江戸時代

ナンバ歩きとは?江戸時代では当たり前だった"手足同時出し歩き"

雑学カンパニー編集部

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江戸時代まで、日本人は手と足を同時に出していたということに関する雑学右手と左足、左手と右足。歩くときは左右別々の手足を出す、これはふつう。というより、それ以外どうやって歩くのだろう。

右手と右足、左手と左足。手と足を同時っておかしくならないか。考えるとなんだか混乱してきて、頭が痛くなってきた。

しかし、江戸時代までの日本人は、手と足を同時に出していた話を聞いたことがあるだろうか? 信じれないが、江戸時代はそんな変わった歩き方「ナンバ歩き」があったようなのだ。今回は、その理由と注目すべき驚きの健康効果についても雑学としてお伝えしよう!

【歴史雑学】江戸時代まで、日本人は手と足を同時に出す「ナンバ歩き」をしていた

右手右足を出し、次に左手左足出す歩き方。これを「ナンバ歩き」という。

【雑学解説】手と足、同時に出す歩き方は「ナンバ歩き」

江戸時代の絵や歌舞伎・能の歩き方を思い出してほしい。手と足は、同じ左右を出しながら歩いていていないだろうか。この歩き方を「ナンバ歩き」という。

江戸庶民が「ナンバ歩き」を実際にしていたのかは諸説あるが、それでも記録などからある程度信憑性がある。かつては、日本人だけでなく古代ギリシア人も「ナンバ歩き」をしていたとも言われている。

ちなみに、ゴリラも「ナンバ歩き」だ。

どうして「ナンバ歩き」をしていたのか?

「ナンバ歩き」がされていた理由は諸説あるが、最も知られている理由は当時の服装にある。江戸時代までの服装は和服だ。着物をはおり、腰に帯を巻いていた。

温泉などで浴衣を身に着けた時に分かると思うが、着物は着崩れしやすい。特に、手足を対称に出す現代人の歩き方をすれば、着崩れが起きてはだけてしまう。

なぜなら、現代人の歩き方は腰や肩をひねるので、どうしても全体の動きが大きくなってしまうからだ。それに比べて、「ナンバ歩き」は体のひねりが少ないので、全体の動きがコンパクトに収まって、着物の着崩れが起きにくいというわけだ。

江戸時代の終わりと共に去った「ナンバ歩き」

日本人にとって主流であった「ナンバ歩き」。明治維新の到来とともに、人々の歩き方も変化してしまった。

西洋式軍隊が取り入れられ、徴兵制によって左右交互に手足を出す軍隊の行進方法が教えられた。また、庶民の服装が着物から西洋の服装へと急激に変化していったのだった。このような時代の流れの中、歩き方も変化して、いつしか「ナンバ歩き」は消え去っていってしまった。

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【追加雑学】江戸の庶民の長距離歩行を可能にした「ナンバ歩き」

江戸時代にお伊勢参りが大流行したことをご存知だろうか? 当時は車や電車、ましてや自転車もないので、人々は当然歩いて伊勢神宮を目指した。

伊勢神宮は現在の三重県にあるが、江戸から往復してその距離1,000km。往復で1ヶ月の長い旅であった。1日の移動距離は約40㎞、これを1ヶ月近く続けるとなると、体の負担もとても大きいように思える。

しかし、それを可能にしたのが「ナンバ歩き」だったのだ。「ナンバ歩き」は驚くほどに、歩行による体への負担を軽減してくれるのだ。

実践「ナンバ歩き」! 腰痛・肩こりに効く!

私たちの生活から消えていった「ナンバ歩き」。しかし今、その健康効果が期待されているのだ。特に腰痛や肩こりのある人におすすめ!

では、簡単に「ナンバ歩き」のポイントを説明しよう。

まず、出した方の足と同じ方の手を出す。この時、手はあまり前後に振らずに、踏み出そうとする足の動きに合わせて肩を軽く上げ下げするといいだろう。腰・骨盤をひねらないように注意する。慣れてきたら、腕・肩・首の力を抜いてみよう。

デスクワークで疲れた場合も、「ナンバ歩き」でかなり体がほぐされる。専門の書籍も出ているので、ぜひチェックしてほしい!

雑学まとめ

現代では忘れられた歩き方「ナンバ歩き」についての雑学を紹介した。「ナンパ歩き」ではなくて「ナンバ歩き」だ。一瞬見間違えると恥ずかしい思いをすることになるので注意してほしい。いや、見間違えるのはわたしだけか。

「ナンバ歩き」は変な歩き方と思いきや、意外と便利だった。まさか現代人の健康の悩みを解決してくれるようになるとは、江戸時代の人は思ってもみなかっただろう。みなさんも恥ずかしがらずに、歩くときはぜひ手足を同時に出してみては。

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