魚類は一生を水中で生活する生物であり、一部の魚を除いて陸上で生活することができない。水中は陸上と同じ感覚が発達していても役に立たないため、魚は嗅覚と聴覚が非常に発達している。
魚が絶対音感をもっていると知ったら驚く人は多いだろう。嗅覚も非常に発達しているが、意外な感覚を嗅覚のように利用することもある。
魚の嗅覚や聴覚などに関する雑学をまとめてみた。
【動物雑学】魚にも嗅覚と聴覚がある
【雑学解説】魚の嗅覚は犬並み。聴覚も人間よりはるかに発達している
水の中に生活している魚類は我々人間とは全く違う感覚をもっている。水の中では視覚は頼りにならない。海の中は透明度が非常に低く、深度が深くなるほど光が届かず、どんどん暗くなってしまうからだ。
魚は視覚は発達していないが、他の感覚を非常に発達させているものが多い。
嗅覚は非常に優れており、アミノ酸の匂いを感じ取って獲物を見つけるという。血の匂いを感じ取って獲物に寄ってくる魚は少なくないが、まさに嗅覚が優れているから可能なのである。
上の動画は餌の匂いに寄ってくるハゼを撮影したものだ。その嗅覚は人の300倍から1億倍も優れているといわれており、犬に匹敵するという意見もある。
それだけではなく、魚は敵に見つからないように匂いで偽装する種類もいる。サンゴ礁に住む魚はサンゴと同じ匂いを発することで敵に狙われないようにしているという。嗅覚が非常に重要な魚ならではの戦術だろう。
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水の中は沈黙の世界などといわれることもあるが、実際は空気中よりもはるかに早く音を伝える。そのため、音を捉える聴覚は魚にとって非常に重要な器官である。
魚には絶対音感をもったものが非常に多い。また、人間の耳が40ヘルツから6000ヘルツぐらいの音を捉えるのに対し、魚には16ヘルツから13000ヘルツまで捉える種類もいるという。
ちなみに、音を使って、連絡やプロポーズをする魚もいる。
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【追加雑学①】魚は水中の味を嗅ぐとはどういう意味?
魚の嗅覚は非常に優れているが、なんと魚は味覚を嗅覚のように使うこともあるという。
人間の感覚でいえば、味覚というものは口に入ったものを感じ取るものだ。しかし、魚は人間にもある、味を感じ取る器官・味蕾を利用して水中に含まれる成分の味を感じ取り、嗅覚のように味の元を辿ることができるのだという。
そのため、味を嗅ぎ分けるという表現が使われることもある。
サケが生まれた川に戻ってくるメカニズムはまだ解明されていないのだが、味覚や嗅覚を使って自分が生まれた川まで戻ってくるという説が有力なようだ。
匂いはわかるが味がどこから流れてくるのかを感じ取るというのは、人間には理解できない世界だろう。
【追加雑学②】魚には人間にない感覚がある
魚には人間にない感覚器官が存在している。
魚の体の中央には「側線」と呼ばれるものがあり、これを使って水の流れの変化や振動などを非常に敏感に感じ取っている。
側線のおかげで視覚を使わなくても、水中にある物体の存在や位置などを知ることができるのだ。
合気道の達人として知られる塩田剛三は、狭い金魚鉢の中で金魚がお互いぶつからずに泳ぐ姿を見てその動きを真似したという。そのおかげで飛び出してきた自動車を避けることができたという伝説があるが、金魚がぶつからずに泳ぐことができるのは側線のおかげなのだ。
小さな魚の群れは大量の魚が一つの魚のように間隔を一定に保って泳いでいる。この見事に統率された動きも、側線で水のわずかな振動を感じ取ることで可能になっているのである。
非常に優れた器官である側線だが、魚類だけのものではなく両生類にもあるという。
雑学まとめ
魚類にも嗅覚と聴覚があるという雑学についてご紹介した。水中という陸上とは全く異なる環境で生活している魚には、人間には存在しない感覚が備わっているようだ。
また、離れた場所の味を感じ取ることができるというのは驚くべき能力である。様々な成分が溶ける水中だからこそ、味覚を嗅覚のように使えるのかもしれない。
魚の視覚はかなり劣っているようだが嗅覚や聴覚、味覚も非常に優れており、感覚器官がとんでもなく発達しているのである。
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