寒くなり、インフルエンザの季節が到来すると悩む人も多い、インフルエンザワクチンを打つか打たないか問題。特に小さな子どもがいるご家庭ではどうすれば良いか、かなり悩むことだろう。
巷やネットでは「ワクチンは効果がない」と主張する人や記事が多いが、本当のところはどうなのだろう? インフルエンザワクチンの効能についての雑学を探ってみた。
【人体雑学】インフルエンザワクチンは効果がない?
【雑学解説】インフルエンザワクチンは全く効果がないわけではない
インフルエンザワクチンに関しては、Google検索すると「効かない」だの「打つな」など、効果を否定する記事が多数見受けられる。
そうした記事のよりどころは「前橋レポート」という群馬県の前橋医師会が、1979年に取りまとめたレポートだ。このレポートではたしかに予防接種の効果が否定されているし、1990年代に入りインフルエンザの予防接種が廃止されるきっかけともなったものである。
しかし現在は、前橋レポートのデータの信ぴょう性に疑問が投げかけられている。発熱など、インフルエンザ以外の原因で学校を休んでいた人もデータに含んでいたりして、信頼できる内容ではないらしい。
だからワクチンが効かないというのに根拠がないことになるが、かといって一概にワクチンは利くとも断言できない。というのも100%効くとはいえないからだ。
実際いろいろな研究がされているが、研究によってインフルエンザの効果の数字はさまざま。80%効いたという結果が出たときもあるし、30%程度しか効かなかったときもある。
30%程度なら打たなくてもいいじゃないかと思うかもしれないが、これは考え方しだい。インフルエンザは高熱が出るし関節がとても痛くなるし、かかると非常に辛い病気だ。
30%程度だとしても、その辛い病気にかかるリスクを注射1本で減少させてくれると考えれば、打っておいたほうがいいように感じないだろうか。
ワクチンには病気にかかるのを防ぐ以外にも、重症化を防ぐ効果もある。高齢の方やお子さん、妊婦の方などがインフルエンザにかかると重症化しやすく、場合によっては命にかかわることもある。
また、インフルエンザワクチンには副作用がほとんどなく「打たなくてもいいが打っておいたほうがいい」と軽く考えたほうがいいかもしれない。
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【追加雑学】インフルエンザの薬のなかにはパーキンソン病に効く薬もある
インフルエンザの薬にはさまざまなものがあるが、そのなかには、脳のなかのドーパミンが減少することで身体症状が起こる病気「パーキンソン病」に効く薬もあることをご存知だろうか?
その薬の名称は「アマンタジン」。A型インフルエンザに効く薬剤だ。1986年に、パーキンソン病患者の女性にこのアマンタジンを投与したところ、なんと手足の震えなどパーキンソン病の症状の改善が見られたのだ。
これは狙って投与したわけではなく完全な偶然。間違って投与した方も効き目が出てびっくりしたに違いない。
これがきっかけでアマンタジンは、抗パーキンソン薬として利用されるようになり、今日では多くのパーキンソン患者に使われている。
ひとつの薬が全く異なる二つの病気に対し効果を発揮しているのだから、面白い。
雑学まとめ
今回はインフルエンザワクチンに関しての雑学を紹介した。効果が出ないという説が巷に出回っているが、実際はそんなことはなく、一定の効果は示すことは確認されている。
絶対ではないが効くこともあるというイメージだ。ワクチン自体はそんな高価なものではないし、副作用もほとんどないのだから、打ってみて損はないだろう。
それでインフルエンザにかかってしまっても、「ついてなかったな~」と多めにみてもらう懐のでかさが必要だ。
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