めたといわれている。
このときの餃子には羊肉が使われていた。これが質の良くない年老いた羊の肉で、臭いがかなりきつかったのだ。この臭いを消すために、餃子の中にニンニクを入れることを考えたのが日本人だという。
その後、餃子には豚肉を使うことが一般的になる。これもニンニクと相性が良いため、以降もニンニクを餃子に入れることがスタンダードとなったのだ。
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【追加雑学①】中国で一般的な餃子は水餃子
日本で餃子というと最初にイメージするのは、こんがりとした焼き餃子だろう。そのため、中国でも焼き餃子を食べるのが一般的だと思うかもしれないが、中国では水餃子が主流だ。
中国では餃子を主食として食べるので、茹でて柔らかくなることを前提に、皮がかなり厚く作られている。一方日本では米が主食のため、皮の薄いものをおかずとして焼いて食べるのが一般的になった。
つまり焼き餃子は、日本人が中国の餃子をアレンジした食べ物だったのだ。以下の動画では中国人が日本の餃子定食についてレポートしている。定食としてご飯と一緒に餃子を食べるのは、中国人にとってかなり不思議なことらしい。
ちなみに日本の餃子は中国でもかなり人気があり、「焼き餃子は日本の料理」といわれたりもする。中国にも焼き餃子がないわけではないが、それは水餃子の残り物を焼いたのが発祥といわれており、あまりポピュラーではないようだ。
ちなみに中国人には「ラーメンは日本が本場だ」という人も多い。このようにこちらが本場だと思っている中国から、食で認められているのは誇らしいものだ。
【追加雑学②】中国人には餃子にニンニクを入れることが理解できない?
中国人がニンニクをよく食べることに間違いはない。
しかし彼らにとって、ニンニクは飽くまでも丸ごと食べるものだ。そのため「日本では餃子にニンニクを入れる」という話を聞くと、ニンニクをまるごと入れるようなイメージをもってしまうようだ。
そんなことをしたら、具がニンニクだけになってしまうではないか…。要するに中国人には、ニンニクを刻んで餃子に入れるという概念がないのだ。
この辺りの食文化のへだたりがあるため、中国の人にはかなり丁寧に説明しないと、餃子にニンニクを入れるという意味が理解できないのだとか。
中国の餃子|雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。餃子の本場は中国。そして餃子にニンニクは欠かせない。しかし意外なことに、ニンニクを入れるのを考案したのは日本人だった。
最近では多国籍料理店などが増え、日本でさまざまな国の料理が食べられるが、これらも日本人用にアレンジされたものが大半だ。本場の人が聞いたら驚くようなアレンジも、まだまだあるのかもしれない。